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・腹黒宰相は異世界転移のモブを溺愛する
17)僕が産んだの?その1 sideイブキ
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真っ白い空間だった。神殿かな?いや違うな。神官達がいないし巨大なレリーフや柱がない。本当に何もない空間。上なのか下なのかもわからない。そうだこれは転移した時の感覚と似ている。
身体に力が入らない。中心から力が抜けていく感じがする。身体中が冷たくてこのまま消えてしまいそうで怖い。
寒さに震えると誰かが温めてくれた。暖かい。とても心地良い。この暖かさはエルシド?貴方なのか?
「イブ。しっかりしろ。俺が居る。俺はここに居るぞ」
耳元で聞こえる声に脳が蕩けそうになる。エルシドが居てくれる。それがとても心強い。
――――ああそうか。僕はエルシドが好きなんだ。
腹部が熱い。何かがぐるぐる腹の中で回っているみたいだ。熱さが大きく膨らんでいく。大きすぎる。そんなに大きくなると溢れでてしまう。
ポン!と腹の中から何かが熱さと一緒に飛び出した。
ほら、飛び出ちゃったじゃないか……?
「ピイ!」
「え?……ぴぃって?」
夢なのか?なんかすごい夢を見ていたような気がする。
「ピィ!」
「へ?……?」
「……ピ……」
僕の腹の上に毛玉がいる?ふわふわの綿毛みたいな真っ白な毛玉。毛玉の中からつぶらな瞳が二つ僕を見ていた。
「え?僕が産んだの?」
「ピィ!ピーピー」
毛玉が腹の上でぴょんこぴょんこ跳ねている。鳥類だよな?ということは産まれて初めてみる相手を親と思ってしまう性質があったはず……。
「あちゃあ……目が合ってしまった」
「うわああん。イブが起きたぁ!」
クルトの声だ。僕の側についていてくれてたんだな。突然泣きだすなんてどうしたんだろう。
「クルト?」
「イブずっと寝てたんだよぉ。ぼくが声かけても起きなかったんだ」
「ごめんよ。もう大丈夫だよ」
「うん。エルシド様を呼んでくる!」
泣かせたのは自分のせいだったのか。泣くほど心配かけてしまったようでかわいそうな事をした。
「ピィ?」
腹の上の毛玉が不思議そうに鳴いた。
「それは首をかしげているのか?丸いからわからないな。足は生えているのか?」
僕が毛玉を持ち上げようとするとバタバタと足音が聞こえてきた。
普段から静かなこの屋敷で足音がするなんて。バン!と扉を開ける音と共にエルシドが入って来た。
「イブキ!」
「はい!」
久しぶりに一颯と呼ばれ咄嗟に返事をしてしまう。そのまま強く抱きしめられて心臓がバクバクする。
「目覚めないのではないかと心配した」
「シド……」
息がかかるほど間近にエルシドの顔がある!心配そうに見つめる青い瞳に吸い込まれそうになる。めちゃめちゃカッコいい!カッコ良すぎる。顔が良い!
「ピギャッ」
「ぴぎゃ?……何の音だ?」
エルシドが腕の力を弱めると間に挟まっていた毛玉がコロンと転がった。
「なんだこれは?」
「えっと。僕が産んだんでしょうかね?」
「イブが産んだ?……説明してもらおうか?」
「……中庭で楕円形の石を見つけて珍しかったので部屋に持ち帰ろうとしたんです。その後すぐにシドに会って馬車で移動と聞いて馬を見た途端に嬉しくなって石を持っていたことを忘れてしまって。でも神殿に着いてから急に石が手から離れなくなったのです……」
「なるほど。ではその石にチカラを吸い取られたというのか?」
「よくわかりません。神殿での事は立っているのが精いっぱいであまり覚えてないんです。すみません」
「それでその石は今どこにあるのだ?」
「たぶん、この子だったんじゃないかと……」
「……つまり、卵だったというわけか?」
「おそらくですが……」
羽毛が長く大きな目が目立つが鳴き声を出す時に小さいくちばしが見える。毛の長いひよこ?
