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#78 田んぼの作り方(その5、穴掘り)
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さて、漸く、と言う程時間は掛かっていない筈だが、重量にそう感じさせながら、田んぼ予定地に到着した。
全員荷車を外し、大きく息を吐く。屈強そうなガイたちにとっても重たかった様だ。
「重たかったっすね! イチくん大丈夫っすか?」
ジェンが息を荒くしている壱を気遣ってくれる。
「重たかったですね。でも大丈夫ですよ。ありがとうございます」
「なら良かったっす!」
「イチさん細いから、重労働しんどいんじゃ無いですかー?」
ナイルの台詞に、壱は軽く首を振った。
「いえいえ。どうも俺は筋肉が付きにくいみたいで。実家の商売は立ち仕事で、それなりに体力はあるつもりです。食堂でも立ち仕事ですしね」
「ああ、それは確かに」
ガイが加わる。
「でもイチくん、無理は禁物ですよ。イチくんには村人の為に美味しい食事を作ると言う大事な役目があるんですから」
サユリの加護があるとは言え、どうして誰もかれもこんな良い人ばかりなのか。壱は胸が暖かくなる。
「ありがとうございます。では早速、田んぼ作りを始めましょう。ええと、まず」
壱は切り替えて、ボトムのポケットからメモを取り出した。
「まずは、浅く穴を掘ります。掘り出した土も後で使いますので。エリアを決めなきゃいけませんね。サユリ、この空き地内だったらどこに作っても大丈夫なのか?」
「大丈夫カピ」
「じゃあ、端から行こうかな。ええと」
壱は荷車から長い角材を取ると、もう1台の荷台からも煉瓦をひとつ取り、角材の端に合わせて沿わせると、煉瓦の長辺に1センチほどをプラスした長さに、角材に印を付ける。
壱がこの世界に来る時に持っていたボディバッグに入れていた油性マジックである。何せインクが有限なものだから、ここぞと言う時に取っておかねばと、これまで使わずに置いておいたのだ。
そこで、あ、これもサユリの魔法に頼れば無限に使える様になるかも、と思う。
今は、それはともかく。
それを繰り返し、角材のもう片方の端まで。
「ふう」
終わると、息を吐く。
「イチくん、それは?」
ガイが訊いて来る。
「スケールです。今回は出来た煉瓦の個数に合わせて田んぼを作ろうと思うんです。なので、各辺に必要な煉瓦の数を出して来ました。煉瓦の長さに合わせて、エリアを決めます」
「成る程っす!」
ジェンが幾度と頷く。
「段取りが悪くてすいません。出来たこのスケールを」
地面に起き、シャベルの先端で角材に沿って線を深めに引く。次に板材を取り、引いた線に合わせて置く。その辺と直角に当たる辺に角材スケールの端を合わせ、線を伸ばして引いて行く。
ガイたちは興味深げに壱の作業を見つめていた。が、やはり人柄故か。
「俺たちに出来る事ありますか?」
そう訊いてくれる。
「あ、じゃあ、ガイさんはシャベルで線を引いて行ってください。ジェンさんは板材を持っていて貰って良いですか?」
「解りました」
「おいっす」
ふたりは壱の指示の通りに動いてくれる。そうだ、こうして一緒にやれば良いのだ。
壱はこう言う、所謂「人を使う」と言う事に慣れていない。実家の味噌蔵でもアルバイト先でも、壱は下っ端だったのだ。
しかしこれからの事を思うと、それにも慣れて行かなければならないだろう。
そうして1片が出来上がる。次の辺を引く前に、まずは直角を出す為に板材を使い、それに沿って角材を置き、線を引く。
それを繰り返し、田んぼのエリアが決まった。
「では、エリアに沿って穴を掘って行きましょう。そんなに深く無くて大丈夫です。掘り出した土はまた後で使いますので」
「はーい」
