スルドの声(共鳴) terceira esperança

桜のはなびら

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公園

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 放課後。良く晴れている。日も長くなった。しばらくは明るいだろう。

 夏と言って差し支えの無い暑さの日も増えてきたが、本格的な夏まではまだ少し猶予がある。

 
 気持ちよく散歩できる機会って、実は貴重かも。

 
 そう思ったわたしは、学校近くの公園で過ごすことにした。
 動画の撮影するなら、学校内をスポットとして考えていた。野外なら公園も良いかもしれない。


 ロケハンも兼ねられるな。なんて思いながら公園へ向かった。

 
 今日はバイトも練習もない。
 放課後はササと過ごそうと話していた。カヨはバイトの面接。ドラッグストアらしい。

 ササは先生に質問があるそうで、先生は別件がありその後の対応となるため少し時間が掛かりそうだった。
 適当にどこかで時間潰しててと、謝りながら言うササに気にしないように伝えたわたしは、ふっと湧いたひとりの自由な時間の使い方を考えなくてはならなくなった。

 
 図書館も良いが今日は妙に眠くて、寝てしまいそうだし。
 人を待つためだけにカフェに入るのもお金が掛かる。
 ショッピングモールを見て回るほどの時間は無いと思う。
 
 そんなこんなで、選んだのが公園で過ごすという選択だった。
 
 
 公園と言っても、入っただけで一面見渡せるような広さのスペースに遊具が少し、といったよくある公園ではなく、広いグラウンドと、その周囲には手入れされた森林にウォーキングやジョギングができるコースのある規模の大きい公園だ。ところどころにベンチもある。

 
 コースを少し外れて土の上を歩く。
 少し湿った土の感触がスニーカーのソールを通して足に伝わった。

 学校指定のローファーも嫌いじゃないけど、最近お気に入りのML574のオールホワイトを履いていると、色々な場所を歩きたくなる。

 校則違反にならないようにと選んだ白一色は、汚れやすいという欠点を持っている。
 自ずと頻繁に洗うことになるが、その洗いざらしの感じも、落とし切れない汚れの跡も、新たにつく適度な汚れも、なんだか「自分のもの」「自分の歩んできた道の結果」って気がして好ましかった。
 
 
 ロード沿いではなく、少し奥まったところ、木々の間に据え置かれたベンチがある。
 見たところ汚れてはいないが、さっとハンカチで払って座ろうと思ったら、木の根元のところにネコが座っていた。

 
 逃げちゃうかな?

 
 そーっと近づくと、ネコは少し警戒した素振りを見せながらも、逃げようとはしなかった。

 
 より慎重に距離を詰める。
 触れるほどのところでしゃがみ込んでも、「にゃあ」とひと鳴きしたネコはいつでも逃げられる態勢は維持したまま、こっちを見ていた。

 
 飼い猫ほどではないけど、多少人には馴れているのかもしれない。
 ……捨てられたネコだろうか。

 
「触っていーい? どこかの子?」

 
 手を伸ばしゆっくりと背を撫でる。

 ネコは気持ちよさそうに目を瞑り、伏せる格好となって身を任せている。足は完全にしまってはいない。

 多少警戒は緩めてくれたようだ。

 触れられたということは、やっぱり人に馴れてはいるみたい。

 
 撫でていると、次第に喉をゴロゴロ鳴らし始めた。良かった、気持ち良いみたいだ。
 
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