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#04 懐かしい味
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「まず、ハーブじゃな。この村で作っているから、様々な種類があるぞ。あとは胡椒。他のスパイスはカレーが作れるやつを作ってもらっておる」
「ハーブ……焼いた肉に香りを付けるくらいしか思い付かないんだけど」
「まさにその使い方がメインじゃな。サラダも出来るぞ。オリーブオイルでな。あと、ここは海が近いでな、塩も作っておる。主食は麦じゃな。米は無いんじゃ」
他に様々な食料を説明されたが、それはおいおい記して行く事にするとして。
「じゃあ、日本食は食べられないんだ」
「そうじゃな」
茂造が挙げた調味料の中に、味噌や醤油など、日本食に欠かせない調味料は含まれていなかった。特に味噌が味わえないのは壱にとって痛かった。
「なぁじいちゃん、味噌とか作れそうな豆類って何か無いかな」
「豆、そうじゃな、味噌は何の豆から作られるんじゃ?」
「大豆」
「大豆か。大豆、は無いのう。ひよこ豆、レンズ豆、枝豆……」
「それだ!」
「な、何じゃ?」
茂造が言い終わる前に壱が声を上げたものだから、茂造は驚いて眼を見開いた。
「それだよ枝豆! 枝豆がもっと育ったら大豆になるだろ」
「そうなのか? 先代がここに来た時、枝豆の種を買って帰る時だったとかでのう、ポケットに入っていたんじゃと。せっかくじゃからと植えたものが、今でも継がれとる。種は枝豆を収穫してからもっと待って茶色くなってから出来ているんじゃが、そうか、枝豆の種と大豆は同じものなのじゃな」
「厳密には枝豆用の種と大豆用の種は違うんだけどな、まぁそう思ってくれて良いよ。そっか、じゃあ味噌も醤油も、豆腐なんかも作れるな。よっしゃ、テンション上がって来た!」
壱が嬉しそうに拳を握ると、茂造もうんうんと頷いた。
「豆腐は嬉しいのう。この村は年中暖かくてな。枝豆は毎月種を撒いて、毎月収穫しておる。もちろん種もな。とりあえず、種を少し譲ってもらって、味噌なり豆腐なりを試作してみるかの?」
「味噌からな。それは譲らない」
壱が言うと、茂造はほっほっほっと笑いを上げる。
「好きなものから作るとええ。上手く行ったら大豆の栽培量を増やしてもらったりも出来るじゃろうし、味噌なんかを使った料理をこの食堂でも出せるかも知れん」
「じゃ、まずは麦麹を作らなきゃな。本当は米麹も欲しいとこだけど、米そのものが無いんだから仕方が無いか」
「壱よ、それなのだカピ」
サユリは言うと、右の前足を上げると何やらくるくると空中に何かを描く。するとそこに黒い円状のものが浮かび上がった。
サユリはその黒い円状に上げたままの前足を突っ込み、小さな布の巾着袋を引きずり出した。それを壱に突き出す。
「開けてみるカピ」
壱が言われた通りに袋を開け、その中身を少し掌に出してみる。茶色くて細長い、種子の様なものだった。どこかで見た事のある様な気がするが……
「何だっけ、これ」
「お米の種だカピ。農協とやらからちょこっと失敬してきたカピ」
種もみか。確かテレビで見た事がある。いや、それよりも。
「何しれっと泥棒してんだ!」
壱が突っ込むが、サユリはどこ吹く風。
「夜中にちょいちょいとカピ。少しぐらいならバレないカピよ。ほんの100粒ほどカピ」
「そりゃそうかも知れないけどさ」
「茂造がたまに溜め息吐きながら言っていたカピ。「米が食いたいのう」と。だから土産カピ」
「おおサユリさん、ありがとうなぁ!」
茂造がサユリをまるで女神かの様に見つめる。
しかし100粒で食べられる分はどれだけ収穫出来るのか。そしてこの村の気候に合うのか。田んぼも整備しなければ。
「育て方は我が覚えて来たから安心するカピ。米は夏から秋に掛けて育てるものだから、気候も問題無いと思うカピよ。最終的には育てるのも希望者を募るカピ。村民は好奇心旺盛なのが多いから、大丈夫カピ」
「それは助かるし良いんだけどさ、100粒だと実ってもそんな多くは無いだろ」
「それも大丈夫カピ。種の段階で我の魔法で増やすカピ」
「そんな事出来るの!?」
「出来るカピ。我は魔法で大概の事が出来るカピよ」
サユリが胸を張る様に、フンと鼻息を吐く。それなら食べる分も充分確保出来そうだ。
「白米楽しみじゃなぁ。こっちに来てから食べられなかったからのぅ」
真っ白でふっくら。ほかほかと湯気の上がるご飯を思い出しているのか、茂造は眼を細める。
