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第一章 魔法の剣
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三人はキマイラから全力で逃げていた。そのミアはエドの隣を走っており、エドにアレの説明をしだした。
「キマイラはつぎはぎの遺伝子なの。見ての通り、融合し完全な個体というよりパーツをただくっつけたみたいな姿をしているでしょ」
振り返る余裕がないので、最初に見た記憶を思い出してから頷いた。
そのキマイラは三人を追いかけながら、蛇の尻尾を縮めると、ライオンの首が連動しているかのように長くなった、
大砲のように勢いよく飛んでくるライオンの顔を避けながら、三人は走りながら逃げていた。
あれを生物というのか…… 。
自分の持っている知識にはない体の構造をした生物とはいえ、元は最初からあゝではなかったのだ。魔力によって影響を受けた魔法生物。だが、今はつくられた可能性があるのだ。
そう考えると、なんだか可愛そうに感じた。
「どうして魔女はそんなことを」
「違うわ!」と魔女キルケは大きく否定した。
「私達はそんなんじゃない。あなたもそうでしょ」
魔女キルケはミアの方を見て言った。彼女も魔女に育てられ、師匠に恩を感じている。
だが、ミアは魔女キルケのように断定しなかった。迷いがあった。
「魔力の影響で自然や生物に及ぼすのなら、昔はこの場所以外もそうでなければおかしい。でも、そのような歴史は語られることはなかった……」
「お前……」
ミアがなにが真実なのか迷っているのを知り、魔女キルケは驚きつつショックを受けた。
「偉大なる魔女メーデイアの弟子のお前がそれを言うのか!」
「!?」
「私だって、偉大な師を持ちたかったよ。私なんかは人間のせいでお前のようには生きてはいない。命令されたように機械人間のように働くだけだ。お前が羨ましいよ。なのに、お前がそれを言うのか」
ミアが迷うのも無理はなく、彼女の言うことの方が実際は正しいように思える。
エドはとにかく二人の間に入るべきか考えた。
すると、あのライオンの頭がエドに向かって飛んできた。ミアは反応し魔法を唱えた。だが、魔力は反応しなかった。
「そんな!」
だが、魔女キルケは当然の反応をミアに見せた。そして、見下した。
魔女キルケはエドの服を引っ張ると、自分の方へ寄せた。
「エド!」
二人はわかれてしまった。
右にミアが、左には魔女キルケとエド。その間にはキマイラの伸びる首だ。
キマイラはそれを引っ込めると、狭い洞窟のせいか、天井がパラパラと崩れた。
石ころが落ち砂煙を起こしたキマイラはお腹をすかせているのか、グルグルと音を鳴らした。
「エド!」
ミアはもう一度彼を呼んだ。エドは今のうちにとミアの方へ行こうとしたが、直後魔女キルケはエドの後ろを掴んだ。
「キルケ!」
ミアは怒鳴るが、キルケは手を離さなかった。
直後、天井が大きく崩れ雪崩のように落ち、両者の目の前には壁ができた。ミアのいる方は塞がれてしまい、キルケとエドにはキマイラもいる。
ミアは他の道を探し急いだ。
「どういうことだ」
エドはキルケに怒鳴るように聞いた。
「お前は私と来てもらう。安心しろ。お前の目的地は私が案内してやる。あいつが無事なら、奴も遅れて現れる筈だ。それとも、私とどうしても行きたくないのなら、このまま置いていく。キマイラと一緒にな」
エドはキマイラの方を見た。あれはよだれを垂らしていた。
◇◆◇◆◇
人間は何故幸福に満たされないのだろうか。失って気づくことの方が多い。何故、人間は今ある環境に満足出来ないのか。なにが不満なのか。それは満たされる時が来るのだろうか。
人間の強欲の罪は、強欲に持った人間を裁くことではなく、強欲がそもそも人間に与えられた罰なのだ。満たされることがなく、まるで大量の水を飲み干しても喉の渇きが止まらないように。
強欲とは、人が一生幸福でいられないようにする罰なのかもしれない。
「どうしてこうなったんだろうな」
ローレンスは最後の山を下から上へと眺めるようにしながらそう言った。その目線の先には魔女ガーディアンとそっくりな女が立っていた。ただ、違うのは黒色だったということ。
「ローレンス……久しぶりね。あなたが私を裏切ってから何年が経過したか」
「魔女は時間の感覚を失うのか? 俺達の間にはもっと長い時間が経過していた筈だ」
「そう……年は数えたりしないから」
「ここにいるからよくないんだ。四季もないこの場所では一年の感覚なんて分からないだろう」
「あなたの言う通りね」
その二人の場所に、近くの洞窟から出てきた魔女キルケとエドが遭遇した。
魔女キルケを見てローレンスは舌打ちする。
「全く、タイミングというものがなっていないな。本当、使えない奴隷だ」
「あら、そんなこと言っていいの? 魔女キルケはあなたの為に働いて、ちゃんと取って来いが出来たじゃない。ちゃんと主人として褒めなきゃダメよ」
「違う。むしろ悪い子犬にはきついお仕置きが必要だ。俺はなにも、そのガキを連れて来いなんて命令していない。監視をしろと言ったんだ。ガキは必要ないんだよ」
「あれが……お前の主人か?」
エドはキルケの方を見たが、キルケの顔は驚いたまま暫くかたまっていた。
