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本編
26話 森での食事
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鬱蒼とした森に立つ小屋。
小屋の周りは、草が刈られて木も倒されて、日が当たるようになっている。
近くには、小川も流れていて水の確保も問題はない。
私たちが、森での生活を始めて数日が経った。
あれから誰にも見つかることもなく、平穏な日々を過ごせています。
ここでの生活にも慣れて来て、ある程度はなんとかなっています。
ただ、問題があるとすれば......。
「本当にこれを食べるのですか?」
「シルヴィア......気持ちは分かるが、今はこれしかないんだ」
目の前には、見たこともないキノコが置かれています。
とても派手な見た目をしていて、赤や青に紫なんて物もあります。
「俺が持って来たんだ、多分大丈夫だろう。それに、シルヴィアに食べてもらいたくて、一生懸命取って来たんだ」
レオン王子殿下は、森へと入ってこのキノコを持って来ました。
今日のお昼に、私に食べてほしいと取ってきたのです。
「ほら、大丈夫だって」
レオン王子殿下は、キノコを一つ手に取って口へと運ぼうとしました。
「おう帰ったぜ、レオン様にシルヴィア様」
その時、動物を狩りに行っていたクライヴたちが戻って来ました。
その背には、何やら担いでいるのが分かります。
「ん? どうしたんだレオン様、毒キノコなんて持って」
「「えっ」」
「そういうのは、あんまり手に持つと良くないぜ」
レオン王子殿下は、顔を真っ青にしながらポトリと、手に持っていたキノコを地面へと落とした。
私がレオン王子殿下へと視線を向けると、目をそらした。
「レオン様?」
「ど、どうしたんだシルヴィア......」
「私に食べてほしいものは、どれですか?」
「い、いや。もういいんだ......」
レオン王子殿下は、バツの悪そうな顔をしながら言った。
そんな様子を見て、クライヴはガハハと笑う。
「レオン様、今後の食事はクライヴたちに任せるのが良いかと。彼らなら、食べられる食材に詳しいと思いますので」
「そ、そうだなセバス。クライヴたちに任せるとしよう」
「おうよ、任せてくれレオン様」
セバスチャンからの助言に、レオン王子殿下は小さくなりながら応答した。
「ふふ、レオン様ったら」
そんな様子を見て、私はどこかおかしくなってしまい笑ってしまった。
レオン王子殿下もそんな私を見て、照れ臭そうに笑う。
そんなやり取りをしていて、周囲の雰囲気が和やかになっているとサラの声が聞こえて来た。
「レオン様ー、シルヴィア様ー」
声がした方を見ると、サラが森から出て来た。
その手には、大きなカゴがあり、中にはたくさんのキノコが入っている。
キノコはどれも禍々しい色をしていて、中にはレオン王子殿下が持って来たものもある。
「見てください! たくさんキノコが生えていたんです!」
「おいおい......」
どこか得意げな表情をしているサラに、クライヴが呆れたように言った。
「サラ、それは毒キノコらしいですよ」
「えぇっ!!! そ、そんなぁ......こんなにたくさん取れたのに」
サラは、カゴにたくさん入っているキノコが毒キノコなのが分かると、驚いた表情をした。
そんなサラを見て、皆で笑ってしまった。
◇
昼食は、クライヴたちが持って来た肉を焼いて食べることになった。
レオン王子殿下とサラが持って来た毒キノコは、危険だからという理由で燃やされることになりました。
ジュゥーっと肉の焼ける音と、食欲をそそる香ばしいにおいが辺りに漂い始めました。
「よし、そろそろ良いだろう」
焼いた肉は、机と呼んで良いのか分からない不出来な木の加工品の上に乗せられる。
「では皆、頂こう」
「はいっ!」
「美味しそうですわ」
私たちは、皆で一緒に食事をすることにしました。
森での生活で、贅沢は言ってはいられません。
皆で協力して生活をして、それを共有することになったのです。
「お、美味しいですわ。クライヴ、これは何の肉です?」
「そこら辺を歩いていたイノシシだな」
「俺もイノシシは初めて食べるな」
レオン王子殿下は、肉を口いっぱいに頬張りながら言う。
そんな会話をしながら、食事を終えました。
肉しかないけれど、心は満たされる気がしました。
◇
小屋の前に、一人の兵士がいた。
クライヴたちの護衛メンバーではないので、領主の兵士かもしれません。
「ええ、ではそのように伝えておきます」
兵士は、セバスチャンとやり取りを終えると、私に一礼をして去って行った。
「セバスチャン? どうしたのですか?」
「シルヴィア様、手紙の返事が届きました」
「まぁ、ありがとうセバスチャン」
私は、セバスチャンから手紙を受け取る。
そこには、しばらくそこで身を隠すことの許可を与えると書かれています。
また、出来うる限りの協力は惜しみなくしようとも書かれていました。
「いつか、直接感謝を伝えなければなりませんわね」
私は、領主の屋敷があるであろう方向を向きながら、そう呟いた。
手紙には、この他にも気になる情報も書かれていました。
