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本編
5話 王都への道中
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アーヴァイン公爵家の屋敷入り口付近。
そこには、二台の馬車とお父様、そしてセレナもいました。
私とレオン王子殿下の婚約を決めるのに、どうして妹もいるのでしょうか。
疑問に感じつつも、私は馬車へと近づきました。
「シルヴィア遅かったな」
「申し訳ございません、お父様」
私は、お父様に謝罪をした。
「私たちはこの馬車に乗る」
「お父様とセレナはその馬車に......、私はどうしたら良いのですか?」
「そこの馬車に乗って王都まで来なさい。分かっているとは思うが、逃げ出そうとしても無駄だからな」
お父様は、私が乗る馬車の方へと視線を向けた。
そこには、護衛の兵士が数人いました。
あの人たちは、ただの護衛ではないのでしょう。
どうやらあの兵士たちは、私の護衛と監視をするためにいるみたいです。
「では先に向かう。お前も早く馬車に乗って、王都に来なさい」
「分かりました、お父様」
私は、お父様に言われるがままに、二人とは別の馬車へと乗り込みました。
馬車は、私が乗り込むとすぐに王都に向けて進み始めました。
少し進んだ所で、ものすごい衝撃音と女性の叫び声が聞こえて来ました。
私が乗っている馬車は、進むのを止めてしまいました。
どうしたのでしょう、何かあったのでしょうか。
「何をしているんだ、さっさと馬車を出さんかっ!」
「そ、それが......」
外からは、お父様の怒鳴り声と従者の声が聞こえて来ます。
何かを話しているようですが、ここからではあまり良く聞こえません。
「そんなものは捨て置け、セレナの将来がかかっているんだぞ。今は、すぐにでも王都に行くことの方が重要だ」
「は、はい......」
お父様と従者が会話を終えると、馬車の進む音が聞こえて来た。
どうやら、お父様たちの乗った馬車は先に進んで行ったみたいです。
それでも、女性の泣き叫ぶ声をまだ聞こえて来ます。
私は、思わず従者に質問をしました。
「あの......何かあったのですか?」
「それが、事故があったようで......」
「なんですって!」
私は、思わず馬車の扉を開けて外の様子を確認しました。
そして、外の光景を見て目を見開いて、固まってしまいました。
馬車の外には、地面に横たわる少女とその側で泣き叫んでいる女性がいます。
横たわる少女の体からは、血があふれて出ていて、地面が真っ赤に染まっている。
「ま、まぁ、なんてこと!」
「シルヴィアお嬢様、いけません。ドレスが汚れてしまいます!」
「換えならいくらでもありますわ! 人の命には代わりにはありません!」
止めに入ろうとした従者を振り切って、少女の側へと駆け出した。
すぐ側まで来たことで、事の重大さがより分かりました。
倒れている少女は、力なく横たわるだけでピクリとも動きません。
医学の知識がない私でも、このまま放って置けば目の前の少女が、どうなってしまうかぐらいは分かります。
「これでは......」
私では、何をしてあげることも出来ません。
お父様は、この状況を見てそれでも馬車を進ませたと言うのですか......。
「お貴族ざまぁぁぁ、どうが、どうか娘をおだすけぐだざい!」
少女の母親と思われる女性が、泣きながら私の服を掴んで縋るように言ってきました。
こんなひどい怪我、これではもう......。
少女の母親は、錯乱状態で何がどうなっているかすら分かってはいないみたいです。
「おいお前、シルヴィアお嬢様に触れるとは」
「良いのです」
「で、ですがお嬢様......」
私がそう言うと、護衛の兵士は黙りました。
「どうか娘をお救い下さい! 私はどうなっても構いませんから」
母親は、泣きながら娘のために救いを求めてきました。
私に何か出来ることは、何かないの。
頭をフル回転させて、何か出来ることはないかと必死に考えました。
あっ!
ありましたわ!
