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金津社長
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通された会議室。
例によって既に千屋監督は席についていた。
私と要さんは、しょーちゃんと並んで『movie arts』の並びに着席した。ほぼ同時に到着したしょーちゃんの先輩の遊佐さんはしょーちゃんの上座側の隣に着席する。
私の隣は一つ空けて、スポンサー企業『スピード・スタンド』の担当河内さんが着席していた。
空けた席にはいのりが来る予定だったが、どうしても学校の事情があって、少し遅れて到着すると連絡があった。
向かいは『divine finger』の社長と小国さん、あまり話したことはないが何度か見かけた事務方っぽい女性の社員の方が並んで着席している。
小国さんからは軽く頭を下げられたが、特に声はかけられなかった。
「失礼します」
『canard sauvage Le mont production』の保科さんが妃夜さんを伴って入室した。向いの『divine finger』メンバーの横に並んで座る。
それぞれが着席し、資料の準備などをしている間に、『divine finger』の社員の方が、席にお茶を配っていった。
「遅れてこられる方以外は、お揃いになりましたかね」
低くよく通る声だ。不思議な魅力がある。
『divine finger』の代表取締役社長金津義秀は、自らの名と立場を名乗り、足労をかけたその場の全員への謝意と謝罪、状況について簡単にまとめたうえで、改めて謝罪し、この会合の趣旨を端的に説明した。
お礼や謝罪の言葉を口にしているのに、どことなく風格がある。落ち着き払っているからだろうか。
大抵に於いては良い印象を与えられそうな特性だが、例えば叩く気満々の相手がいるような状況での謝罪会見なんかでは、逆効果になり兼ねない長所だな、などと思った。
五十代半ばくらいの見た目は年相応で、若作りしているわけでも若く見えるわけでもないが、若々しい覇気に溢れている。小規模ながら勢いのある独立系の映像制作会社の社長にふさわしい雰囲気だ。
一方、既に『divine finger』は自己保身に走っているようにしか見えない日和見の安全策として、しばしの『見』を決め込んでいたわけだが、そのような判断をするような人物には見えず、少し意外に思った。
そのような判断をするような人物ならば、どちらかと言えば、のらりくらりと躱し、いなす、老獪なタイプを想像していた。
目の前にいるこの人だったら、むしろマイナスをも好機として攻めの姿勢を見せるような対応の方が似合っている。
社長の言葉は、先述の落ち着いた印象も相俟って、信頼感と親近感を抱かせた。
まだ、何も具体的な対策の話も補償の話も為されていないのに。
例によって既に千屋監督は席についていた。
私と要さんは、しょーちゃんと並んで『movie arts』の並びに着席した。ほぼ同時に到着したしょーちゃんの先輩の遊佐さんはしょーちゃんの上座側の隣に着席する。
私の隣は一つ空けて、スポンサー企業『スピード・スタンド』の担当河内さんが着席していた。
空けた席にはいのりが来る予定だったが、どうしても学校の事情があって、少し遅れて到着すると連絡があった。
向かいは『divine finger』の社長と小国さん、あまり話したことはないが何度か見かけた事務方っぽい女性の社員の方が並んで着席している。
小国さんからは軽く頭を下げられたが、特に声はかけられなかった。
「失礼します」
『canard sauvage Le mont production』の保科さんが妃夜さんを伴って入室した。向いの『divine finger』メンバーの横に並んで座る。
それぞれが着席し、資料の準備などをしている間に、『divine finger』の社員の方が、席にお茶を配っていった。
「遅れてこられる方以外は、お揃いになりましたかね」
低くよく通る声だ。不思議な魅力がある。
『divine finger』の代表取締役社長金津義秀は、自らの名と立場を名乗り、足労をかけたその場の全員への謝意と謝罪、状況について簡単にまとめたうえで、改めて謝罪し、この会合の趣旨を端的に説明した。
お礼や謝罪の言葉を口にしているのに、どことなく風格がある。落ち着き払っているからだろうか。
大抵に於いては良い印象を与えられそうな特性だが、例えば叩く気満々の相手がいるような状況での謝罪会見なんかでは、逆効果になり兼ねない長所だな、などと思った。
五十代半ばくらいの見た目は年相応で、若作りしているわけでも若く見えるわけでもないが、若々しい覇気に溢れている。小規模ながら勢いのある独立系の映像制作会社の社長にふさわしい雰囲気だ。
一方、既に『divine finger』は自己保身に走っているようにしか見えない日和見の安全策として、しばしの『見』を決め込んでいたわけだが、そのような判断をするような人物には見えず、少し意外に思った。
そのような判断をするような人物ならば、どちらかと言えば、のらりくらりと躱し、いなす、老獪なタイプを想像していた。
目の前にいるこの人だったら、むしろマイナスをも好機として攻めの姿勢を見せるような対応の方が似合っている。
社長の言葉は、先述の落ち着いた印象も相俟って、信頼感と親近感を抱かせた。
まだ、何も具体的な対策の話も補償の話も為されていないのに。
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