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「お兄様。あたしたち、本当の兄妹ではなかったのです。お兄様は、あたしの従兄弟だったのですよ!」
エディの全身が強張った。黙り込むエディに、コーリーが嬉々として続ける。
「あたしたち、結婚できるんです。兄妹だからと、もう我慢しなくてもよいのですよ!」
「……誰が、それを」
「お父様が教えてくださったのです。愛し合うあたしたちの姿に、黙っていられなくなったのでしょう!」
ぷつん。
頭の中で、なにかが切れる音がした。それは、幻聴だったのかもしれないけれど。
「お兄様。ミアと口付け、したことないんでしょう? 女として見れていない、証拠よね?」
勝ち誇ったような、歪んだ笑みを浮かべるコーリー。
──なんて醜い。
浮かんだ感想に、エディは一つの乾いた笑いをもらし、コーリーの腕を振り払った。
「──あるよ。もう、何度もね」
振り払われたことにも、突き放されたような態度にも、コーリーは、愕然としていた。はじめてルソー伯爵の命に背いたというのに、不思議と、怖れは襲ってこなかった。
「ルソー伯爵は、お前を溺愛している。僕たちの関係を明かしたからには、お前の願いを叶えるために、なにをするか、もうわからない」
「……お兄様……?」
「僕は、ミアを失うぐらいなら、この世に未練なんてない。同時に、お前と結婚するぐらいなら、死んだほうがマシだ」
口にして、確信した。そうか。だからもう、なにも怖くなくなったのか。心は驚くほど凪いでいて、心地よささえ、感じている。
「……やだわ、お兄様ったら。ほんとに、お優しいんだから……いくら、ミアを傷付けたくないからって……そんな、嘘……」
ふらつき、エディに寄りかかろうとするコーリー。嫌悪から鳥肌が立ち、エディはすっと避けた。予想外の行動だったのか。コーリーが、べちゃっと床に転んだ。目を丸くし、上半身を起こしたコーリーが、エディを振り返り、なんで、と呟いた。
「お前の理想の兄を演じる必要が、なくなったからだよ」
ずっと、ずっと。幼いころから心を縛っていた呪いから、解き放たれたような気分だった。
エディの全身が強張った。黙り込むエディに、コーリーが嬉々として続ける。
「あたしたち、結婚できるんです。兄妹だからと、もう我慢しなくてもよいのですよ!」
「……誰が、それを」
「お父様が教えてくださったのです。愛し合うあたしたちの姿に、黙っていられなくなったのでしょう!」
ぷつん。
頭の中で、なにかが切れる音がした。それは、幻聴だったのかもしれないけれど。
「お兄様。ミアと口付け、したことないんでしょう? 女として見れていない、証拠よね?」
勝ち誇ったような、歪んだ笑みを浮かべるコーリー。
──なんて醜い。
浮かんだ感想に、エディは一つの乾いた笑いをもらし、コーリーの腕を振り払った。
「──あるよ。もう、何度もね」
振り払われたことにも、突き放されたような態度にも、コーリーは、愕然としていた。はじめてルソー伯爵の命に背いたというのに、不思議と、怖れは襲ってこなかった。
「ルソー伯爵は、お前を溺愛している。僕たちの関係を明かしたからには、お前の願いを叶えるために、なにをするか、もうわからない」
「……お兄様……?」
「僕は、ミアを失うぐらいなら、この世に未練なんてない。同時に、お前と結婚するぐらいなら、死んだほうがマシだ」
口にして、確信した。そうか。だからもう、なにも怖くなくなったのか。心は驚くほど凪いでいて、心地よささえ、感じている。
「……やだわ、お兄様ったら。ほんとに、お優しいんだから……いくら、ミアを傷付けたくないからって……そんな、嘘……」
ふらつき、エディに寄りかかろうとするコーリー。嫌悪から鳥肌が立ち、エディはすっと避けた。予想外の行動だったのか。コーリーが、べちゃっと床に転んだ。目を丸くし、上半身を起こしたコーリーが、エディを振り返り、なんで、と呟いた。
「お前の理想の兄を演じる必要が、なくなったからだよ」
ずっと、ずっと。幼いころから心を縛っていた呪いから、解き放たれたような気分だった。
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