41 / 190
#41 トマトミートソースの作り方(コンソメのだしがら復活編)
しおりを挟む
壱はカリルに教えて貰いながら、トマトミートソース作りに取り掛かる。
「まず材料な。コンソメを作る時に使った出汁殼を使うんだ。それと牛肉とトマト。まずはトマトを角切りにするっと」
カリルが冷蔵庫から出して来た真っ赤に完熟したトマトを、ふたり掛かりで切って行き、ボウルに入れておく。勿論皮の湯剥きはしない。
「次は牛肉をミンチにするぞ。手間が掛かるけど、頑張れ!」
またふたり掛かりで、牛の塊肉を切って行く。まずは薄くスライスし、それを細い千切りにしてやって、次に微塵切りにする様に切って行く。最後には2本の包丁を使って、刃で叩く様に切って行く。
1度で大量に出来ないので、なかなか大変な作業だ。
「次は、コンソメを濾すんだ」
カリルは棚から大鍋とそれに合うサイズのザル、そして布を取る。
「時間掛かるけど、濁らない様にレードルで静かにな。出汁に使った肉なんかも全部残さずだぜ」
ふたり掛かりでコンソメの大鍋からレードルを使い、布を敷いたザルを置いた大鍋に丁寧に移して行く。
ザルを持ち上げると、大鍋には澄んだコンソメが。これはこれからポトフになる。ザルに残ったのが出汁殼だ。
「ここから玉ねぎの皮を避けてっと」
木べらで返しながら、玉ねぎの皮を丁寧に取り除く。これは味出しでは無く、色付けの為に入れている。
また新たな鍋を出しコンロに掛けると、オリーブオイルとにんにくの微塵切りを入れて、弱火に掛ける。
「にんにくの香りが出るまで弱火でじっくり炒めてな」
木べらを動かす。徐々にオリーブオイルが温まり、にんにくの回りにじわじわと小さな泡が沸いて来る。香りが立つまで時間はさほど掛からない。
「じゃあ、ここに牛肉とナツメグを入れて、ポロポロになる様に、しっかり炒めてな」
ボウルに入れていた牛ミンチを鍋に入れ、ナツメグを振る。火力を少し上げたら木べらで切りながら混ぜて炒めて行く。赤い色の身が次第にベージュに変わる。
「炒まったか? じゃ、ここに出汁殼を入れてな」
ザルを傾けて、出汁殼を鍋に移す。
コンソメを作る為にブイヨンに入れる種には、ミンチ状にした鶏肉、玉ねぎ、人参、セロリ、卵白を使う。
それらをハンバーグや肉団子などを作る時の様に良く捏ねて、ブイヨンに入れるのだ。
旨味が出てしまっていると思われがちだ。確かにスープにその旨味は移っている。だが同時に、出来たスープの旨味が出汁殻に含まれているのだ。なのでそれを使ってソースなどを作れば、コンソメの旨味も利用する事が出来る。
「牛ミンチと混ぜて、そこにトマトを入れるんだ」
壱はまた木べらを動かす。混ざったら、トマトを入れて、また混ぜる。
「トマトを潰す様にしてな。そうそう、巧い巧い」
木べらを立てて、トマトを更に細かくして行く。勿論混ぜる事も忘れない。
やがて鍋の端からくつくつと沸いて来ると、弱火に落とす。
「で、砂糖と塩と胡椒を入れて、と」
また混ぜる。
「ローリエとオレガノを入れて、時々かき混ぜながら煮込むっと。そんな難しくねーだろ?」
「これって、ブイヨンの出汁殼使ってるから、少しは楽が出来てるって事なのかな」
「そーだな。いちから作るんだったら、野菜を微塵切りにして、肉のミンチももっと要るなー。まぁコンソメ作る時に同じ作業してんだけど。これは、ブイヨンの出汁殼をムダにしない為に作る様になったんだってさ。本当に食べるものをムダにしないって凄げーよな」
「そうだな」
下拵えの時に向いた野菜の皮は、ブイヨン作りに使われる。村人が丹精込めて育てた野菜たち。少しでも無駄にしない様に。
それは恐らく、この村を興した時からのものなのだろう。たった3人と1匹から初始めて、助け合って来た。
森の恵みや海の恵みを頂き、やがて畑を作り、酪農を始め、それらの苦労を乗り越えて来た。なら食べ物を粗末になんて、絶対にしなかっただろう。
食べ物が豊富にあっても無くても、それはきっと人としても大事な事なのだろう。壱も良く母親に言われた。食べ物を粗末にしてはいけませんよ、と。食べ物を扱う商売をしているからこそ、余計に。
「まず材料な。コンソメを作る時に使った出汁殼を使うんだ。それと牛肉とトマト。まずはトマトを角切りにするっと」
