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#26 サユリの小さな真実
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銭湯に到着。男湯と女湯、そして個室に分かれている。女湯はマユリのみ。心が女性でも身体が男性のマーガレットは個室を使用。メリアンは女装しているだけなので、男湯である。
「サユリさんは、今夜はどうするかの?」
茂造が聞くと、サユリは少し考えた後、言った。
「うむ、今夜は湯を浴びるカピか。昨日は面倒で水浴びだけで済ませてしまったカピが、我も食堂で働く者として、常に清潔にしておかねばならないカピな」
「水浴びでも充分に綺麗になると思うがの。どれ、では洗ってやるかの」
「今夜は壱に頼むカピ。壱、我を洗う栄誉を与えるカピ」
「え、洗うって、俺が? て、いや、その前に、え?」
壱が慌てると、サユリが怪訝な表情で首を傾げた。
「何を狼狽えているカピか」
「え、だってサユリってメスじゃ」
最初サユリの声を聞いた時には、少年の様な声だと思った。だが幼い子どもの声は男の子も女の子も大した違いは無い。何せ名前がサユリだ。壱はメスだと疑っていなかったのだが。
「何を言っているカピ。我はれっきとしたオスカピ。ほら、鼻に立派な臭腺があるカピ」
「じゃあなんで名前がサユリって」
「我の名付け親は茂造カピ。それまでは適当にカピバラとか呼ばれていたカピ。誰も特に名付けようとはしなかったからカピな」
「それじゃあ呼ぶのに不便じゃと儂が付けたんじゃ」
「じいちゃんサユリがメスだと思ったのか?」
「いや、最初からオスじゃと聞いていたぞい」
「じゃあ何でサユリ」
「吉永小◯合さんは綺麗じゃろう?」
ああ……サユリスト……壱はつい遠い眼をしてしまった。
「サユリという名がお前たちの世界では女性の名前だと知っていたカピが、まぁ別にそこは拘るところでは無いカピ。名前があるのはなかなか気分が良いカピ。名付け親に拘りがあるなら、それで良いカピ」
「まぁ、サユリが納得してるなら」
サユリはオス、サユリなんて名前だけどオス。壱は頭に叩き込んだ。
銭湯の後は、全員で女性を家まで送る。治安の良い村ではあるが念の為。まずは銭湯から近いマーガレットから。女性扱いである。それからマユリ。メリアンは該当しない。
マユリが家の中に入るのを見届けてから、男性陣は解散である。
「じゃあ、また明日もよろしくの」
「はーい、お休みっす」
「お休みなさーい!」
身体を清めてさっぱりしたからか、カリルとメリアンは元気に挨拶し、サントは軽く頭を下げると、手を振る壱たちに見送られてそれぞれの家に向かって歩いて行った。
「さて、儂らも帰るかの」
食堂はもう近い。壱たちは昼よりは少し気温の下がった、心地良い夜風に吹かれながら、ゆっくりと帰途に着いた。
「で、サユリは今夜もここで寝るんだな」
茂造に就寝の挨拶をした後、当然の様に壱の後に付いて、部屋に入って来るサユリ。
「うむカピ。我はコンパクトだから、邪魔にはならない自信があるカピ」
「いいけどね。もしかしてまだ話が?」
「昨日言い忘れてた事があるカピ。この村の事なのだカピが」
「うん」
壱がベッドに掛けると、サユリも上に上がって来た。
「大半が前科者なのだカピ」
「は、はぁ!?」
しれっと紡がれた物騒な台詞に、そしてこれまでに感じていた村の印象に似つかわしく無い内容に、壱は驚いて声を上げた。
「サユリさんは、今夜はどうするかの?」
茂造が聞くと、サユリは少し考えた後、言った。
「うむ、今夜は湯を浴びるカピか。昨日は面倒で水浴びだけで済ませてしまったカピが、我も食堂で働く者として、常に清潔にしておかねばならないカピな」
「水浴びでも充分に綺麗になると思うがの。どれ、では洗ってやるかの」
「今夜は壱に頼むカピ。壱、我を洗う栄誉を与えるカピ」
「え、洗うって、俺が? て、いや、その前に、え?」
壱が慌てると、サユリが怪訝な表情で首を傾げた。
「何を狼狽えているカピか」
「え、だってサユリってメスじゃ」
最初サユリの声を聞いた時には、少年の様な声だと思った。だが幼い子どもの声は男の子も女の子も大した違いは無い。何せ名前がサユリだ。壱はメスだと疑っていなかったのだが。
「何を言っているカピ。我はれっきとしたオスカピ。ほら、鼻に立派な臭腺があるカピ」
「じゃあなんで名前がサユリって」
「我の名付け親は茂造カピ。それまでは適当にカピバラとか呼ばれていたカピ。誰も特に名付けようとはしなかったからカピな」
「それじゃあ呼ぶのに不便じゃと儂が付けたんじゃ」
「じいちゃんサユリがメスだと思ったのか?」
「いや、最初からオスじゃと聞いていたぞい」
「じゃあ何でサユリ」
「吉永小◯合さんは綺麗じゃろう?」
ああ……サユリスト……壱はつい遠い眼をしてしまった。
「サユリという名がお前たちの世界では女性の名前だと知っていたカピが、まぁ別にそこは拘るところでは無いカピ。名前があるのはなかなか気分が良いカピ。名付け親に拘りがあるなら、それで良いカピ」
「まぁ、サユリが納得してるなら」
サユリはオス、サユリなんて名前だけどオス。壱は頭に叩き込んだ。
銭湯の後は、全員で女性を家まで送る。治安の良い村ではあるが念の為。まずは銭湯から近いマーガレットから。女性扱いである。それからマユリ。メリアンは該当しない。
マユリが家の中に入るのを見届けてから、男性陣は解散である。
「じゃあ、また明日もよろしくの」
「はーい、お休みっす」
「お休みなさーい!」
身体を清めてさっぱりしたからか、カリルとメリアンは元気に挨拶し、サントは軽く頭を下げると、手を振る壱たちに見送られてそれぞれの家に向かって歩いて行った。
「さて、儂らも帰るかの」
食堂はもう近い。壱たちは昼よりは少し気温の下がった、心地良い夜風に吹かれながら、ゆっくりと帰途に着いた。
「で、サユリは今夜もここで寝るんだな」
茂造に就寝の挨拶をした後、当然の様に壱の後に付いて、部屋に入って来るサユリ。
「うむカピ。我はコンパクトだから、邪魔にはならない自信があるカピ」
「いいけどね。もしかしてまだ話が?」
「昨日言い忘れてた事があるカピ。この村の事なのだカピが」
「うん」
壱がベッドに掛けると、サユリも上に上がって来た。
「大半が前科者なのだカピ」
「は、はぁ!?」
しれっと紡がれた物騒な台詞に、そしてこれまでに感じていた村の印象に似つかわしく無い内容に、壱は驚いて声を上げた。
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