「なら、我の時間魔法で、とりあえずこの100粒を育ててみるカピか?」
サユリの台詞に、壱と茂造は顔を見合わせて首を傾げた。
「ハーブ……焼いた肉に香りを付けるくらいしか思い付かないんだけど」
「まさにその使い方がメインじゃな。サラダも出来るぞ。オリーブオイルでな。あと、ここは海が近いでな、塩も作っておる。主食は麦じゃな。米は無いんじゃ」
他に様々な食料を説明されたが、それはおいおい記して行く事にするとして。
「じゃあ、日本食は食べられないんだ」
「そうじゃな」
茂造が挙げた調味料の中に、味噌や醤油など、日本食に欠かせない調味料は含まれていなかった。特に味噌が味わえないのは壱にとって痛かった。
「なぁじいちゃん、味噌とか作れそうな豆類って何か無いかな」
「豆、そうじゃな、味噌は何の豆から作られるんじゃ?」
「大豆」
「大豆か。大豆、は無いのう。ひよこ豆、レンズ豆、枝豆……」
「それだ!」
「な、何じゃ?」
茂造が言い終わる前に壱が声を上げたものだから、茂造は驚いて眼を見開いた。
「それだよ枝豆! 枝豆がもっと育ったら大豆になるだろ」
「そうなのか? 先代がここに来た時、枝豆の種を買って帰る時だったとかでのう、ポケットに入っていたんじゃと。せっかくじゃからと植えたものが、今でも継がれとる。種は枝豆を収穫してからもっと待って茶色くなってから出来ているんじゃが、そうか、枝豆の種と大豆は同じものなのじゃな」
「厳密には枝豆用の種と大豆用の種は違うんだけどな、まぁそう思ってくれて良いよ。そっか、じゃあ味噌も醤油も、豆腐なんかも作れるな。よっしゃ、テンション上がって来た!」
壱が嬉しそうに拳を握ると、茂造もうんうんと頷いた。
「豆腐は嬉しいのう。この村は年中暖かくてな。枝豆は毎月種を撒いて、毎月収穫しておる。もちろん種もな。とりあえず、種を少し譲ってもらって、味噌なり豆腐なりを試作してみるかの?」
「味噌からな。それは譲らない」
壱が言うと、茂造はほっほっほっと笑いを上げる。
「好きなものから作るとええ。上手く行ったら大豆の栽培量を増やしてもらったりも出来るじゃろうし、味噌なんかを使った料理をこの食堂でも出せるかも知れん」
「じゃ、まずは麦麹を作らなきゃな。本当は米麹も欲しいとこだけど、米そのものが無いんだから仕方が無いか」
「壱よ、それなのだカピ」
サユリは言うと、右の前足を上げると何やらくるくると空中に何かを描く。するとそこに黒い円状のものが浮かび上がった。
サユリはその黒い円状に上げたままの前足を突っ込み、小さな布の巾着袋を引きずり出した。それを壱に突き出す。
「開けてみるカピ」
壱が言われた通りに袋を開け、その中身を少し掌に出してみる。茶色くて細長い、種子の様なものだった。どこかで見た事のある様な気がするが……
「何だっけ、これ」
「お米の種だカピ。農協とやらからちょこっと失敬してきたカピ」
種もみか。確かテレビで見た事がある。いや、それよりも。
「何しれっと泥棒してんだ!」
壱が突っ込むが、サユリはどこ吹く風。
「夜中にちょいちょいとカピ。少しぐらいならバレないカピよ。ほんの100粒ほどカピ」
「そりゃそうかも知れないけどさ」
「茂造がたまに溜め息吐きながら言っていたカピ。「米が食いたいのう」と。だから土産カピ」
「おおサユリさん、ありがとうなぁ!」
茂造がサユリをまるで女神かの様に見つめる。
しかし100粒で食べられる分はどれだけ収穫出来るのか。そしてこの村の気候に合うのか。田んぼも整備しなければ。
「育て方は我が覚えて来たから安心するカピ。米は夏から秋に掛けて育てるものだから、気候も問題無いと思うカピよ。最終的には育てるのも希望者を募るカピ。村民は好奇心旺盛なのが多いから、大丈夫カピ」
「それは助かるし良いんだけどさ、100粒だと実ってもそんな多くは無いだろ」
「それも大丈夫カピ。種の段階で我の魔法で増やすカピ」
「そんな事出来るの!?」
「出来るカピ。我は魔法で大概の事が出来るカピよ」
サユリが胸を張る様に、フンと鼻息を吐く。それなら食べる分も充分確保出来そうだ。
「白米楽しみじゃなぁ。こっちに来てから食べられなかったからのぅ」
真っ白でふっくら。ほかほかと湯気の上がるご飯を思い出しているのか、茂造は眼を細める。
「なら、我の時間魔法で、とりあえずこの100粒を育ててみるカピか?」
サユリの台詞に、壱と茂造は顔を見合わせて首を傾げた。
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