スルドの声(共鳴2) terceira esperança

桜のはなびら

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 未修得で諦めたギターを、本番までに弾けるようにしなくてはならないミッションが課されている最も不安そうなカヨに、軽音部でバンドではギタリストの須藤さんが、カヨのレッスンも引き受けてくれるということだった。

「テスト後夏休み前まで。集中したら全然いけると思うんだよね。朝倉さんは部活やってないんだよね? バイトはどんな感じ?」

 カヨに夏休みの予定を尋ねる須藤さん。
 カヨは少し考えながら答えた。
「バイトは割と融通利くから……元々テスト期間中は休ませてもらうつもりだったから、その期間を夏休み前まで延ばして申請しておけば良いだけ。足引っ張んのやだから、私は都合は合わせるけど……須藤さんは大丈夫なの?」

「あたしはどうせギターしかやってないから。いつもと変わんないって感じ? あと、ちょっとズルだけどー」
 須藤さんはちょっと思案顔をして、
「朝倉さんは部活に入っていないなら、仮入部みたいな感じで軽音部に入って、部活の練習に参加するとか? んー、後でばれたら面倒か? むしろ正直に希望を話して許可もらっちゃうって方が良いかな? ダメって言われる可能性はあるけどねー。そうなったらなったで、部活に便乗ってパターンはあきらめて、個人練で頑張れば良いし」
 訊くだけならタダだ。許可もらえたらラッキーくらいの感じで訊いてみても良いかもしれない。
 須藤さんは次に顧問に合うときに訊いてみると言いながら、ダメだった時のために須藤さんとカヨは自宅の場所を確認し合っていた。
 お互いそれほど遠くはないようで、学校から向かう場合も逆方向になるなどしていない。ギターなら音量に気を付ければ自宅でも練習できる。
 
「カヨのギターが最初から入れるなら、前半から練習日入れていきたいね」
 
 それぞれ既に個人での練習は始めている。
 焦りと悲壮感を持ったカヨは責任感も持っていて、現時点でもゆっくりならば通しで弾くことまでは何とかできるそうだ。

 当日まで三か月はない。
 決して潤沢な日数ではないが、夏休みの一か月半をがっつり目にやれるなら、どうにかなると思う。幸い、経験者のギターとベースがメロディとリズムの最低限を担保してくれているから、演奏が壊れてしまうということはないはずだ。

 全員での演奏は何とかなるだろう。
 しかしそれは最低限で、スタートラインだ。
 人に聴かせるなら完成度は追求したい。目的はサンバの楽しさを少しでも届ける、カタちんの気持ちを歌に乗せて届ける、そしてとにかく盛り上がり、楽しんでもらう。
 そのためにも演奏の技術に歌唱力、メンバー間の連携の全てがある程度高い水準でまとまることで生まれるグルーヴは必要になる。

 とにかく練習あるのみだ。
 
 今時点で分かるみんなの予定を洗い出して、候補日を定めた。
 
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