みんなはシャベルを手にし、引いた線が消えてしまわない様に注意しながら、端から穴を掘って行く。勿論壱も。
サユリはそれらの作業を見守りながら、セメントの袋の上で寛いでいた。
全員荷車を外し、大きく息を吐く。屈強そうなガイたちにとっても重たかった様だ。
「重たかったっすね! イチくん大丈夫っすか?」
ジェンが息を荒くしている壱を気遣ってくれる。
「重たかったですね。でも大丈夫ですよ。ありがとうございます」
「なら良かったっす!」
「イチさん細いから、重労働しんどいんじゃ無いですかー?」
ナイルの台詞に、壱は軽く首を振った。
「いえいえ。どうも俺は筋肉が付きにくいみたいで。実家の商売は立ち仕事で、それなりに体力はあるつもりです。食堂でも立ち仕事ですしね」
「ああ、それは確かに」
ガイが加わる。
「でもイチくん、無理は禁物ですよ。イチくんには村人の為に美味しい食事を作ると言う大事な役目があるんですから」
サユリの加護があるとは言え、どうして誰もかれもこんな良い人ばかりなのか。壱は胸が暖かくなる。
「ありがとうございます。では早速、田んぼ作りを始めましょう。ええと、まず」
壱は切り替えて、ボトムのポケットからメモを取り出した。
「まずは、浅く穴を掘ります。掘り出した土も後で使いますので。エリアを決めなきゃいけませんね。サユリ、この空き地内だったらどこに作っても大丈夫なのか?」
「大丈夫カピ」
「じゃあ、端から行こうかな。ええと」
壱は荷車から長い角材を取ると、もう1台の荷台からも煉瓦をひとつ取り、角材の端に合わせて沿わせると、煉瓦の長辺に1センチほどをプラスした長さに、角材に印を付ける。
壱がこの世界に来る時に持っていたボディバッグに入れていた油性マジックである。何せインクが有限なものだから、ここぞと言う時に取っておかねばと、これまで使わずに置いておいたのだ。
そこで、あ、これもサユリの魔法に頼れば無限に使える様になるかも、と思う。
今は、それはともかく。
それを繰り返し、角材のもう片方の端まで。
「ふう」
終わると、息を吐く。
「イチくん、それは?」
ガイが訊いて来る。
「スケールです。今回は出来た煉瓦の個数に合わせて田んぼを作ろうと思うんです。なので、各辺に必要な煉瓦の数を出して来ました。煉瓦の長さに合わせて、エリアを決めます」
「成る程っす!」
ジェンが幾度と頷く。
「段取りが悪くてすいません。出来たこのスケールを」
地面に起き、シャベルの先端で角材に沿って線を深めに引く。次に板材を取り、引いた線に合わせて置く。その辺と直角に当たる辺に角材スケールの端を合わせ、線を伸ばして引いて行く。
ガイたちは興味深げに壱の作業を見つめていた。が、やはり人柄故か。
「俺たちに出来る事ありますか?」
そう訊いてくれる。
「あ、じゃあ、ガイさんはシャベルで線を引いて行ってください。ジェンさんは板材を持っていて貰って良いですか?」
「解りました」
「おいっす」
ふたりは壱の指示の通りに動いてくれる。そうだ、こうして一緒にやれば良いのだ。
壱はこう言う、所謂「人を使う」と言う事に慣れていない。実家の味噌蔵でもアルバイト先でも、壱は下っ端だったのだ。
しかしこれからの事を思うと、それにも慣れて行かなければならないだろう。
そうして1片が出来上がる。次の辺を引く前に、まずは直角を出す為に板材を使い、それに沿って角材を置き、線を引く。
それを繰り返し、田んぼのエリアが決まった。
「では、エリアに沿って穴を掘って行きましょう。そんなに深く無くて大丈夫です。掘り出した土はまた後で使いますので」
「はーい」
みんなはシャベルを手にし、引いた線が消えてしまわない様に注意しながら、端から穴を掘って行く。勿論壱も。
サユリはそれらの作業を見守りながら、セメントの袋の上で寛いでいた。
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