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報告
しおりを挟む(姫田 祷)
「面白そう! 良い話だねぇ」
通話先の向こうから、明るい声を届けてくれたのは姫田祷。
『ソルエス』ではスルドのセグンダを担うスルドの同僚だ。
大学に進学し、大学に通える地域への引越しを幾に、近隣のサンバチームやサークルを探していた時に見つけたのが『ソルエス』だった。
いくつかの偶然が重なり、同じ大学の先輩であった彼女が『ソルエス』所属ということがわかり、彼女を通して入会したという経緯だった。
「ね。いのりもこういう話興味持つだろうなーって思った」
「うんうん、大好物!」
通話機能のみでやり取りしているためその姿は見えないが、いのりの嬉しそうな笑顔が頭に浮かんだ。
しょーちゃんの話を受け、取り急ぎ身近なサンバ関連の相談相手として、いのりを選ばせてもらった。
サンバ歴は私の方が長いが、色々な意味でいのりは私の先に居る。
先日の、イベントの発起人となった際。イベントの立ち上げなんて経験のない私を支え導いてくれたのが、いのりだった。
いのりは『ソルエス』で、まだ新人ながら、自ら営業し獲得した案件の起案者にもなっていて、イベントのプロデュースとディレクションを担いながらパフォーマーとしても参加した実績を持つ。非常に頼れる相談相手だ。
今回の件で言えば、いのりは映像コンテンツに役者として出演した経験があるわけではなかったが、『エスコーラ』やサンバダンサーや奏者に入る一般的なオーダーとは異なる案件について、広い視野と豊富な知見で適切なアドバイスが得られるのではとの思いから頼らせてもらっていた。単純に不安な気持ちも含めて話を聞いてもらいたいとも思った。
『ソルエス』として受けるわけではなくても、プレヂデンチ(代表)のハルへの報告も必要になると思う。いのりは新人ながらその有能さで運営の立ち位置でもハルの信頼を得ているので、いのりを通せばいろいろなことがスムースに行く印象もある。
更に言えば、しょーちゃんの話の中で、やんわりとであるが「可能だったらお願いしたいな。紹介してよ」といったいのりへの要望があった。
サンバの業界への人脈や知識への橋渡し件、アドバイザーとして、また、異文化交流に於ける人材としても、私や要さんからもたらされた情報から、いのりを登用したいという考えだ。実際いのりは、ちょっとしたブラジルへの渡航の中で、現地とのパイプをしっかり作って帰ってきた経験も持っている。
そんなあらゆる思惑を、「面白そう!」の一言で軽やかに受け止めようとするいのりは、同じく「面白そう」という思いを抱き、「意義がある」とも思いながら、不安も同時に抱いていたような私なんかとはモノが違う。
どちらかと言えば、私の方が普通で、いのりがおかしいんだとも思うけれど。
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