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「なにが嘘よ! この暴力女!」
「ブス女の次は、暴力女? 本当、あなたって下品ね」
「あなたよりずーっとマシよ! ついに本性あらわしたわね!」
ふっ。
ミアはゆるりと笑うと、エディに視線を移した。
「コーリーによると、あなたはわたしを女として見ていない。家のために、仕方なく、愛してもいないわたしと婚約しただけ。あなたが本当に愛しているのは、コーリー。これに間違いはない?」
そうよ。答えたのは、コーリーだ。くるりと振り返り、エディの腕を掴んだ。
「お兄様。ミアと口付け、したことないんでしょう? 女として見れていない、証拠よね?」
エディは、つかの間、沈黙した。かと思えば、一つの乾いた笑いをもらし、コーリーの腕を振り払った。
「──あるよ。もう、何度もね」
振り払われたことにも、突き放されたような態度にも、コーリーは、愕然とした。
「ルソー伯爵は、お前を溺愛している。僕たちの関係を明かしたからには、お前の願いを叶えるために、なにをするか、もうわからない」
「……お兄様……?」
「僕は、ミアを失うぐらいなら、この世に未練なんてない。同時に、お前と結婚するぐらいなら、死んだほうがマシだ」
「……やだわ、お兄様ったら。ほんとに、お優しいんだから……いくら、ミアを傷付けたくないからって……そんな、嘘……」
ふらつき、エディに寄りかかろうとするコーリー。そんなコーリーを、エディはすっと避けた。予想外の行動だったのか。コーリーが、べちゃっと床に転んだ。目を丸くし、上半身を起こしたコーリーが、エディを振り返り、なんで、と呟いた。
「お前の理想の兄を演じる必要が、なくなったからだよ」
冷たく吐き捨てられた言葉に、コーリーは動けなくなった。そんなコーリーにはもはや目も向けず、エディは、ミアの元に向かった。
「養子、だったのね」
ミアの第一声に、エディは、少し困ったように眉尻を下げ、両手を広げた。
「──抱き締めても?」
エディの問いに、ミアは、嬉しいわ、とエディの胸に頬を寄せた。エディはそんなミアを抱き締め、コーリーには決して届かない小さな声で、ひっそりと、ミアの耳元で囁いた。
「……きみは、ミアじゃないよね?」
ミアが──いや、別の誰かが、ふふ、と嬉しそうに笑う。
「そうよ、エディ。愛しいあなた」
「ああ、僕も愛しているよ。きみの名前を聞いてもいいかな」
「わたしの名は、ルシンダよ」
そう言って、まだ幼さの残るミアが見せたことのない艶っぽさで、ルシンダは笑みを浮かべた。
「ブス女の次は、暴力女? 本当、あなたって下品ね」
「あなたよりずーっとマシよ! ついに本性あらわしたわね!」
ふっ。
ミアはゆるりと笑うと、エディに視線を移した。
「コーリーによると、あなたはわたしを女として見ていない。家のために、仕方なく、愛してもいないわたしと婚約しただけ。あなたが本当に愛しているのは、コーリー。これに間違いはない?」
そうよ。答えたのは、コーリーだ。くるりと振り返り、エディの腕を掴んだ。
「お兄様。ミアと口付け、したことないんでしょう? 女として見れていない、証拠よね?」
エディは、つかの間、沈黙した。かと思えば、一つの乾いた笑いをもらし、コーリーの腕を振り払った。
「──あるよ。もう、何度もね」
振り払われたことにも、突き放されたような態度にも、コーリーは、愕然とした。
「ルソー伯爵は、お前を溺愛している。僕たちの関係を明かしたからには、お前の願いを叶えるために、なにをするか、もうわからない」
「……お兄様……?」
「僕は、ミアを失うぐらいなら、この世に未練なんてない。同時に、お前と結婚するぐらいなら、死んだほうがマシだ」
「……やだわ、お兄様ったら。ほんとに、お優しいんだから……いくら、ミアを傷付けたくないからって……そんな、嘘……」
ふらつき、エディに寄りかかろうとするコーリー。そんなコーリーを、エディはすっと避けた。予想外の行動だったのか。コーリーが、べちゃっと床に転んだ。目を丸くし、上半身を起こしたコーリーが、エディを振り返り、なんで、と呟いた。
「お前の理想の兄を演じる必要が、なくなったからだよ」
冷たく吐き捨てられた言葉に、コーリーは動けなくなった。そんなコーリーにはもはや目も向けず、エディは、ミアの元に向かった。
「養子、だったのね」
ミアの第一声に、エディは、少し困ったように眉尻を下げ、両手を広げた。
「──抱き締めても?」
エディの問いに、ミアは、嬉しいわ、とエディの胸に頬を寄せた。エディはそんなミアを抱き締め、コーリーには決して届かない小さな声で、ひっそりと、ミアの耳元で囁いた。
「……きみは、ミアじゃないよね?」
ミアが──いや、別の誰かが、ふふ、と嬉しそうに笑う。
「そうよ、エディ。愛しいあなた」
「ああ、僕も愛しているよ。きみの名前を聞いてもいいかな」
「わたしの名は、ルシンダよ」
そう言って、まだ幼さの残るミアが見せたことのない艶っぽさで、ルシンダは笑みを浮かべた。
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