「何故、そこに魔女ガーディアンが……いや、魔女ガーディアンではない?」
「魔女キルケ、あなた達の言動はここからずっと見させてもらったわ。そしてそう、私こそがあなた達の言う魔女Xよ」
「キマイラはつぎはぎの遺伝子なの。見ての通り、融合し完全な個体というよりパーツをただくっつけたみたいな姿をしているでしょ」
振り返る余裕がないので、最初に見た記憶を思い出してから頷いた。
そのキマイラは三人を追いかけながら、蛇の尻尾を縮めると、ライオンの首が連動しているかのように長くなった、
大砲のように勢いよく飛んでくるライオンの顔を避けながら、三人は走りながら逃げていた。
あれを生物というのか…… 。
自分の持っている知識にはない体の構造をした生物とはいえ、元は最初からあゝではなかったのだ。魔力によって影響を受けた魔法生物。だが、今はつくられた可能性があるのだ。
そう考えると、なんだか可愛そうに感じた。
「どうして魔女はそんなことを」
「違うわ!」と魔女キルケは大きく否定した。
「私達はそんなんじゃない。あなたもそうでしょ」
魔女キルケはミアの方を見て言った。彼女も魔女に育てられ、師匠に恩を感じている。
だが、ミアは魔女キルケのように断定しなかった。迷いがあった。
「魔力の影響で自然や生物に及ぼすのなら、昔はこの場所以外もそうでなければおかしい。でも、そのような歴史は語られることはなかった……」
「お前……」
ミアがなにが真実なのか迷っているのを知り、魔女キルケは驚きつつショックを受けた。
「偉大なる魔女メーデイアの弟子のお前がそれを言うのか!」
「!?」
「私だって、偉大な師を持ちたかったよ。私なんかは人間のせいでお前のようには生きてはいない。命令されたように機械人間のように働くだけだ。お前が羨ましいよ。なのに、お前がそれを言うのか」
ミアが迷うのも無理はなく、彼女の言うことの方が実際は正しいように思える。
エドはとにかく二人の間に入るべきか考えた。
すると、あのライオンの頭がエドに向かって飛んできた。ミアは反応し魔法を唱えた。だが、魔力は反応しなかった。
「そんな!」
だが、魔女キルケは当然の反応をミアに見せた。そして、見下した。
魔女キルケはエドの服を引っ張ると、自分の方へ寄せた。
「エド!」
二人はわかれてしまった。
右にミアが、左には魔女キルケとエド。その間にはキマイラの伸びる首だ。
キマイラはそれを引っ込めると、狭い洞窟のせいか、天井がパラパラと崩れた。
石ころが落ち砂煙を起こしたキマイラはお腹をすかせているのか、グルグルと音を鳴らした。
「エド!」
ミアはもう一度彼を呼んだ。エドは今のうちにとミアの方へ行こうとしたが、直後魔女キルケはエドの後ろを掴んだ。
「キルケ!」
ミアは怒鳴るが、キルケは手を離さなかった。
直後、天井が大きく崩れ雪崩のように落ち、両者の目の前には壁ができた。ミアのいる方は塞がれてしまい、キルケとエドにはキマイラもいる。
ミアは他の道を探し急いだ。
「どういうことだ」
エドはキルケに怒鳴るように聞いた。
「お前は私と来てもらう。安心しろ。お前の目的地は私が案内してやる。あいつが無事なら、奴も遅れて現れる筈だ。それとも、私とどうしても行きたくないのなら、このまま置いていく。キマイラと一緒にな」
エドはキマイラの方を見た。あれはよだれを垂らしていた。
◇◆◇◆◇
人間は何故幸福に満たされないのだろうか。失って気づくことの方が多い。何故、人間は今ある環境に満足出来ないのか。なにが不満なのか。それは満たされる時が来るのだろうか。
人間の強欲の罪は、強欲に持った人間を裁くことではなく、強欲がそもそも人間に与えられた罰なのだ。満たされることがなく、まるで大量の水を飲み干しても喉の渇きが止まらないように。
強欲とは、人が一生幸福でいられないようにする罰なのかもしれない。
「どうしてこうなったんだろうな」
ローレンスは最後の山を下から上へと眺めるようにしながらそう言った。その目線の先には魔女ガーディアンとそっくりな女が立っていた。ただ、違うのは黒色だったということ。
「ローレンス……久しぶりね。あなたが私を裏切ってから何年が経過したか」
「魔女は時間の感覚を失うのか? 俺達の間にはもっと長い時間が経過していた筈だ」
「そう……年は数えたりしないから」
「ここにいるからよくないんだ。四季もないこの場所では一年の感覚なんて分からないだろう」
「あなたの言う通りね」
その二人の場所に、近くの洞窟から出てきた魔女キルケとエドが遭遇した。
魔女キルケを見てローレンスは舌打ちする。
「全く、タイミングというものがなっていないな。本当、使えない奴隷だ」
「あら、そんなこと言っていいの? 魔女キルケはあなたの為に働いて、ちゃんと取って来いが出来たじゃない。ちゃんと主人として褒めなきゃダメよ」
「違う。むしろ悪い子犬にはきついお仕置きが必要だ。俺はなにも、そのガキを連れて来いなんて命令していない。監視をしろと言ったんだ。ガキは必要ないんだよ」
「あれが……お前の主人か?」
エドはキルケの方を見たが、キルケの顔は驚いたまま暫くかたまっていた。
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