悪役令嬢は反省しない!

束原ミヤコ

文字の大きさ
4 / 53

しおりを挟む


 娼館に行くために着替えようと思っていたのだけど、考え直した私は再びベッドへと横になった。
 さて、することがなくなってしまった。
 王立学園に行くつもりはないが、王立学園に行かないとなると、もうすでに婚姻を結べる年齢なので、ラファエル様と結婚するためにすぐさま王城へと向かう羽目になるだろう。
 ラファエル様が心変わりをするので嫌だなどと馬鹿らしいことは言えない。多分お父様やお母様、お兄様に伝えたら「なんて可哀想なリディス、ずっとこの家に居て良いんだよ!」と言って婚約破棄がなされるのだろうが、私は公爵家にずっといたいわけではないのだ。
 それにここにずっといたら、お兄様は独身を貫きそうではある。全ての男性の愛情を受け入れる度量はあるつもりだが、正直お兄様の愛情は重過ぎる。いくら愛情深い私であっても倫理観というものがある。やはり兄妹でというのは駄目だ、家のためにならない。それに私とお兄様のせいで公爵家が衰退してしまうのは、避けたい。

「どうしたものかしら」

 私が王妃にならないというのは、エヴァンディア王国にとっては大いなる損失だろう。
 王妃にならずに別の道をさがすというのは、王国民たちを見捨てるということにもなってしまうのではないか。
 けれど、そのためにラファエル様やシンシアさんの在り方を受け入れるというのも、癪に障る。
 有体に言えば、腹立たしい。

「エヴァンディア王国よりも強大で、この国ごと傘下におけるような、そんな力を持った国はないものかしらね」

 大陸は七つの国でできている。七つの国の力は大凡拮抗しており、時折国境で戦が起こり国の境目の場所が変わることがあるものの、その程度の小競り合いにおさまっている。私が別の王家に嫁いだところで、環境が変わるだけで状況が変わるわけではないだろう。それに、それぞれの国は長くお互いに小競り合いが続いているせいで、移民に対する扱いが厳しい。他の国と国交を持つのは王家と貿易商ぐらいだ。
 そこで私は思い出す。皆が目を背け、話題に上げないようにしているもう一つの国があった事を。

『かつて大地は一つだった。しかし姿かたちが違う強大な力を持った者たちを、人は恐れた。長らく続いた大戦の後、数の利と賢さで人は勝利を掴み、姿かたちが違う者たちを一つ所に閉じ込めた。大地は二つに分かれたのである』

 それはエヴァンディア王国、そしてこの大地に住まう者たちならば誰もが知っている伝承だ。
 大抵の場合ただのおとぎ話ですませてしまう誰も本気にしていない昔話なのだが、それが作り話でないこと、けして忘れてはいけないことを王族とそれに連なる公爵家は代々言い聞かせられている。
 昔の方々は再び大戦が起こることを恐れていたのだろう。
 その姿かたちが違う者たちというのは、総称して『魔族』と呼ばれている。
 『魔』とは、人を惑わすもの、不思議な力を持って悪を成すものと言う意味だ。その魔に、種族の族をくっつけただけなのだから、なんとも安易だとは思えど、分かりやすくはある。
 私は実際に魔族の方々に会った事はないけれど、伝承の通りだとしたらきっとそれは、王族よりももっと力があるものに違いない。
 それはなんて、魅力的なのか。
 王家も公爵家のものたちも、魔族の話はしようとしない。それは恐れているからだ。

 思えば、幼いころにその伝承を聞かされた時、強く興味を持った私が幾度尋ねても、両親は伝承以上に詳しい話をしようとはしなかった。その話題は避けて通っていたようだった。
 私もその時は王妃になることだけを考えていたので、それ以上深く関わろうとしなかった。時間の無駄だったからである。
 しかし今となっては、私の選択肢においてそれが最上のものに思える。
 人にはない力のある者たちなのだから、きっと賢いに違いない。交流を絶って千年以上の時が経過しているようだから、それなりに国として発展している筈だ。
 私程の美しさと素晴らしい人格の持ち主ならば、あちらの王族、いや、皇族かもしれない。ともかくそんな立場の方を、虜にできるに違いない。
 やはり目指すならばより高みである方が良い。魔族の方々の母となり唯一無二の権力を手に入れて、エヴァンディア王国や小競り合いを繰り返す他国を圧倒的な力で従えて、良い国を作る。
 それがきっと、カミ様から与えられた私の使命なのだろう。

