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第11話 王国、ついに“廃太子”を議題に上げる
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第11話 王国、ついに“廃太子”を議題に上げる
王城の大広間に、重苦しい空気が満ちていた。
国王アクトロスは玉座に座り、眉間に深い皺を刻んだまま沈黙している。
文官長をはじめとした重臣たちは、
それぞれ青ざめた顔で書類を抱えて立っていた。
「……状況は、そこまで逼迫しているのか?」
国王の静かな問いに、文官長が震える声で答えた。
「は……はい。
フェルメリア様が離国されてから、国の行政はほぼ停止状態です。
各部署が彼女の残した資料を読めず、判断ができず……」
「判断ができないのは我が息子ウィッシュだろう」
国王の皮肉に、場が凍りつく。
文官長はさらに続けた。
「昨日、税改定条約の返答期限を超過しました。
これは隣国への重大な侮辱となりかねません」
「他国からの苦情は?」
「本日だけで七通……
外交官から直接“フェルメリア様はどこにいらっしゃるのか”と尋ねられております」
国王「なぜ令嬢の所在を他国が気にする!?」
文官長「……あの方が実質的に王国の行政を担っていたことを、各国も把握していたからです」
重臣たちの間でざわめきが起きた。
「なんと……」
「まさか、そこまで……」
「我々は……令嬢一人に頼り切っていたのか……?」
国王は深く息を吐いた。
「つまり……フェルメリア嬢がいない以上、
今の王太子では国政が管轄できない、ということか」
誰も反論できなかった。
---
その頃。
当の王太子ウィッシュは──
王城のダンスホールでアイラと踊っていた。
ウィッシュ「はは、完璧だろう? このステップ!」
アイラ「殿下って本当に最高ですっ♡」
侍女(国が滅んでる時に何してんの……?)
文官(今、会議してるのあなたのせいなんですけど……)
兵士(国王様の怒り、もう臨界点だぞ……)
しかし二人は満面の笑みで、
一ミリも危機を認識していなかった。
---
再び大広間。
重臣の一人が震える声で言った。
「……陛下。
言いにくいことではありますが……」
国王「申せ」
「王太子殿下には、即位に必要な資質が欠けているように思われます」
大広間が静まり返った。
重臣は続けた。
「このままでは王国そのものが崩壊しかねません。
ゆえに──廃太子を視野に入れるべきかと」
国王の手が、玉座の肘掛けを強く握る。
「……ウィッシュを廃し、第二王子を立てる、か」
「はい」
その言葉は、誰もが避け続けてきた“禁句”。
しかし、もはや避けられない状況だった。
国王は静かに目を閉じ、呟く。
「すべて……フェルメリア嬢を手放した愚かさから始まった」
重臣「陛下……フェルメリア様を呼び戻すことは……」
「無理だ。あの子は戻らん。
ウィッシュとアイラが、彼女の心を完全に折った」
文官長が深くうなずく。
「陛下。
彼女を呼び戻そうとする者が、既に王都で“民衆運動”になりつつあります」
国王「民衆が……令嬢を求めている……?」
「はい。“フェルメリア様帰還嘆願署名”は一万を超えました」
大臣たち「(一万!?)」
国王は立ち上がった。
「ウィッシュを呼べ。
我が子とて、このままでは済まさん」
---
その頃。
隣国のアイオン官邸では──
エヴァントラが紅茶を飲みながら本を読んでいた。
アイオンが控えめに尋ねる。
「……本日も落ち着いてお過ごしいただけていますか?」
「もちろんですわ。
あなたと一緒にいる方が、母国よりよほど安全で静かですもの」
アイオンの耳がほんのり赤くなる。
「……それは、光栄です」
(……可愛い方ですわね。本当に)
エヴァントラは本のページをそっとめくりながら微笑んだ。
その穏やかな空気とは裏腹に──
母国は彼女不在で、
止まらない“自滅”へと転がり続けていた。
王城の大広間に、重苦しい空気が満ちていた。
国王アクトロスは玉座に座り、眉間に深い皺を刻んだまま沈黙している。
文官長をはじめとした重臣たちは、
それぞれ青ざめた顔で書類を抱えて立っていた。
「……状況は、そこまで逼迫しているのか?」
国王の静かな問いに、文官長が震える声で答えた。
「は……はい。
フェルメリア様が離国されてから、国の行政はほぼ停止状態です。
各部署が彼女の残した資料を読めず、判断ができず……」
「判断ができないのは我が息子ウィッシュだろう」
国王の皮肉に、場が凍りつく。
文官長はさらに続けた。
「昨日、税改定条約の返答期限を超過しました。
これは隣国への重大な侮辱となりかねません」
「他国からの苦情は?」
「本日だけで七通……
外交官から直接“フェルメリア様はどこにいらっしゃるのか”と尋ねられております」
国王「なぜ令嬢の所在を他国が気にする!?」
文官長「……あの方が実質的に王国の行政を担っていたことを、各国も把握していたからです」
重臣たちの間でざわめきが起きた。
「なんと……」
「まさか、そこまで……」
「我々は……令嬢一人に頼り切っていたのか……?」
国王は深く息を吐いた。
「つまり……フェルメリア嬢がいない以上、
今の王太子では国政が管轄できない、ということか」
誰も反論できなかった。
---
その頃。
当の王太子ウィッシュは──
王城のダンスホールでアイラと踊っていた。
ウィッシュ「はは、完璧だろう? このステップ!」
アイラ「殿下って本当に最高ですっ♡」
侍女(国が滅んでる時に何してんの……?)
文官(今、会議してるのあなたのせいなんですけど……)
兵士(国王様の怒り、もう臨界点だぞ……)
しかし二人は満面の笑みで、
一ミリも危機を認識していなかった。
---
再び大広間。
重臣の一人が震える声で言った。
「……陛下。
言いにくいことではありますが……」
国王「申せ」
「王太子殿下には、即位に必要な資質が欠けているように思われます」
大広間が静まり返った。
重臣は続けた。
「このままでは王国そのものが崩壊しかねません。
ゆえに──廃太子を視野に入れるべきかと」
国王の手が、玉座の肘掛けを強く握る。
「……ウィッシュを廃し、第二王子を立てる、か」
「はい」
その言葉は、誰もが避け続けてきた“禁句”。
しかし、もはや避けられない状況だった。
国王は静かに目を閉じ、呟く。
「すべて……フェルメリア嬢を手放した愚かさから始まった」
重臣「陛下……フェルメリア様を呼び戻すことは……」
「無理だ。あの子は戻らん。
ウィッシュとアイラが、彼女の心を完全に折った」
文官長が深くうなずく。
「陛下。
彼女を呼び戻そうとする者が、既に王都で“民衆運動”になりつつあります」
国王「民衆が……令嬢を求めている……?」
「はい。“フェルメリア様帰還嘆願署名”は一万を超えました」
大臣たち「(一万!?)」
国王は立ち上がった。
「ウィッシュを呼べ。
我が子とて、このままでは済まさん」
---
その頃。
隣国のアイオン官邸では──
エヴァントラが紅茶を飲みながら本を読んでいた。
アイオンが控えめに尋ねる。
「……本日も落ち着いてお過ごしいただけていますか?」
「もちろんですわ。
あなたと一緒にいる方が、母国よりよほど安全で静かですもの」
アイオンの耳がほんのり赤くなる。
「……それは、光栄です」
(……可愛い方ですわね。本当に)
エヴァントラは本のページをそっとめくりながら微笑んだ。
その穏やかな空気とは裏腹に──
母国は彼女不在で、
止まらない“自滅”へと転がり続けていた。
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