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授業終了の鐘がなり、各教室から、生徒たちが出てきた。昼休みのため、食堂や、中庭などに向かう。
ミアも、ドリスと共に音楽室を出てきた。そのタイミングを見計らっていたように、背後から、声をかけられた。
「──ミア様」
落ち着いた声音だったのに、ミアは一瞬、背筋がぞくりとした。振り返れば、そこには、予想通りの人物が立っていた。
「ミア様。少し、お時間よろしいでしょうか」
「……なんでしょう」
「二人で、お話しがしたいのです」
ミアは、ごめんなさい、と掠れた声で謝罪した。
「あなたと二人にはなれないし、お話しすることもありません。行きましょう、ドリス」
「ええ」
コーリーに、背を向ける。まわりには、まだミアのクラスメイトの生徒たちがたくさんいた。だから、油断していた。
コーリーは残念ですと呟き、懐からナイフを取り出し、ケースを外した。その様子を見ていた生徒が、目を瞠る。コーリーが迷うことなくミアに向かってナイフを振り上げたところで、女子生徒が、小さく悲鳴を上げた。コーリーを指差しながら。
気付いたミアが、後ろを振り向いた。コーリーは無表情だったが、その濁った瞳には、確かな殺意が宿っていた。
──避ければ、もっと酷い目にあう。
脳裏に浮かんだその考えと同時に、男性の姿がコーリーに重なった。とたん、ミアは金縛りにあったように動けなくなってしまった。
「──ミア!!」
ドリスがミアの腕を掴み、後ろに引っ張った。ふわっと浮かんだミアの前髪が、コーリーの振り下ろされたナイフを掠めた。
よほど勢いがついていたのか。コーリーはよろけ、転んだ。拍子に、ナイフが手からすり抜ける。
近くにいた男子生徒が、慌ててナイフを足で押さえた。騎士を目指す生徒が、うつ伏せたまま、コーリーの腕を後ろ手で掴む。
コーリーが暴れ、ミアに向かって、獣のように唸る。吼える。けれどミアは、コーリーではないなにかを見ているように、焦点があっていなかった。血の気の引いた顔で、小刻みに震えだしたミアを見て、ドリスは叫んだ。
「……誰か! お願い、エディ様を連れて来て!!」
ミアも、ドリスと共に音楽室を出てきた。そのタイミングを見計らっていたように、背後から、声をかけられた。
「──ミア様」
落ち着いた声音だったのに、ミアは一瞬、背筋がぞくりとした。振り返れば、そこには、予想通りの人物が立っていた。
「ミア様。少し、お時間よろしいでしょうか」
「……なんでしょう」
「二人で、お話しがしたいのです」
ミアは、ごめんなさい、と掠れた声で謝罪した。
「あなたと二人にはなれないし、お話しすることもありません。行きましょう、ドリス」
「ええ」
コーリーに、背を向ける。まわりには、まだミアのクラスメイトの生徒たちがたくさんいた。だから、油断していた。
コーリーは残念ですと呟き、懐からナイフを取り出し、ケースを外した。その様子を見ていた生徒が、目を瞠る。コーリーが迷うことなくミアに向かってナイフを振り上げたところで、女子生徒が、小さく悲鳴を上げた。コーリーを指差しながら。
気付いたミアが、後ろを振り向いた。コーリーは無表情だったが、その濁った瞳には、確かな殺意が宿っていた。
──避ければ、もっと酷い目にあう。
脳裏に浮かんだその考えと同時に、男性の姿がコーリーに重なった。とたん、ミアは金縛りにあったように動けなくなってしまった。
「──ミア!!」
ドリスがミアの腕を掴み、後ろに引っ張った。ふわっと浮かんだミアの前髪が、コーリーの振り下ろされたナイフを掠めた。
よほど勢いがついていたのか。コーリーはよろけ、転んだ。拍子に、ナイフが手からすり抜ける。
近くにいた男子生徒が、慌ててナイフを足で押さえた。騎士を目指す生徒が、うつ伏せたまま、コーリーの腕を後ろ手で掴む。
コーリーが暴れ、ミアに向かって、獣のように唸る。吼える。けれどミアは、コーリーではないなにかを見ているように、焦点があっていなかった。血の気の引いた顔で、小刻みに震えだしたミアを見て、ドリスは叫んだ。
「……誰か! お願い、エディ様を連れて来て!!」
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