「そうね。魔族の王に嫁ぐ……、これが一番良いわね」

『どういう結論だリディス。リディス、聞け、リディス!』

 今頭の中で声が聞こえた気がしたが、気のせいだ。
 そうと決まれば寝ている場合などではない。メイドや執事が部屋に来る前に、身支度を整える事にする。
 クローゼットを漁って鞄を取り出すと、当面の着替えなどを詰め込んだ。豪奢なドレスなどは重たすぎて駄目なので、殆ど部屋着のような簡素な服にした。それから、売ってお金に換えられそうな宝石の類も入れた。向こうの通貨がこちらと同じとは限らないので、貨幣は無駄になってしまうかもしれない。宝石や貴金属ならば大体どこでも通用するだろう。
 それから薄い寝衣を脱いで、白いドレスを身に纏う。鏡の前に立った私は、艶やかな銀色の髪と相俟って雪の妖精のような愛らしさだ。完璧である。
 魔族の王が人の形をしているとは限らないが、そこは大きな問題ではない。私の愛は海よりも深いのだ、どんな姿かたちをしていようが、力があり有能であれば心から愛することができるだろう。
 これで旅をする準備は整った。あとはあちら側に行くだけである。伝承によれば、世界の繋げ方というものがあるらしいが、私はそれを知らない。どうしたものかと部屋の中心に突っ立って、暫く考える。
 考えていると、扉がノックされる音がした。

「起きていますわ」

 私の朝は早い。
 メイドよりも執事よりも早く起きて、支度をされるのを待つというのが私の一番目の仕事である。
 自分で支度する事は出来るのだが、私の様に立場がある人間がそれをしてしまうと、メイドの仕事を奪うということになってしまうので、きちんと待ってあげている。
 メイドの仕事の時間になったのだろう。しかし扉から現れたのは、フォンテーヌ家の執事長であるクライブと、私のお兄様、ソレイユだった。
 私が今十六歳なので、ソレイユお兄様は今二十歳だ。王立学園を卒業後、公爵家の跡継ぎとしての仕事をこなしながら家柄の丁度良い結婚相手を探している時期だった筈だ。
 お兄様は私のお兄様であるのだから、申し分のない美男子である。髪色は私と同じ銀色で、目の色はお母様に似た深い群青色だ。すらりとした長身で、優し気な印象の非の打ちどころのない貴公子なのだが、浮いた話は一つもない。
 それもこれも、妹である私が愛らしく美しすぎたのがいけなかった。
 結果的にお兄様の性癖を歪めてしまったのである。

「おはよう、私のリディ。今日も天使のように愛らしいね!」

 お兄様は私の両脇の下に手を入れると、徐に私の体を抱き上げてくるくると回った。
 私が愛らしいというのは空が青いですねというぐらい当たり前の事なので、私はにこやかに誉め言葉を受け取って、お兄様の好きなようにさせている。重たい愛を受け入れるのも、美しく産まれた者にとっての宿命であり義務である。

「おはようございます、お兄様。クライブも、二人揃ってどうしたのです?」

 クライブは執事長を務めながらソレイユお兄様の補佐もしている、まだ齢二十五を過ぎたばかりの若いが有能な男である。黒髪を全て後ろに流して、一寸の乱れなくフォンテーヌ家から支給されている執事服を着ている、あまり表情の変わらない男だ。お兄様には劣るが、整った顔立ちをしていると言える。愛想がないのが玉に瑕である。
 十五歳で婚姻を結んでも良いとされている王国では二人とも少々行き遅れているという年齢ではあるのだが、クライブはクライブで「ソレイユ様とリディス様より先に家庭を持つことはできません。優先順位が変わってしまうのはよろしくない」と常日頃から言っている。生真面目なのだ。

「リディス様、本日も女神の様にお美しく、お可愛らしい。今日も無事にリディス様のお顔が拝見できたことを、神に感謝しなければ」

 お兄様の手から降ろされた私の手を取って、クライブが恭しく礼をする。
 何度も言うが私が女神のように美しく可愛いのは、冬が寒いというぐらい当たり前の事なので、毎日繰り返し言わなくても別に構わないのだ。クライブは言いたいらしいので、私はにこやかに受け入れてあげているのだが、時々話が進まなくて面倒だなと思う事もある。
 私だって人間なので、そういう日もある。

「それで、どうしましたの?」

「あぁ、ディス。今日は王立学園に入学する日だろう。お兄様は寂しいよ……、すっかり大人になってしまって、もう準備もできているんだね」

 お兄様が、私が部屋に置いておいた出立用の鞄を見てそういった。
 あぁ、そうか。
 今日はそういう日だったのか。カミ様も随分ぎりぎりの日付で時間を巻き戻したものだ。女には色々な準備があるのだから、できれば入学一か月前に戻すべきだろう。まったく、気がきかない。
 ちょっと腹が立ったが、私は優しいので許してあげる事にした。カミシールはまだ子供なので、女のあれそれは理解できないのだろう。

