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2章 「まこ庵」での日々
第4話 ランチタイムのひととき
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「まこ庵」が開店し、1ヶ月ほどが経った。5月に入ってGWも終わり、陽気が暖かくなってきている。
まだ席が全て埋まったことは無く、それを思うと経営は順調とは言えないかも知れない。だが2回以上ランチに来てくれる女性客がいたりと、これから繁盛する展望が見えていた。
ランチは女性が喜びそうな、写真を撮ってSNSにアップしてもらえそうな見た目の盛り付けを意識した。
小ぶりなどんぶり鉢にどんぶりご飯を作り、その手前に半月状に鉢を囲う様に、5種類のお惣菜の小鉢を置くのだ。どんぶりも小鉢も基本は日替わりだ。
今日のどんぶりは木の葉丼にし、小鉢はうすいえんどうの煮浸しと水茄子の塩昆布漬け、アスパラガスのピクルスとしろ菜のごま炒め、牛肉のしぐれ煮である。
今日は「いかにも春」なお献立となった。だがこれはたまたまである。旬の食材を使えれば良いなと思ってはいるが、基本は発注のときに求めやすいお値段のものになる。
例えば大阪で多いと言えばお好み焼き屋やたこ焼き屋だが、これらはある程度材料が固定されている。お好み焼きならきゃべつ、たこ焼きならたこ、そして小麦粉と卵は必要不可欠である。
なので、材料が高かろうが安かろうが、替えが無いのである。特に生鮮食品は日々価格が上下する。天候や自然災害、鳥インフルエンザなどでも左右されるのだ。
その点、「まこ庵」のお惣菜は食材を柔軟に選ぶことができるので、価格が変動しづらいきのこ類やこんにゃく、練り物などもばんばん使う。例えお野菜が高騰してしまっても、それがコストカットになるのだ。
あまりコストコストと言いたくは無いのだが、経営者として切っては切れないものである。なにせここは、大阪市内とはいえ下町のあびこである。良心的な価格設定が肝なのだ。
雅玖などは「コストは気にしなくて良いですよ」と言ってくれるのだが、そういうわけにはいかない。せめて黒字経営ができる様に心を砕くのが、経営者の大きな役目なのである。
こういうことを教えてくれたのは、前職の料理長だった。1ヶ月の間に、料理長はお料理以外のことも時間いっぱい教えてくれた。
お店の経営そのものは店長や事務方が行なっていたのだが、料理長も材料費に関しては大いに関わっていた。発注書を作成するのは料理長なのである。
割烹は「贅を尽くしたお料理を出す」お店ではある。だがお客の注文に応じて臨機応変にお料理をしなければならず、食材の仕入れは読めないことも多い。なので季節や天候に応じて、少しでもロスが出ない様に苦心しなければならないのだ。
料理長は「かじったぐらいやけどな」と前置きしながら、知識を惜しみなく真琴に与えてくれたのだ。お料理に関しても、お店を切り盛りするのに効率の良いやり方などを教えてくれた。
そこは真琴がもともと夢としていた小料理屋と通じる部分だ。だから和カフェでランチをしようとしたとき、日替わり1本に絞ったのである。
それでもやはり、あまりは出てしまうものである。ティタイムに提供するスイーツも同じだ。
しかし「まこ庵」の場合、不必要なロスは出ないのだ。なぜなら、夜に訪れるあやかしたちが食べ尽くしてくれるからである。
ランチで余ってしまったお惣菜は夜まで冷蔵庫で保存し、お皿に盛り付けて、ビュッフェ形式でカウンタに出すのである。量によっては作り足しもするし、あやかしのリクエストがあれば作ったりもする。
ランチのお客の食べ残しもそうだが、食を生業にしている真琴としては、食べるものを捨てるのは心が痛み、酷い罪悪感に苛まれる。これも飲食店経営の葛藤なのだなとつくづく思う。
それが少なくて済むのは本当に助かる。しかもあやかしたちは、真琴のお料理を本当においしそうに食べてくれる。
「子どもたちに会えて、真琴さまのお料理までいただけて、これを一石二鳥って言うんですかね」
こんなことを言ってくれるあやかしもいるのだ。何とも料理人冥利に尽きるでは無いか。
