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夏休み中の学校
しおりを挟む(柳沢 望)
真夏の昼間だけど、何故か少し薄暗く感じる廊下を歩く。
来場者向けの案内地図なら学校の平面図を参考に作成できる。
トイレや出入り口の位置などは図面で把握できるから家でできる作業だ。
しかし、そこに簡易ゴミ箱などいくつかの当日用の設備や機能を書き込み、案内に合わせて現地に取り付ける看板や目印も作成するとなると、図面を見るだけではわからない。
看板などの作成は後で良いが、ベースとなる案内地図は作成しておきたかった。
想定されている箇所に本当に当日必要な機能を付与できるか、校舎を歩き回って実際に現場を見て確認し、設置できそうな場合は図面に印をつけていく。
無理そうな場合はその旨記載するつもりだったが、今のところ問題のある個所はなさそうだ。
来場者向け案内地図加えて、非常口やAED、消火器など安全対策用の地図も用意する予定だった。
これも既存の図面には落とされていないので、記入用に印刷しておいた図面に、該当する設備が設置されていることを表すマークを書き込んでいく。
そのついでに、倉庫内の机といすの数はリストとして入手しているが、実際にその数があるのかどうかを、倉庫の近くに寄った際に直接確認して数をチェックする。
新学期に入れば、大道具小道具の役割としては物理的に製作作業に入ることになる。
特に大道具の設置位置に関しては採寸が必要だ。これも校舎巡回の傍らに済ませたかった。
生徒の少ない夏休みの方が作業をしやすくて効率が良い。
フィールドワークの後は、学校の印刷機を使って大きめの会場図を印刷し、手書きでレイアウトを加えていく。
せっかく学校に居るので、注意事項の印刷物も学校にあるラミネーターを使って加工しておこうと考えていた。
学校のラミネーターは持ち運びできるので、この作業は自分の教室で行うことにした。
レイアウトの作業は図書室でやろうと思ったが、ラミネーターは多少モーター音やローラーがフィルムを押し出すときに音が発生するので、わざわざ夏休みに図書館を利用している生徒の邪魔になるわけにはいかないと、誰もいない教室を利用しようと考えなおした。
通いなれたいつもの教室は、机と椅子が整然と並び、黒板には何かを消した跡がうっすらと残っている。
夏休みに入る前に、大掃除よりは規模の小さい、中掃除的な一斉清掃を行っていて、黒板もきれいにされていたはずだが、夏休み中に誰かが利用したのだろうか。
静かな教室ではカーテンが風に揺れ、時折カタカタと窓が鳴る音だけが響く。
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