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#186 焼うどんの朝ご飯
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一夜明け、壱はまた朝食を作る為にキッチンに立つ。
今朝は米を仕掛けていない。代わりに使うのは小麦粉である。
ボウルに小麦粉、塩少々、水を入れて、力を込めて練って行く。
しっかりと纏まったら、綺麗に丸めて寝かせておく。
その間に他の食材を取りに厨房へ。冷蔵庫から豚肉、棚からきゃべつ、玉ねぎ、人参を取り出す。裏庭からは玉ねぎの苗を。
上に戻り、早速下拵え開始。まずは大きな鍋に水を張り、火に掛ける。
次に、玉ねぎは櫛切り、きゃべつはざく切り、人参は短冊切り、玉ねぎの苗は小口切り、豚肉は薄切りにして一口大にし、塩と白ワインを揉み込んで下味を付けておく。
さて、寝かせておいた小麦粉の塊を再度練る。力を込めて、掌で押し付ける様にして伸ばし、纏めては伸ばしを繰り返す。
鍋を見ると、そろそろ湯が沸いて来た。
台と小麦粉の塊に打ち粉をして、綿棒で四角く伸ばして行く。厚さが5ミリほどになったら蛇腹に折り畳み、端から8ミリ程の幅に切って行く。
麺状になったそれを、湯が沸いた鍋に入れて茹でる。麺同士がくっつかない様に菜箸で解してから、麺が湯の中で踊る様に、だが吹き零れない様に火加減を調節して。
さて、合わせ調味料を作る。味噌を水でクリーム状になる様に解き、砂糖を加える。
続けて鰹節を引き削りにしておく。
さて、調理開始。フライパンを火に掛け、温まったらオリーブオイルを引き、まずは豚肉を炒める。
しっかりと火が通って色が変わったら人参、玉ねぎを入れる。玉ねぎがしんなりして来たらきゃべつを加え、塩を振り、更に炒めて行く。
さて、そろそろ麺が茹で上がる時間だ。フライパンの火を止めておき、麺をざるに開け、しっかりと水洗い。麺同士を擦り合わせる様にして滑りをしっかりと取る。
後は仕上げなので、サユリたちが起きて来てからするとしよう。その間に洗い物を済ませておく。
すると茂造がキッチンに顔を出した。足元には眠たそうなサユリ。
「おはようの。今朝もありがとうの」
「おはようカピ」
「おはよう。すぐ出来るよ」
「ほいほい。じゃあ儂は支度をして来るからの」
茂造は洗面所に。サユリはテーブルの上へ。
フライパンを再び火に掛けて炒め直す。温まったら水をしっかりと切った麺を入れる。
具と麺がしっかりと絡む様に混ぜながら炒め、合わせ調味料を入れ、更に炒めて行く。
芳ばしい香りが立って来たら鰹節を入れ、ざっと混ぜる。
皿に盛って、玉ねぎの小口切りをぱらりと振る。
焼うどんの完成である。
今日は汁物は無しで勘弁して貰おう。
「ほう、味噌の芳ばしい匂いがするのう。焼うどんじゃの?」
茂造が嬉しそうに鼻を寄せる。サユリも鼻をひくつかせた。
「うどんと言うものは焼く事も出来るのだカピか」
「そうそう。焼いても美味しいよ。味付けもね、これは普通の味噌使ったけど、赤味噌にしたらまた変わるし」
「それもまた作ると良いカピよ」
「うん。今度ね」
フンと鼻を鳴らすサユリに、壱は微笑んだ。
「ではいただくかの」
「いただくカピ」
「いただきます」
箸でうどんと具を合わせて持ち上げ、口に運ぶ。うどんのコシはなかなか。手で捏ねるしかしていない事を思えば、充分及第点だろう。
問題は味である。うん、砂糖が入っている事もあって、合わせ調味料を入れた後は焦げやすかったのだが、それが良い味わいを出している。
鰹節も良い仕事をしている。我ながら素晴らしい味付けである。
「うんうん、旨いのう。やはり味噌が芳ばしくて良いのう」
茂造が嬉しそうに頷くと、サユリもふんふんと鼻を鳴らす。
「ふむ、焼いたうどんもなかなか良いカピ」
「気に入ってくれた? なら嬉しいな」
壱は嬉しくなって、ふんわりと微笑んだ。
さて、食べ終わったら、また慌ただしい1日が始まる。
この世界に来てからの1番の懸念が晴れたので、心は晴れやかだ。
と言いつつ、実際は普段の忙しさや楽しさに埋もれて、スマートフォンを眼にしなければ思い出す事が少なかったのではあるのだが。
これからは家族を安心させる為にも、出来る限りまめにメッセージを送る事にしよう。
まずは米の苗の水遣りからだ。みんなで世話をしているお陰で、かなり伸びて来た。もうそろそろ田んぼに植えられるだろうか。