私は、一度馬車へと戻って箱から真っ白な魔法石を取り出しました。
その魔法石を手に持って、少女の元へと戻りました。
「なっ!? お嬢様、どうかそれだけはお辞下さい! 冷静になって下さい!」
「私は冷静ですわ」
私は、手に持つ魔法石を見た。
「使うのは初めてだけど、どうかお願い。この子を助けてあげて!」
私は祈るように、魔法石に力を込めると、倒れていた少女からあふれ出ていた血が止まりました。
「なっ、奇跡だ」
「これが魔法石......」
護衛の兵士たちは、魔法石の力を見て驚いています。
だけどこれだけでは足りません。
少女の血は止まりましたが、危険な状況には変わりはありません。
少女の顔色は悪く、いつ死んでもおかしくはないです。
「もっと、もっと!」
私は、魔法石にもっと力を込めると、めまいで足元がふらつき始めました。
それでも力を込め続けると、ようやく少女の顔色が良くなりました。
どうやら、峠は越えることが出来たみたいです。
「これで大丈夫ですわ」
「お貴族様、ありがとうございます。私のことは、好きなように扱って構いません」
母親は、地面へと頭を擦り付けながらそう言って来た。
私は、少女の状態が良くなったことで、母親と少女がひどく痩せていることに気が付きました。
いや、それだけではありません。
少女と母親を心配して集まって来た領民たちは、栄養が足りていないのか、皆ひどく痩せ細っています。
私は、それを見て母親の手を取って魔法石を握らせました。
そして微笑みながら言った。
「貴方の処遇を言い渡します」
目の前の母親と周囲にいる領民は、ひどく震えています。
「この石を売って、娘に良い物を食べさせてあげて下さい」
「へ?」
母親は、目をまん丸にして言われたことが理解出来たのか、また地面へと頭を付けました。
付近にいた領民たちも皆、母親と同じ体勢になりました。
「さあ、早く王都へと向かいましょう」
私は、それだけ言うと領民たちを後にして、王都へと向かいました。
後には、私の乗る馬車を見送るように、頭を地面に付けたままの領民たちが残りました——。
そこには、二台の馬車とお父様、そしてセレナもいました。
私とレオン王子殿下の婚約を決めるのに、どうして妹もいるのでしょうか。
疑問に感じつつも、私は馬車へと近づきました。
「シルヴィア遅かったな」
「申し訳ございません、お父様」
私は、お父様に謝罪をした。
「私たちはこの馬車に乗る」
「お父様とセレナはその馬車に......、私はどうしたら良いのですか?」
「そこの馬車に乗って王都まで来なさい。分かっているとは思うが、逃げ出そうとしても無駄だからな」
お父様は、私が乗る馬車の方へと視線を向けた。
そこには、護衛の兵士が数人いました。
あの人たちは、ただの護衛ではないのでしょう。
どうやらあの兵士たちは、私の護衛と監視をするためにいるみたいです。
「では先に向かう。お前も早く馬車に乗って、王都に来なさい」
「分かりました、お父様」
私は、お父様に言われるがままに、二人とは別の馬車へと乗り込みました。
馬車は、私が乗り込むとすぐに王都に向けて進み始めました。
少し進んだ所で、ものすごい衝撃音と女性の叫び声が聞こえて来ました。
私が乗っている馬車は、進むのを止めてしまいました。
どうしたのでしょう、何かあったのでしょうか。
「何をしているんだ、さっさと馬車を出さんかっ!」
「そ、それが......」
外からは、お父様の怒鳴り声と従者の声が聞こえて来ます。
何かを話しているようですが、ここからではあまり良く聞こえません。
「そんなものは捨て置け、セレナの将来がかかっているんだぞ。今は、すぐにでも王都に行くことの方が重要だ」
「は、はい......」
お父様と従者が会話を終えると、馬車の進む音が聞こえて来た。
どうやら、お父様たちの乗った馬車は先に進んで行ったみたいです。
それでも、女性の泣き叫ぶ声をまだ聞こえて来ます。
私は、思わず従者に質問をしました。
「あの......何かあったのですか?」
