真実の愛は、誰のもの?

ふまさ

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 突然の訪問にもかかわらず、ジェンキンス伯爵夫妻は、二人をとても歓迎してくれた。だが、流石は親といったところか。すぐにミアの雰囲気が違うことに気付いたようで。

「はじめまして。お父様、お母様。ルシンダと申します」

 優雅にカーテシーをするルシンダに、ジェンキンス伯爵夫妻が、目を瞠る。

「──僕が、お話します。長くなりますが、聞いてもらえますか?」

 決意を秘めた双眸に、なにかを察したジェンキンス伯爵は、表情を緩めた。

「ああ。いくらでも、いつまででも、聞くよ」

 その隣で、ジェンキンス伯爵夫人が肯定するように、にっこりとうなずいた。

 ──温かいな。

 日が傾き、空が赤く染まっていく。沈みゆく太陽が眩く光り、四人を包み込む。

 いつもより綺麗だと思えたのは、一歩でも、前に進めたからだろうか。



 ♢♢♢♢♢



 エディは、ルソー伯爵に出会ったときからこれまでのすべてを、あますことなく語った。ああ、本当はずっと、誰かに聞いてもらいたかったんだ。話ながらも、エディは痛感していた。

 ジェンキンス伯爵夫妻が、心を痛めてくれているのが、伝わってきた。二人はあえて口を挟まず、それでも一言も聞き漏らすまいと、必死に耳を傾けてくれている。

 それだけで、エディは泣きそうだった。随分と涙腺が緩んでしまった。こっそり苦笑する。

 すべてを語り終えたころには、空は黒く染まり、夕食の時間もとっくに過ぎていた。

「──ルソー伯爵はいまごろ、僕に激怒しているはずです。迷惑をかけることはわかっていたのですが……僕にはここしかなくて……すみません」

 席を立ち上がり、頭を下げる。心臓が、バクバクと早く脈打つ。信じていないわけではない。でも、現実的に、迷惑をかけるどころの話ではないのだ。けれど、たとえどんな結論が出ようと、ジェンキンス伯爵夫妻への感謝は、変わらない。それだけは、確かだった。

「──よく話してくれたね」

 慈しむような声音に、エディは瞬時、固まった。予想していた反応とは、まるで違っていたから。

 ジェンキンス伯爵を見る。ジェンキンス伯爵は小さく笑い、懐から一通の手紙を出し、テーブルの上に置いた。

「……これは」

「きみたちより一足早く着いた、ルソー伯爵からの手紙だよ。明日の午後、こちらに着く予定だそうだ」

 青ざめるエディに、ジェンキンス伯爵は、読んでごらん、と手紙を差し出した。エディは震える手で手紙を受け取り、一読した。

 そこには、予想通りというか。なんというか。ミアがコーリーを理不尽に殴ったことへの謝罪と慰謝料を求める、といった内容と、エディとの婚約は破棄させてもらうという旨が、怒りに任せて書いたであろう文字で、書き連ねられていた。

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