カリルが冷蔵庫から出して来た真っ赤に完熟したトマトを、ふたり掛かりで切って行き、ボウルに入れておく。勿論皮の湯剥きはしない。
「次は牛肉をミンチにするぞ。手間が掛かるけど、頑張れ!」
またふたり掛かりで、牛の塊肉を切って行く。まずは薄くスライスし、それを細い千切りにしてやって、次に微塵切りにする様に切って行く。最後には2本の包丁を使って、刃で叩く様に切って行く。
1度で大量に出来ないので、なかなか大変な作業だ。
「次は、コンソメを濾すんだ」
カリルは棚から大鍋とそれに合うサイズのザル、そして布を取る。
「時間掛かるけど、濁らない様にレードルで静かにな。出汁に使った肉なんかも全部残さずだぜ」
ふたり掛かりでコンソメの大鍋からレードルを使い、布を敷いたザルを置いた大鍋に丁寧に移して行く。
ザルを持ち上げると、大鍋には澄んだコンソメが。これはこれからポトフになる。ザルに残ったのが出汁殼だ。
「ここから玉ねぎの皮を避けてっと」
木べらで返しながら、玉ねぎの皮を丁寧に取り除く。これは味出しでは無く、色付けの為に入れている。
また新たな鍋を出しコンロに掛けると、オリーブオイルとにんにくの微塵切りを入れて、弱火に掛ける。
「にんにくの香りが出るまで弱火でじっくり炒めてな」
木べらを動かす。徐々にオリーブオイルが温まり、にんにくの回りにじわじわと小さな泡が沸いて来る。香りが立つまで時間はさほど掛からない。
「じゃあ、ここに牛肉とナツメグを入れて、ポロポロになる様に、しっかり炒めてな」
ボウルに入れていた牛ミンチを鍋に入れ、ナツメグを振る。火力を少し上げたら木べらで切りながら混ぜて炒めて行く。赤い色の身が次第にベージュに変わる。
「炒まったか? じゃ、ここに出汁殼を入れてな」
ザルを傾けて、出汁殼を鍋に移す。
コンソメを作る為にブイヨンに入れる種には、ミンチ状にした鶏肉、玉ねぎ、人参、セロリ、卵白を使う。
それらをハンバーグや肉団子などを作る時の様に良く捏ねて、ブイヨンに入れるのだ。
旨味が出てしまっていると思われがちだ。確かにスープにその旨味は移っている。だが同時に、出来たスープの旨味が出汁殻に含まれているのだ。なのでそれを使ってソースなどを作れば、コンソメの旨味も利用する事が出来る。
「牛ミンチと混ぜて、そこにトマトを入れるんだ」
壱はまた木べらを動かす。混ざったら、トマトを入れて、また混ぜる。
「トマトを潰す様にしてな。そうそう、巧い巧い」
木べらを立てて、トマトを更に細かくして行く。勿論混ぜる事も忘れない。
やがて鍋の端からくつくつと沸いて来ると、弱火に落とす。
「で、砂糖と塩と胡椒を入れて、と」
また混ぜる。
「ローリエとオレガノを入れて、時々かき混ぜながら煮込むっと。そんな難しくねーだろ?」
「これって、ブイヨンの出汁殼使ってるから、少しは楽が出来てるって事なのかな」
「そーだな。いちから作るんだったら、野菜を微塵切りにして、肉のミンチももっと要るなー。まぁコンソメ作る時に同じ作業してんだけど。これは、ブイヨンの出汁殼をムダにしない為に作る様になったんだってさ。本当に食べるものをムダにしないって凄げーよな」
「そうだな」
下拵えの時に向いた野菜の皮は、ブイヨン作りに使われる。村人が丹精込めて育てた野菜たち。少しでも無駄にしない様に。
それは恐らく、この村を興した時からのものなのだろう。たった3人と1匹から初始めて、助け合って来た。
森の恵みや海の恵みを頂き、やがて畑を作り、酪農を始め、それらの苦労を乗り越えて来た。なら食べ物を粗末になんて、絶対にしなかっただろう。
食べ物が豊富にあっても無くても、それはきっと人としても大事な事なのだろう。壱も良く母親に言われた。食べ物を粗末にしてはいけませんよ、と。食べ物を扱う商売をしているからこそ、余計に。
12
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。
かの
ファンタジー
孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。
ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる