真実の愛は、誰のもの?

ふまさ

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「お前がここまで僕に執着するようになってしまったのは、たぶん……僕がお前のどんな無茶もわがままも、全部、笑って叶えてきたから。なにをしても、許してきたから。それをお前は、愛されているからだと思ってきたんだろうけど」

「……いや。いやです、お兄様。聞きたくないっ」

 コーリーが青い顔をし、後退る。エディはむろん、止めるつもりはない。

「僕は、ただ、ルソー伯爵に脅迫されて、仕方なくお前に優しくしていただけだ。お前のことは……申し訳ない。愛するどころか、もう、顔も見たくないほど、嫌悪してしまっている」

「いやー!!!」

 絶叫するコーリー。ルソー伯爵が、顔を真っ赤にしながらエディに掴みかかろうとしたが、その手は、室内に待機していた執事によって止められた。後ろ手に捻られ、ルソー伯爵が呻く。

「お前! この私にこんな真似をして、ただですむと思うな!!」

「それはこちらの科白ですよ、ルソー伯爵」

 静かに。けれど確かな怒気を宿した声色は、ジェンキンス伯爵のものだった。ルソー伯爵が、ぎろっとジェンキンス伯爵を睨み付ける。

「……どういう意味ですかな」

「人身売買は、法で禁じられている。それはあなたも、ご存じのはずだ」

 ルソー伯爵は、はっと鼻で笑った。

「私より、エディの言葉を信じますか。ジェンキンス伯爵ともあろうものが、情けない」

「ええ、返す言葉もありません。もっと早くにあなたの人となりに気付いていれば、エディを、これほどまで長く苦しませずにすんだというのに……情けない限りです」

「……っ。私の話しを聞いているのですかな!?」

「あなたは、人の話に耳を傾けられない人だ。だから、会話をするだけ無駄なんですよ」

「ぶ、無礼にもほどがある!」

「幼子を脅迫しておいて、無礼だと罵る権利があるとでも?」

「わからない人だな。それはエディの嘘だと言っているでしょう? 私がエディを脅迫したという証拠がどこにあるんです?!」

「逆にうかがいますが、あなたがエディを脅迫していないという証拠があるのですか?」

「そんなもの、あるわけないでしょう!?」

 ジェンキンス伯爵はやはりというように、ふう、と肩を竦めた。

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