今日のお惣菜も、余れば夜に回すことになる。最近ではわざと余る様に作っているぐらいだ。自分で言うのも何だが、いつでも真琴は自信作のつもりでお料理をしている。美味しくできたら、ランチのお客にはもちろん、あやかしたちにも食べて欲しいのだ。
そんなことを思いながら、木の葉丼の卵をかまぼこが煮えた丼用フライパンに回し入れ、ふつふつと火が通るのを待ち、2回目の卵を流し入れた。
半熟の状態でどんぶりのご飯の上に滑らせ、三つ葉を飾った。木製のトレイに木の葉丼を置き、周りにお惣菜を入れた小鉢を並べた。
「はい、里李さん、1番テーブルのお客さま、よろしく」
真琴は朗らかに言ったのだが。
里李と呼ばれた黒髪の若い男性は、ぎろりと真琴を睨み付けた。
「にやにやしてるんじゃねぇですよ」
男性はカウンタに置いたランチをひったくる様に持ち上げると、2人掛けテーブルにひとりで掛ける女性のお客に運んで行った。
「はい、本日のランチ、お待たせしましたー」
そう言う男性の顔と声は、真琴に向けたものとは打って変わって、とてもにこやかだった。見事な変わり身の早さである。
この男性、真琴がさっき呼んだ通り、里李という名である。真琴はこの「まこ庵」を、しばらくはひとりでどうにかするつもりだった。オープン間も無くはお客もそう来ないだろうと思ったし、どうにかなると思ったのだ。
だがテーブル席があることもあってひとりでは難しく、雅玖に助けを求め、ホールを手伝ってもらったりした。
そうすると家のことと子どもたちのお世話が難しくなり、ならば、と雅玖が連れてきてくれたのだ。なので黒髪なのだが白狐のあやかしである。
そして美貌である。雅玖ほどでは無いのだが、人間の感覚で言うとやはり規格外。スタイルも雅玖同様モデル並みだ。
この里李さん、雅玖のお世話係だったそうだ。雅玖が真琴と結婚し、一応はお役御免となっていた。そして次にお世話をするあやかしの誕生を待つ身となっていたのだ。
里李さんは「雅玖さまのためなら!」と喜び勇んでこの「まこ庵」に入ってくれたわけだが、雅玖のことが好きなあまり、真琴のことがどうにも気に入らない様で、しばしば悪態を吐くのである。
真琴としては雅玖に恋愛感情があるわけでは無いし、お仕事さえきちんとしてくれれば文句は無い。お客に聞かれたら困るかな、と思うぐらい。
とりあえずお客への愛想は良いし、今のところ何ら問題は無いのだった。
まだ席が全て埋まったことは無く、それを思うと経営は順調とは言えないかも知れない。だが2回以上ランチに来てくれる女性客がいたりと、これから繁盛する展望が見えていた。
ランチは女性が喜びそうな、写真を撮ってSNSにアップしてもらえそうな見た目の盛り付けを意識した。
小ぶりなどんぶり鉢にどんぶりご飯を作り、その手前に半月状に鉢を囲う様に、5種類のお惣菜の小鉢を置くのだ。どんぶりも小鉢も基本は日替わりだ。
今日のどんぶりは木の葉丼にし、小鉢はうすいえんどうの煮浸しと水茄子の塩昆布漬け、アスパラガスのピクルスとしろ菜のごま炒め、牛肉のしぐれ煮である。
今日は「いかにも春」なお献立となった。だがこれはたまたまである。旬の食材を使えれば良いなと思ってはいるが、基本は発注のときに求めやすいお値段のものになる。
例えば大阪で多いと言えばお好み焼き屋やたこ焼き屋だが、これらはある程度材料が固定されている。お好み焼きならきゃべつ、たこ焼きならたこ、そして小麦粉と卵は必要不可欠である。
なので、材料が高かろうが安かろうが、替えが無いのである。特に生鮮食品は日々価格が上下する。天候や自然災害、鳥インフルエンザなどでも左右されるのだ。
その点、「まこ庵」のお惣菜は食材を柔軟に選ぶことができるので、価格が変動しづらいきのこ類やこんにゃく、練り物などもばんばん使う。例えお野菜が高騰してしまっても、それがコストカットになるのだ。
あまりコストコストと言いたくは無いのだが、経営者として切っては切れないものである。なにせここは、大阪市内とはいえ下町のあびこである。良心的な価格設定が肝なのだ。
雅玖などは「コストは気にしなくて良いですよ」と言ってくれるのだが、そういうわけにはいかない。せめて黒字経営ができる様に心を砕くのが、経営者の大きな役目なのである。
こういうことを教えてくれたのは、前職の料理長だった。1ヶ月の間に、料理長はお料理以外のことも時間いっぱい教えてくれた。
