異世界もふもふ食堂〜僕と爺ちゃんと魔法使い仔カピバラの味噌スローライフ〜

山いい奈

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#133 ほっこりティタイム

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 洗濯と掃除を終え、壱はダイニングにて、珈琲こーひーで一息。サユリも一緒である。

 壱が家事をしている間、サユリは壱の部屋のベッドでくつろいでいた。そんなサユリは皿に入れられたミルクをちびりと。

 茂造は紅茶が好きな様であるが、壱は珈琲が好みである。両方ともこの村では栽培されていないので、街で買って来る。

 茂造はずっと紅茶だけを買っていたのだが、壱をこの世界に呼ぶと決まってから、買っておいてくれたのだそう。

 壱の好みが判らなかったからである。

 実際壱は珈琲の方が好きであった。紅茶も美味しいと思うのだが、元の世界でもあまり飲む事は無かった。紅茶党の妹がれてくれた時に飲むくらいだったか。

 しかし、この世界では珈琲1杯れるのも、なかなか手間なのである。

 壱たちの世界には、インスタントコーヒーと言う便利なものがあるが、この世界には無い。

 豆を買ってくか、挽いてあるものを買って、ドリップするのだ。

 その時に使うフィルターが、今でこそペーパーだが、以前は布だったらしい。なので今はかなり楽になったとは思うが、それでも家でドリップする事など無かったので、壱には手間に感じるのだ。

 しかし小振りのドリッパーから直接カップにドリップ出来るので、洗い物などは紅茶を淹れるのと変わらない。そう思うと我がままも言うまい。

 そうして入れた珈琲も、カップに残っているのはあと1口ほど。その頃に茂造が戻って来た。

「ただいまの」

「じいちゃんお帰り。ノルドさんの家は? あ、紅茶淹れようか」

「それは嬉しいのう、よろしくの。うむ、ノルドの家の改装の算段は立ったぞい。その辺りはロビンたちに任せておけば大丈夫じゃ。彼らは職人じゃからのう」

「そうだね」

 壱は茂造の紅茶と、珈琲のおかわりを煎れる為に、カップを手に立ち上がる。ついでに残りを飲み干した。サユリの皿を見ると、こちらも残り少なかった。

「サユリもミルク、おかわりる?」

「頼むカピ」

 壱は薬缶やかんに水を入れて強火に掛けると、紅茶用のポットを出し、茶葉を入れる。

 次に珈琲のドリッパーにペーパーフィルターをセットし、珈琲の粉を入れておく。

 そしてサユリの皿にミルクを足してやる。

「ありがとうカピ」

「うん」

 その頃には湯も沸いて来る。壱はまず紅茶のポットに湯を入れる。

 次に珈琲。少量注いでまずは粉を蒸らし、そして追加の湯を注いで行く。

 珈琲が落ち切る頃には、紅茶も抽出されているので、カップに注ぎ、茂造の前に置いた。

「ありがとうのう」

「うん」

 そして珈琲にはミルクを入れ、ミルク珈琲を作る。普段はブラックで飲んでいるが、たまには変化があっても良い。

 椅子に掛け、1口。うん、甘くて美味しい。全くの無調整であるミルクの味が濃いので、程々の量で美味しいミルク珈琲が出来上がるのである。

 砂糖などは入れない。元々珈琲もブラックで飲むので、その方が好みだと言うのもあるが、ミルクの甘みで充分なのだ。

「ふむ、紅茶も旨いが、また緑茶や麦茶も飲みたいのう」

 茂造がカップを傾けながら、小さく息を吐く。

「紅茶と緑茶、ほうじ茶とか、葉そのものは同じもので、加工方法が違うだけだったよ確か。葉があれば作れるかも知れないよ」

「何と」

 茂造が驚いた様に眼を見開く。

「麦茶も、この村で麦を育ててんだから、作れる筈だよ。多分乾煎からいりで作れると思うんだけど。また調べておこうか?」

「頼んで良いかのう。飲めたら嬉しいのう」

 茂造の頬が緩む。壱も日本人なので、緑茶も麦茶もほうじ茶も飲んでいたし好きだが、年代的に茂造の方が身近にあっただろうし、好きなのだと思う。

 今は、食事中は水、食後にミルクを飲んでいるが、麦茶などは食事中にも合うお茶なので、作ってみても良いだろう。

 さて、その頃にはミルク珈琲も残り少ない。時計を見ると、そろそろ夜営業の仕込み時間になろうとしていた。

「じいちゃん、そろそろ」

「おお、そうじゃな。仕込みに入るかの」

「俺洗い物してから行くから、先に行ってて」

「おお、ありがとうの。サユリさんはどうするかの?」

「我は壱と行くカピ」

「解ったぞい。ではまた後での」

 茂造は言うと、厨房に降りて行った。

「さて、と」

 壱は洗い物を始める。出涸らしをゴミ箱に入れ、スポンジ代わりの厚手の布に洗剤を付け、泡立てた。
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