「リディス様、あと数刻もすれば、ラファエル様が迎えに参りますよ。お食事をすませてしまいましょう。それが終わったら、どうか私に女神の髪を結う許可をお与えください。本当はずっと傍につきリディス様のお世話をさせて頂きたいのですが、王立学園の住居には女のメイドしか出入りできないのです。今となっては男に産まれてしまったこの身を呪いたい」

「クライブ、髪は任せますわ。それと、私はあなたの見た目が気に入っています、そのままのクライブでいてくださいまし」

 クライブの気持ちはよく分かるが、彼はとても有能なのでフォンテーヌ家の執事長でいてもらわなければお兄様たちが困るだろう。彼の両手を掴んで微笑むと、クライブは涙ぐんだ。隣ではお兄様が「ディスはなんて優しいんだ、お兄様の手も握っておくれ」などと言っている。
 私は愛を出し惜しまないので、きちんとお兄様の手も握ってあげた。
 そういえば、本来私は死んでしまっていたのだが、その後この方たちは大丈夫だったのだろうか。時間が戻ったので問題ないと言えばそうなのだが、私を失ったら自殺しかねないのではないかと思う。
 やはり私はお兄様とクライブの為にも、最上級の幸せを手に入れなければいけない。
 その為には王立学園ではなく、魔族の住む国へいかなければ。きちんと言ってからお別れするのが、愛する者たちへの礼儀というものだ。
 私は広間に案内されて長テーブルに置かれた椅子に座り、流れるように朝食が一皿づつ出てくるのを美味しくいただきながら、目の前に座ってにこにこと私を見ているお兄様に話すことにした。

「お兄様、相談がありますの」

「可愛いディスの相談に乗れるなんて、光栄な事だね」

「私、魔族の王と結婚しようと思いますのよ」

 お兄様は笑顔のまま凍り付いた。
 とても器用だ。

「……どうしたんだい、急に。ラファエルはどうするの、ディス?」

「ええ、沢山考えましたのよ。公爵家には古くから、伝承がありますでしょう。皆様口には出しませんが、魔族の方に怯えて暮らしておりますわよね。それは、国境争いをする他国よりも、ずっと大きな脅威だからですわ。見えないものほど怖い、分からないものほど怖いものです。ですから、私は魔族の方と人との橋渡しの役目をしたいと思っておりますのよ」

 まさか一度死んだからなどとは言えない。
 そんなことを言おうものなら、お兄様が今はまだ無実のラファエル様やハミルトンをどうにかしかねないからだ。
 私は賢い美少女なので、きちんとそのあたりも弁えている。

「ディスがそんなことをする必要はない。それに、争いがあったのだってもう千年も前の事だろう、嘘か本当か分からないじゃないか」

「お兄様は次期御当主なので知っておりますでしょう。それは、本当の事だと」

「……だとしても、それはディスの役割じゃない」

「お兄様、あなたのディスはとても賢く、美しく、愛らしいのでしょう? 私ならば、きっと魔族の方を深く愛し、その心を開く事ができますわ。これは、フォンテーヌ公爵家に女神の様に美しく産まれたリディス・アマリア・フォンテーヌの役割なのです。天命なのですわ」

 私がきっぱり言い切ると、お兄様は頭を抱えた。
 私が言いだしたことは最後までやり遂げる性格であることを、お兄様はよく知っているのだ。

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない

魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。 そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。 ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。 イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。 ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。 いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。 離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。 「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」 予想外の溺愛が始まってしまう! (世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!

私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。 「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?

悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。

香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。 皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。 さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。 しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。 それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!

白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。 辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。 夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆  異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です) 《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆ 

気配消し令嬢の失敗

かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。 15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。 ※王子は曾祖母コンです。 ※ユリアは悪役令嬢ではありません。 ※タグを少し修正しました。 初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン

【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!

美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』  そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。  目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。  なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。  元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。  ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。  いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。  なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。  このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。  悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。  ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――

残念な顔だとバカにされていた私が隣国の王子様に見初められました

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
公爵令嬢アンジェリカは六歳の誕生日までは天使のように可愛らしい子供だった。ところが突然、ロバのような顔になってしまう。残念な姿に成長した『残念姫』と呼ばれるアンジェリカ。友達は男爵家のウォルターただ一人。そんなある日、隣国から素敵な王子様が留学してきて……

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

処理中です...