お店の経営そのものは店長や事務方が行なっていたのだが、料理長も材料費に関しては大いに関わっていた。発注書を作成するのは料理長なのである。
割烹は「贅を尽くしたお料理を出す」お店ではある。だがお客の注文に応じて臨機応変にお料理をしなければならず、食材の仕入れは読めないことも多い。なので季節や天候に応じて、少しでもロスが出ない様に苦心しなければならないのだ。
料理長は「かじったぐらいやけどな」と前置きしながら、知識を惜しみなく真琴に与えてくれたのだ。お料理に関しても、お店を切り盛りするのに効率の良いやり方などを教えてくれた。
そこは真琴がもともと夢としていた小料理屋と通じる部分だ。だから和カフェでランチをしようとしたとき、日替わり1本に絞ったのである。
それでもやはり、あまりは出てしまうものである。ティタイムに提供するスイーツも同じだ。
しかし「まこ庵」の場合、不必要なロスは出ないのだ。なぜなら、夜に訪れるあやかしたちが食べ尽くしてくれるからである。
ランチで余ってしまったお惣菜は夜まで冷蔵庫で保存し、お皿に盛り付けて、ビュッフェ形式でカウンタに出すのである。量によっては作り足しもするし、あやかしのリクエストがあれば作ったりもする。
ランチのお客の食べ残しもそうだが、食を生業にしている真琴としては、食べるものを捨てるのは心が痛み、酷い罪悪感に苛まれる。これも飲食店経営の葛藤なのだなとつくづく思う。
それが少なくて済むのは本当に助かる。しかもあやかしたちは、真琴のお料理を本当においしそうに食べてくれる。
「子どもたちに会えて、真琴さまのお料理までいただけて、これを一石二鳥って言うんですかね」
こんなことを言ってくれるあやかしもいるのだ。何とも料理人冥利に尽きるでは無いか。
今日のお惣菜も、余れば夜に回すことになる。最近ではわざと余る様に作っているぐらいだ。自分で言うのも何だが、いつでも真琴は自信作のつもりでお料理をしている。美味しくできたら、ランチのお客にはもちろん、あやかしたちにも食べて欲しいのだ。
そんなことを思いながら、木の葉丼の卵をかまぼこが煮えた丼用フライパンに回し入れ、ふつふつと火が通るのを待ち、2回目の卵を流し入れた。
半熟の状態でどんぶりのご飯の上に滑らせ、三つ葉を飾った。木製のトレイに木の葉丼を置き、周りにお惣菜を入れた小鉢を並べた。
「はい、里李さん、1番テーブルのお客さま、よろしく」
真琴は朗らかに言ったのだが。
里李と呼ばれた黒髪の若い男性は、ぎろりと真琴を睨み付けた。
「にやにやしてるんじゃねぇですよ」
男性はカウンタに置いたランチをひったくる様に持ち上げると、2人掛けテーブルにひとりで掛ける女性のお客に運んで行った。
「はい、本日のランチ、お待たせしましたー」
そう言う男性の顔と声は、真琴に向けたものとは打って変わって、とてもにこやかだった。見事な変わり身の早さである。
この男性、真琴がさっき呼んだ通り、里李という名である。真琴はこの「まこ庵」を、しばらくはひとりでどうにかするつもりだった。オープン間も無くはお客もそう来ないだろうと思ったし、どうにかなると思ったのだ。
だがテーブル席があることもあってひとりでは難しく、雅玖に助けを求め、ホールを手伝ってもらったりした。
そうすると家のことと子どもたちのお世話が難しくなり、ならば、と雅玖が連れてきてくれたのだ。なので黒髪なのだが白狐のあやかしである。
そして美貌である。雅玖ほどでは無いのだが、人間の感覚で言うとやはり規格外。スタイルも雅玖同様モデル並みだ。
この里李さん、雅玖のお世話係だったそうだ。雅玖が真琴と結婚し、一応はお役御免となっていた。そして次にお世話をするあやかしの誕生を待つ身となっていたのだ。
里李さんは「雅玖さまのためなら!」と喜び勇んでこの「まこ庵」に入ってくれたわけだが、雅玖のことが好きなあまり、真琴のことがどうにも気に入らない様で、しばしば悪態を吐くのである。
真琴としては雅玖に恋愛感情があるわけでは無いし、お仕事さえきちんとしてくれれば文句は無い。お客に聞かれたら困るかな、と思うぐらい。
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