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第40話 選ぶということ
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第40話 選ぶということ
朝の光が、静かに部屋を満たしていた。
シルフィーネは、窓辺に立ち、王都の街を見下ろす。
いつもと変わらない景色。
けれど、その中に立つ自分は、確かに変わっていた。
「……長い時間でしたね」
幼い容姿を理由に否定され、
婚約を破棄され、
事故に遭い、
目を覚ましたら“価値が変わった”と言われた。
けれど、本当に変わったのは、
外見ではない。
*
机に向かい、シルフィーネは一通の手紙を取り出した。
宛名は、ノルディア王城。
差出人は、自分。
もう、白紙ではない。
ゆっくりと、読み返す。
> エドワルド殿下
私は、自国に戻り、静かな時間を過ごしました。
その中で、はっきりと分かったことがあります。
私は、
「誰かに選ばれる人生」ではなく、
「自分で選び続ける人生」を望んでいるのだと。
一度、ペンを置き、深く息を吸う。
> ノルディアで過ごした時間は、
私にとって“答え”ではありませんでした。
けれど、
問いを持ったまま立っていい場所があると、
初めて教えてくれた場所でした。
そして、最後の一文。
> だから私は、
あなたの隣に立つ可能性を、
私自身の意思で選びたいと思います。
それが恋であれ、
未来であれ、
あるいは、別の答えであれ――
私は、自分で決めます。
署名をして、封をする。
手は、震えていなかった。
*
庭に出ると、春の風が頬を撫でた。
使用人たちが、いつも通りに働いている。
父と母の声が、遠くから聞こえる。
――帰る場所は、ここにある。
そして、
進む場所も、もう怖くはない。
*
「……私は、私を取り戻したのですね」
誰に向けるでもなく、そう呟く。
幼すぎると切り捨てられた少女。
外見だけで評価されかけた令嬢。
守られる存在として扱われた“被害者”。
そのどれでもない。
今ここに立っているのは、
問いを持ち、選ぶことを恐れない一人の女性だ。
*
手紙は、やがてノルディアへ届くだろう。
返事が来るかどうかは、分からない。
けれど、それでいい。
未来は、
誰かの返答で決まるものではない。
自分が、どう立つかで決まる。
シルフィーネは、空を見上げ、静かに微笑んだ。
これは、
ざまぁで終わる物語ではない。
恋だけで完結する物語でもない。
――外見に振り回された公爵令嬢が、
自分の人生を、自分の言葉で選び直す物語。
その第一章は、
今、ようやく終わったのだ。
そして――
選び続ける物語は、
これから先も、静かに続いていく。
朝の光が、静かに部屋を満たしていた。
シルフィーネは、窓辺に立ち、王都の街を見下ろす。
いつもと変わらない景色。
けれど、その中に立つ自分は、確かに変わっていた。
「……長い時間でしたね」
幼い容姿を理由に否定され、
婚約を破棄され、
事故に遭い、
目を覚ましたら“価値が変わった”と言われた。
けれど、本当に変わったのは、
外見ではない。
*
机に向かい、シルフィーネは一通の手紙を取り出した。
宛名は、ノルディア王城。
差出人は、自分。
もう、白紙ではない。
ゆっくりと、読み返す。
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私は、自国に戻り、静かな時間を過ごしました。
その中で、はっきりと分かったことがあります。
私は、
「誰かに選ばれる人生」ではなく、
「自分で選び続ける人生」を望んでいるのだと。
一度、ペンを置き、深く息を吸う。
> ノルディアで過ごした時間は、
私にとって“答え”ではありませんでした。
けれど、
問いを持ったまま立っていい場所があると、
初めて教えてくれた場所でした。
そして、最後の一文。
> だから私は、
あなたの隣に立つ可能性を、
私自身の意思で選びたいと思います。
それが恋であれ、
未来であれ、
あるいは、別の答えであれ――
私は、自分で決めます。
署名をして、封をする。
手は、震えていなかった。
*
庭に出ると、春の風が頬を撫でた。
使用人たちが、いつも通りに働いている。
父と母の声が、遠くから聞こえる。
――帰る場所は、ここにある。
そして、
進む場所も、もう怖くはない。
*
「……私は、私を取り戻したのですね」
誰に向けるでもなく、そう呟く。
幼すぎると切り捨てられた少女。
外見だけで評価されかけた令嬢。
守られる存在として扱われた“被害者”。
そのどれでもない。
今ここに立っているのは、
問いを持ち、選ぶことを恐れない一人の女性だ。
*
手紙は、やがてノルディアへ届くだろう。
返事が来るかどうかは、分からない。
けれど、それでいい。
未来は、
誰かの返答で決まるものではない。
自分が、どう立つかで決まる。
シルフィーネは、空を見上げ、静かに微笑んだ。
これは、
ざまぁで終わる物語ではない。
恋だけで完結する物語でもない。
――外見に振り回された公爵令嬢が、
自分の人生を、自分の言葉で選び直す物語。
その第一章は、
今、ようやく終わったのだ。
そして――
選び続ける物語は、
これから先も、静かに続いていく。
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