婚約破棄?責任を取らされた王太子はホームレスになりました

鷹 綾

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第二十五話 評議会

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第二十五話 評議会

王城、大広間。

重厚な扉が閉ざされる。

集められたのは諸侯当主、重臣、教会代表、商会長。

そして国王と王太子。

空気は静まり返っている。

国王が口を開く。

「国家安定のため、諸侯の意見を聞く」

形式は協議。

だが実態は審理。

財務官が前に出る。

「王家財政は著しく悪化しております」

帳簿が開かれる。

数字が並ぶ。

借入残高。

商会からの信用縮小。

軍需費の遅延。

辺境伯が低く問う。

「流通は止まっているのか」

商会長が首を振る。

「契約は守られております」

つまり、供給はある。

滞りは王家側。

王太子が立ち上がる。

「締め付けだ。王家への圧力だ」

商会長は淡々と答える。

「契約は変更しておりません」

辺境伯が言う。

「王家の判断が信用を損ねた可能性は否定できぬ」

王太子の顔が強張る。

「婚約の件か」

教会代表が静かに言う。

「王家の宣言は象徴です。軽視できませぬ」

ざわめきはない。

非難もない。

ただ事実が置かれる。

財務官。

「市場は不安を感じております」

「軍は諸侯騎士団に依存しております」

「王家の命令系統は揺らいでおります」

一つずつ。

王太子の表情が歪む。

「私は国のために選択した!」

辺境伯が静かに返す。

「王は私情で国を揺らさぬ」

その一言が重い。

国王は目を閉じる。

沈黙が続く。

やがて国王が言う。

「責任の所在を明らかにする必要がある」

空気が変わる。

王太子が国王を見る。

「父上……」

国王は視線を逸らさない。

「王太子の統治能力を議題とする」

言葉は穏やかだ。

だが意味は明確。

継承者の適性が公に問われる。

それは前例に近い重さ。

王太子は声を失う。

辺境伯が立つ。

「次回評議会にて結論を」

国王は頷く。

「決断する」

散会。

諸侯は静かに去る。

王太子だけが大広間に残る。

空虚な空間。

かつては称賛があった場所。

今は沈黙。

評議会は終わった。

だが王家の審理は、始まったばかりだった。
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