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うなぎ
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小国さんに食べたいものを尋ねられた私は、何となく頭に浮かんだ「うなぎ」と答えていた。
付随して思い出された、ちゃんとしたうなぎ屋さんで、小学生の頃にバレエで賞を取ったお祝いに家族で食事をした記憶は、具体的な形を帯びる前に散らして消した。
「良いですね、うなぎ。僕も行きたいお店あったんですよ。良かったらおごらせてもらえませんか?」
「え?」
爽やかな笑顔でさらりという小国さん。対して私は少し戸惑った顔をしてしまった。
「ああ、すみません。報酬代わりの態なのに、僕と一緒では報酬になりませんよね。何ならこちらがメリットを受ける側になってしまう。お取り寄せやテイクアウトもあったと思いますから、それをお渡しするのでも……」
「いえ、そんなことはありませんけど……」
急だったのでちょっと驚いただけで、うなぎ食べられるならそれは嬉しい。別に小国さんが一緒でも嫌ということも無い。
「え、本当ですか? 普段行きたくても、特別な日でもないのに安易に利用できるような感じのお店では無くてね。こういう機会でもないとなかなか……なんていうと、色部さんを利用しているようになってしまいますが、それは色部さんをお誘いしても恥ずかしくないお店だということでして……ああ、何を言っているんだろうね、僕は。あくまでもお礼。それは偽りのない気持ちです」
「はあ、ありがとうございます……?」
「ああ、もし二人で行くのが抵抗あるようでしたら、上杉さんもお呼びしますか? 正直経費は使えませんので、三人となるとちょっと辛いですが……感謝の気持ちですから、頑張らせてもらいますよ!」
要さんと一緒の方が良いか、一緒じゃない方が良いか、という選択肢なら、一緒の方が良い。
要さんにもおいしいうなぎ食べてもらいたい。
でも、おごってもらう前提で、人数を増やす選択肢を選んで小国さんに過度な負担を強いるのも何だか憚られる。こういう時は遠慮をする方がかえって失礼だとバイト先のママからは言われているが、あまり図々しいのもダメだと教えられている。この場合はどちらだろう。
ああ、別におごってもらわないで、しょーちゃんにも声かけてみんなで行くとかは? そうすれば、おごらせる金銭的負担や、おごってもらう心理的負担がそれぞれに掛からなくて良いのでは?
人数が増えれば楽しいし、感謝の気持ちを伝えたいという小国さんの意向は、そのような場を設けてくれたことで充分にこちらにも伝わる。
そんなグッドアイデアを小国さんに話したら、小国さんは何やら困ったような顔で苦笑いを浮かべていた。
付随して思い出された、ちゃんとしたうなぎ屋さんで、小学生の頃にバレエで賞を取ったお祝いに家族で食事をした記憶は、具体的な形を帯びる前に散らして消した。
「良いですね、うなぎ。僕も行きたいお店あったんですよ。良かったらおごらせてもらえませんか?」
「え?」
爽やかな笑顔でさらりという小国さん。対して私は少し戸惑った顔をしてしまった。
「ああ、すみません。報酬代わりの態なのに、僕と一緒では報酬になりませんよね。何ならこちらがメリットを受ける側になってしまう。お取り寄せやテイクアウトもあったと思いますから、それをお渡しするのでも……」
「いえ、そんなことはありませんけど……」
急だったのでちょっと驚いただけで、うなぎ食べられるならそれは嬉しい。別に小国さんが一緒でも嫌ということも無い。
「え、本当ですか? 普段行きたくても、特別な日でもないのに安易に利用できるような感じのお店では無くてね。こういう機会でもないとなかなか……なんていうと、色部さんを利用しているようになってしまいますが、それは色部さんをお誘いしても恥ずかしくないお店だということでして……ああ、何を言っているんだろうね、僕は。あくまでもお礼。それは偽りのない気持ちです」
「はあ、ありがとうございます……?」
「ああ、もし二人で行くのが抵抗あるようでしたら、上杉さんもお呼びしますか? 正直経費は使えませんので、三人となるとちょっと辛いですが……感謝の気持ちですから、頑張らせてもらいますよ!」
要さんと一緒の方が良いか、一緒じゃない方が良いか、という選択肢なら、一緒の方が良い。
要さんにもおいしいうなぎ食べてもらいたい。
でも、おごってもらう前提で、人数を増やす選択肢を選んで小国さんに過度な負担を強いるのも何だか憚られる。こういう時は遠慮をする方がかえって失礼だとバイト先のママからは言われているが、あまり図々しいのもダメだと教えられている。この場合はどちらだろう。
ああ、別におごってもらわないで、しょーちゃんにも声かけてみんなで行くとかは? そうすれば、おごらせる金銭的負担や、おごってもらう心理的負担がそれぞれに掛からなくて良いのでは?
人数が増えれば楽しいし、感謝の気持ちを伝えたいという小国さんの意向は、そのような場を設けてくれたことで充分にこちらにも伝わる。
そんなグッドアイデアを小国さんに話したら、小国さんは何やら困ったような顔で苦笑いを浮かべていた。
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