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「男装の麗娘」
第147話「兄妹」
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-リマ ニドスの家-
ゴンサロ・デ・ロス・ニドスは
フランシスコ・ピサロが存命の時や、
ピサロ暗殺後も父と遺恨のあったディエゴ・アルマグロと敵対し、
ピサロ一族へ貢献した。
が、ある日ニドスの居住区で先住民が凄惨な虐待される事件が起きた。
ニドスは隣人から濡れ衣を着せられた為、口論となった。
その時ニドスを庇った同郷の者が、非難してきた1人を殺害してしまう。
その為、皇帝から同郷の者の罪の赦しを請う為に本土へ一旦帰国する事になる。
そして本土に戻った際、妹達を連れ再び新大陸へ渡ってきた。
しかし到着した頃には、インディアス新法が施行されており、
日々の生活すらままならない状態となった。
そこで、ゴンサロが政府に反旗を翻した事に賛同し配下となり、窮地を救われた。
ニドスの妹の1人は嫁ぐ事になり、
リマではニドスともう1人の妹のメンシア・デ・ロス・ニドスと二人暮らしをしていた。
ニドスは今だ独身のメンシアだけが唯一の気掛かりであった。
メンシアは兄と同様手足が長く、
均整のとれた美しい顔をしていた。
そして流石に兄ほどではないが、
ほとんどの男はメンシアを見上げなくてはならない程、長身だった。
また、甲冑を着込んでいる事も多く、
その容姿からニドス弟と呼ぶ者さえいた。
それゆえに、貰い手がいなかった。
メンシア「兄さま、これは?」
テーブルには、沢山の金貨の入った袋が置いてあった。
ニドス「私は今度の戦いで死ぬことになるだろう。」
メンシア「兄さま程の人が何を弱気な・・」
ニドス「今やゴンサロ様の軍とスペイン政府では
戦にならないぐらい差がある。
私たちによくしてくださったベニート様でさえ、
政府側についた。」
メンシア「それなら兄さまも政府側につけば・・」
「それは出来ぬ。
この金はゴンサロ様から直接私に渡されたものだ。
先のイニャキート、ウアリナの戦から
私をいたくかって頂き
これ程の大金をくださったのだ。
この恩には報いなくてはならぬ。」
メンシア「それで私にこのお金を・・」
ニドス「もし何か困った事があった時は
ベニート様を頼ると良い。
ベニート様がこちらを去る前にお前の事を頼んでおいた。」
メンシア「もうどうにもならないのですか?」
ニドスは視線を落とした。
ニドス「これは私の責任だ。
お前までここへ連れてきてしまった事への。
そして最も気掛かりなのはお前の事だ、メンシア。」
メンシア「兄さま、私は大丈夫です。」
ニドス「確かにお前は女ではあるが腕が立つし、聡明だ。
きっと逞しく生きていけるだろう。
もし男だったら名を残す英雄になっていたかもしれぬ位にな。」
メンシア「クスッ。
兄さまがそんな冗談をおっしゃるなんて。」
ニドス「大げさな事を言ってしまったが、だからこそ心配なのだ。
例え何が起こったとしても、
政府に復讐など考えないで欲しい。」
メンシア「・・」
ニドス「私は
父上の遺恨を晴らす為、アルマグロと敵対し
多くの者を手にかけてきた。
ただ、憎しみの連鎖は深まるばかり・・」
メンシア「兄さま・・」
ニドス「例え私の身にどんな事があろうとも、
私は政府を恨む事はない。
お前まで恨みの連鎖を歩む人生を送って欲しくはない。
お前は良き伴侶を得て、幸せに暮らして欲しい。
・・私の願い、叶えてくれぬか?」
メンシア「分かりました。
けれど、私は兄さまとは違うのですよ。
私を貰ってくれる方なんて・・」
ニドス「大丈夫だ。
きっとお前の良さを分かってくれる方が現れる。
少なくとも私は
お前がとても素敵な女性に感じる。」
ゴンサロ・デ・ロス・ニドスは
フランシスコ・ピサロが存命の時や、
ピサロ暗殺後も父と遺恨のあったディエゴ・アルマグロと敵対し、
ピサロ一族へ貢献した。
が、ある日ニドスの居住区で先住民が凄惨な虐待される事件が起きた。
ニドスは隣人から濡れ衣を着せられた為、口論となった。
その時ニドスを庇った同郷の者が、非難してきた1人を殺害してしまう。
その為、皇帝から同郷の者の罪の赦しを請う為に本土へ一旦帰国する事になる。
そして本土に戻った際、妹達を連れ再び新大陸へ渡ってきた。
しかし到着した頃には、インディアス新法が施行されており、
日々の生活すらままならない状態となった。
そこで、ゴンサロが政府に反旗を翻した事に賛同し配下となり、窮地を救われた。
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そして流石に兄ほどではないが、
ほとんどの男はメンシアを見上げなくてはならない程、長身だった。
また、甲冑を着込んでいる事も多く、
その容姿からニドス弟と呼ぶ者さえいた。
それゆえに、貰い手がいなかった。
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テーブルには、沢山の金貨の入った袋が置いてあった。
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メンシア「兄さま程の人が何を弱気な・・」
ニドス「今やゴンサロ様の軍とスペイン政府では
戦にならないぐらい差がある。
私たちによくしてくださったベニート様でさえ、
政府側についた。」
メンシア「それなら兄さまも政府側につけば・・」
「それは出来ぬ。
この金はゴンサロ様から直接私に渡されたものだ。
先のイニャキート、ウアリナの戦から
私をいたくかって頂き
これ程の大金をくださったのだ。
この恩には報いなくてはならぬ。」
メンシア「それで私にこのお金を・・」
ニドス「もし何か困った事があった時は
ベニート様を頼ると良い。
ベニート様がこちらを去る前にお前の事を頼んでおいた。」
メンシア「もうどうにもならないのですか?」
ニドスは視線を落とした。
ニドス「これは私の責任だ。
お前までここへ連れてきてしまった事への。
そして最も気掛かりなのはお前の事だ、メンシア。」
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