「この鳥、ただの雛ではないな。イブキの魔力が引き寄せたのか?いや、呼び覚ましたものかもしれない」
身体に力が入らない。中心から力が抜けていく感じがする。身体中が冷たくてこのまま消えてしまいそうで怖い。
寒さに震えると誰かが温めてくれた。暖かい。とても心地良い。この暖かさはエルシド?貴方なのか?
「イブ。しっかりしろ。俺が居る。俺はここに居るぞ」
耳元で聞こえる声に脳が蕩けそうになる。エルシドが居てくれる。それがとても心強い。
――――ああそうか。僕はエルシドが好きなんだ。
腹部が熱い。何かがぐるぐる腹の中で回っているみたいだ。熱さが大きく膨らんでいく。大きすぎる。そんなに大きくなると溢れでてしまう。
ポン!と腹の中から何かが熱さと一緒に飛び出した。
ほら、飛び出ちゃったじゃないか……?
「ピイ!」
「え?……ぴぃって?」
夢なのか?なんかすごい夢を見ていたような気がする。
「ピィ!」
「へ?……?」
「……ピ……」
僕の腹の上に毛玉がいる?ふわふわの綿毛みたいな真っ白な毛玉。毛玉の中からつぶらな瞳が二つ僕を見ていた。
「え?僕が産んだの?」
「ピィ!ピーピー」
毛玉が腹の上でぴょんこぴょんこ跳ねている。鳥類だよな?ということは産まれて初めてみる相手を親と思ってしまう性質があったはず……。
「あちゃあ……目が合ってしまった」
「うわああん。イブが起きたぁ!」
クルトの声だ。僕の側についていてくれてたんだな。突然泣きだすなんてどうしたんだろう。
「クルト?」
「イブずっと寝てたんだよぉ。ぼくが声かけても起きなかったんだ」
「ごめんよ。もう大丈夫だよ」
「うん。エルシド様を呼んでくる!」
泣かせたのは自分のせいだったのか。泣くほど心配かけてしまったようでかわいそうな事をした。
「ピィ?」
腹の上の毛玉が不思議そうに鳴いた。
「それは首をかしげているのか?丸いからわからないな。足は生えているのか?」
僕が毛玉を持ち上げようとするとバタバタと足音が聞こえてきた。
普段から静かなこの屋敷で足音がするなんて。バン!と扉を開ける音と共にエルシドが入って来た。
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「はい!」
久しぶりに一颯と呼ばれ咄嗟に返事をしてしまう。そのまま強く抱きしめられて心臓がバクバクする。
「目覚めないのではないかと心配した」
「シド……」
息がかかるほど間近にエルシドの顔がある!心配そうに見つめる青い瞳に吸い込まれそうになる。めちゃめちゃカッコいい!カッコ良すぎる。顔が良い!
「ピギャッ」
「ぴぎゃ?……何の音だ?」
エルシドが腕の力を弱めると間に挟まっていた毛玉がコロンと転がった。
「なんだこれは?」
「えっと。僕が産んだんでしょうかね?」
「イブが産んだ?……説明してもらおうか?」
「……中庭で楕円形の石を見つけて珍しかったので部屋に持ち帰ろうとしたんです。その後すぐにシドに会って馬車で移動と聞いて馬を見た途端に嬉しくなって石を持っていたことを忘れてしまって。でも神殿に着いてから急に石が手から離れなくなったのです……」
「なるほど。ではその石にチカラを吸い取られたというのか?」
「よくわかりません。神殿での事は立っているのが精いっぱいであまり覚えてないんです。すみません」
「それでその石は今どこにあるのだ?」
「たぶん、この子だったんじゃないかと……」
「……つまり、卵だったというわけか?」
「おそらくですが……」
羽毛が長く大きな目が目立つが鳴き声を出す時に小さいくちばしが見える。毛の長いひよこ?
「この鳥、ただの雛ではないな。イブキの魔力が引き寄せたのか?いや、呼び覚ましたものかもしれない」
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