これは、レオン王子殿下に伝えた方が良いかもしれません——。
小屋の周りは、草が刈られて木も倒されて、日が当たるようになっている。
近くには、小川も流れていて水の確保も問題はない。
私たちが、森での生活を始めて数日が経った。
あれから誰にも見つかることもなく、平穏な日々を過ごせています。
ここでの生活にも慣れて来て、ある程度はなんとかなっています。
ただ、問題があるとすれば......。
「本当にこれを食べるのですか?」
「シルヴィア......気持ちは分かるが、今はこれしかないんだ」
目の前には、見たこともないキノコが置かれています。
とても派手な見た目をしていて、赤や青に紫なんて物もあります。
「俺が持って来たんだ、多分大丈夫だろう。それに、シルヴィアに食べてもらいたくて、一生懸命取って来たんだ」
レオン王子殿下は、森へと入ってこのキノコを持って来ました。
今日のお昼に、私に食べてほしいと取ってきたのです。
「ほら、大丈夫だって」
レオン王子殿下は、キノコを一つ手に取って口へと運ぼうとしました。
「おう帰ったぜ、レオン様にシルヴィア様」
その時、動物を狩りに行っていたクライヴたちが戻って来ました。
その背には、何やら担いでいるのが分かります。
「ん? どうしたんだレオン様、毒キノコなんて持って」
「「えっ」」
「そういうのは、あんまり手に持つと良くないぜ」
レオン王子殿下は、顔を真っ青にしながらポトリと、手に持っていたキノコを地面へと落とした。
私がレオン王子殿下へと視線を向けると、目をそらした。
「レオン様?」
「ど、どうしたんだシルヴィア......」
「私に食べてほしいものは、どれですか?」
「い、いや。もういいんだ......」
レオン王子殿下は、バツの悪そうな顔をしながら言った。
そんな様子を見て、クライヴはガハハと笑う。
「レオン様、今後の食事はクライヴたちに任せるのが良いかと。彼らなら、食べられる食材に詳しいと思いますので」
「そ、そうだなセバス。クライヴたちに任せるとしよう」
「おうよ、任せてくれレオン様」
セバスチャンからの助言に、レオン王子殿下は小さくなりながら応答した。
「ふふ、レオン様ったら」
そんな様子を見て、私はどこかおかしくなってしまい笑ってしまった。
レオン王子殿下もそんな私を見て、照れ臭そうに笑う。
そんなやり取りをしていて、周囲の雰囲気が和やかになっているとサラの声が聞こえて来た。
「レオン様ー、シルヴィア様ー」
声がした方を見ると、サラが森から出て来た。
その手には、大きなカゴがあり、中にはたくさんのキノコが入っている。
キノコはどれも禍々しい色をしていて、中にはレオン王子殿下が持って来たものもある。
「見てください! たくさんキノコが生えていたんです!」
「おいおい......」
どこか得意げな表情をしているサラに、クライヴが呆れたように言った。
「サラ、それは毒キノコらしいですよ」
「えぇっ!!! そ、そんなぁ......こんなにたくさん取れたのに」
サラは、カゴにたくさん入っているキノコが毒キノコなのが分かると、驚いた表情をした。
そんなサラを見て、皆で笑ってしまった。
◇
昼食は、クライヴたちが持って来た肉を焼いて食べることになった。
レオン王子殿下とサラが持って来た毒キノコは、危険だからという理由で燃やされることになりました。
ジュゥーっと肉の焼ける音と、食欲をそそる香ばしいにおいが辺りに漂い始めました。
「よし、そろそろ良いだろう」
焼いた肉は、机と呼んで良いのか分からない不出来な木の加工品の上に乗せられる。
「では皆、頂こう」
「はいっ!」
「美味しそうですわ」
私たちは、皆で一緒に食事をすることにしました。
森での生活で、贅沢は言ってはいられません。
皆で協力して生活をして、それを共有することになったのです。
「お、美味しいですわ。クライヴ、これは何の肉です?」
「そこら辺を歩いていたイノシシだな」
「俺もイノシシは初めて食べるな」
レオン王子殿下は、肉を口いっぱいに頬張りながら言う。
そんな会話をしながら、食事を終えました。
肉しかないけれど、心は満たされる気がしました。
◇
小屋の前に、一人の兵士がいた。
クライヴたちの護衛メンバーではないので、領主の兵士かもしれません。
「ええ、ではそのように伝えておきます」
兵士は、セバスチャンとやり取りを終えると、私に一礼をして去って行った。
「セバスチャン? どうしたのですか?」
「シルヴィア様、手紙の返事が届きました」
「まぁ、ありがとうセバスチャン」
私は、セバスチャンから手紙を受け取る。
そこには、しばらくそこで身を隠すことの許可を与えると書かれています。
また、出来うる限りの協力は惜しみなくしようとも書かれていました。
「いつか、直接感謝を伝えなければなりませんわね」
私は、領主の屋敷があるであろう方向を向きながら、そう呟いた。
手紙には、この他にも気になる情報も書かれていました。
これは、レオン王子殿下に伝えた方が良いかもしれません——。
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