そうなると田んぼに水を張らなければ。
「ごちそうさま!」
壱は空の皿を前に、手を合わせた。
今朝は米を仕掛けていない。代わりに使うのは小麦粉である。
ボウルに小麦粉、塩少々、水を入れて、力を込めて練って行く。
しっかりと纏まったら、綺麗に丸めて寝かせておく。
その間に他の食材を取りに厨房へ。冷蔵庫から豚肉、棚からきゃべつ、玉ねぎ、人参を取り出す。裏庭からは玉ねぎの苗を。
上に戻り、早速下拵え開始。まずは大きな鍋に水を張り、火に掛ける。
次に、玉ねぎは櫛切り、きゃべつはざく切り、人参は短冊切り、玉ねぎの苗は小口切り、豚肉は薄切りにして一口大にし、塩と白ワインを揉み込んで下味を付けておく。
さて、寝かせておいた小麦粉の塊を再度練る。力を込めて、掌で押し付ける様にして伸ばし、纏めては伸ばしを繰り返す。
鍋を見ると、そろそろ湯が沸いて来た。
台と小麦粉の塊に打ち粉をして、綿棒で四角く伸ばして行く。厚さが5ミリほどになったら蛇腹に折り畳み、端から8ミリ程の幅に切って行く。
麺状になったそれを、湯が沸いた鍋に入れて茹でる。麺同士がくっつかない様に菜箸で解してから、麺が湯の中で踊る様に、だが吹き零れない様に火加減を調節して。
さて、合わせ調味料を作る。味噌を水でクリーム状になる様に解き、砂糖を加える。
続けて鰹節を引き削りにしておく。
さて、調理開始。フライパンを火に掛け、温まったらオリーブオイルを引き、まずは豚肉を炒める。
しっかりと火が通って色が変わったら人参、玉ねぎを入れる。玉ねぎがしんなりして来たらきゃべつを加え、塩を振り、更に炒めて行く。
さて、そろそろ麺が茹で上がる時間だ。フライパンの火を止めておき、麺をざるに開け、しっかりと水洗い。麺同士を擦り合わせる様にして滑りをしっかりと取る。
後は仕上げなので、サユリたちが起きて来てからするとしよう。その間に洗い物を済ませておく。
すると茂造がキッチンに顔を出した。足元には眠たそうなサユリ。
「おはようの。今朝もありがとうの」
「おはようカピ」
「おはよう。すぐ出来るよ」
「ほいほい。じゃあ儂は支度をして来るからの」
茂造は洗面所に。サユリはテーブルの上へ。
フライパンを再び火に掛けて炒め直す。温まったら水をしっかりと切った麺を入れる。
具と麺がしっかりと絡む様に混ぜながら炒め、合わせ調味料を入れ、更に炒めて行く。
芳ばしい香りが立って来たら鰹節を入れ、ざっと混ぜる。
皿に盛って、玉ねぎの小口切りをぱらりと振る。
焼うどんの完成である。
今日は汁物は無しで勘弁して貰おう。
「ほう、味噌の芳ばしい匂いがするのう。焼うどんじゃの?」
茂造が嬉しそうに鼻を寄せる。サユリも鼻をひくつかせた。
「うどんと言うものは焼く事も出来るのだカピか」
「そうそう。焼いても美味しいよ。味付けもね、これは普通の味噌使ったけど、赤味噌にしたらまた変わるし」
「それもまた作ると良いカピよ」
「うん。今度ね」
フンと鼻を鳴らすサユリに、壱は微笑んだ。
「ではいただくかの」
「いただくカピ」
「いただきます」
箸でうどんと具を合わせて持ち上げ、口に運ぶ。うどんのコシはなかなか。手で捏ねるしかしていない事を思えば、充分及第点だろう。
問題は味である。うん、砂糖が入っている事もあって、合わせ調味料を入れた後は焦げやすかったのだが、それが良い味わいを出している。
鰹節も良い仕事をしている。我ながら素晴らしい味付けである。
「うんうん、旨いのう。やはり味噌が芳ばしくて良いのう」
茂造が嬉しそうに頷くと、サユリもふんふんと鼻を鳴らす。
「ふむ、焼いたうどんもなかなか良いカピ」
「気に入ってくれた? なら嬉しいな」
壱は嬉しくなって、ふんわりと微笑んだ。
さて、食べ終わったら、また慌ただしい1日が始まる。
この世界に来てからの1番の懸念が晴れたので、心は晴れやかだ。
と言いつつ、実際は普段の忙しさや楽しさに埋もれて、スマートフォンを眼にしなければ思い出す事が少なかったのではあるのだが。
これからは家族を安心させる為にも、出来る限りまめにメッセージを送る事にしよう。
まずは米の苗の水遣りからだ。みんなで世話をしているお陰で、かなり伸びて来た。もうそろそろ田んぼに植えられるだろうか。
そうなると田んぼに水を張らなければ。
「ごちそうさま!」
壱は空の皿を前に、手を合わせた。
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