「それが、事故があったようで......」
「なんですって!」
私は、思わず馬車の扉を開けて外の様子を確認しました。
そして、外の光景を見て目を見開いて、固まってしまいました。
馬車の外には、地面に横たわる少女とその側で泣き叫んでいる女性がいます。
横たわる少女の体からは、血があふれて出ていて、地面が真っ赤に染まっている。
「ま、まぁ、なんてこと!」
「シルヴィアお嬢様、いけません。ドレスが汚れてしまいます!」
「換えならいくらでもありますわ! 人の命には代わりにはありません!」
止めに入ろうとした従者を振り切って、少女の側へと駆け出した。
すぐ側まで来たことで、事の重大さがより分かりました。
倒れている少女は、力なく横たわるだけでピクリとも動きません。
医学の知識がない私でも、このまま放って置けば目の前の少女が、どうなってしまうかぐらいは分かります。
「これでは......」
私では、何をしてあげることも出来ません。
お父様は、この状況を見てそれでも馬車を進ませたと言うのですか......。
「お貴族ざまぁぁぁ、どうが、どうか娘をおだすけぐだざい!」
少女の母親と思われる女性が、泣きながら私の服を掴んで縋るように言ってきました。
こんなひどい怪我、これではもう......。
少女の母親は、錯乱状態で何がどうなっているかすら分かってはいないみたいです。
「おいお前、シルヴィアお嬢様に触れるとは」
「良いのです」
「で、ですがお嬢様......」
私がそう言うと、護衛の兵士は黙りました。
「どうか娘をお救い下さい! 私はどうなっても構いませんから」
母親は、泣きながら娘のために救いを求めてきました。
私に何か出来ることは、何かないの。
頭をフル回転させて、何か出来ることはないかと必死に考えました。
あっ!
ありましたわ!
私は、一度馬車へと戻って箱から真っ白な魔法石を取り出しました。
その魔法石を手に持って、少女の元へと戻りました。
「なっ!? お嬢様、どうかそれだけはお辞下さい! 冷静になって下さい!」
「私は冷静ですわ」
私は、手に持つ魔法石を見た。
「使うのは初めてだけど、どうかお願い。この子を助けてあげて!」
私は祈るように、魔法石に力を込めると、倒れていた少女からあふれ出ていた血が止まりました。
「なっ、奇跡だ」
「これが魔法石......」
護衛の兵士たちは、魔法石の力を見て驚いています。
だけどこれだけでは足りません。
少女の血は止まりましたが、危険な状況には変わりはありません。
少女の顔色は悪く、いつ死んでもおかしくはないです。
「もっと、もっと!」
私は、魔法石にもっと力を込めると、めまいで足元がふらつき始めました。
それでも力を込め続けると、ようやく少女の顔色が良くなりました。
どうやら、峠は越えることが出来たみたいです。
「これで大丈夫ですわ」
「お貴族様、ありがとうございます。私のことは、好きなように扱って構いません」
母親は、地面へと頭を擦り付けながらそう言って来た。
私は、少女の状態が良くなったことで、母親と少女がひどく痩せていることに気が付きました。
いや、それだけではありません。
少女と母親を心配して集まって来た領民たちは、栄養が足りていないのか、皆ひどく痩せ細っています。
私は、それを見て母親の手を取って魔法石を握らせました。
そして微笑みながら言った。
「貴方の処遇を言い渡します」
目の前の母親と周囲にいる領民は、ひどく震えています。
「この石を売って、娘に良い物を食べさせてあげて下さい」
「へ?」
母親は、目をまん丸にして言われたことが理解出来たのか、また地面へと頭を付けました。
付近にいた領民たちも皆、母親と同じ体勢になりました。
「さあ、早く王都へと向かいましょう」
私は、それだけ言うと領民たちを後にして、王都へと向かいました。
後には、私の乗る馬車を見送るように、頭を地面に付けたままの領民たちが残りました——。
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