【アラウコの叫び 】第4巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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「炎の馴れ初め」

第171話「救出と阻止」

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その時だった、
どこからともなく銃声が聞こえた。

バルディビア馬から勢いよくイネス目掛けて飛んでいた。

バルディビアの身体は銃弾をかすりながら、イネスを覆う様に倒れ込んだ。

チュンッ!

アルデレテは、予めバルディビアの背後に盾を投げ込み、
銃弾を防いだ。

バルディビアより、5馬身ほど遅れて到着したアルデレテはあたりを見渡した。
どうやらウーゴと残り手下たちは、皆銃弾を受け絶命していた。

アルデレテ(口封じか・・
とは言え、バルディビア様にも銃口を向けておったな・・)

バルディビア「大丈夫か?」

イネスは無言で頷いた。

アルデレテは銃声の鳴った方へ駆けていく。

バルディビア達は起き上がり辺りを見渡した。

そしてバルディビアは、転がる死体に目をやると
多くもの者が同じ様な太刀筋で絶命している事に気が付いた。

バルディビア「これは・・其方がやったのか?」

イネス「剣の心得があるもので・・」

バルディビア「凄まじいのぅ。
この様な使い手、我が配下にもそうはいない。」

バルディビアはイネスの強さに感嘆し、
力強くイネスの腕を握った。

イネス「っ痛・・」

バルディビア「すまぬ・・
とりあえず、手当てをせねば。」

しばらくすると、アルデレテがバルディビアの元へ戻ってきた。

アルデレテ「バルディビア様!
申し訳ございません。
1人捕まえたのですが
その直後奴らから銃撃を浴び、
殺されてしまいました。」

バルディビア「そうか。」

パカラパカラパカラ・・
やっとカセレス一向が到着したが、既に何もかも終わっていた。

カセレス「何もお役に立てず申し訳ございません。」

バルディビア「何を言っておられる。
こんなにも早く殲滅できたのは、貴君の助太刀があったからですぞ。」

カセレスは、その言で察した。
「早く殲滅・・なるほど。私共が加わった事で、向こうの背後の力が作戦を変え、口封じを・・」

バルディビア「ほう、カセレス殿とワシは
意思疎通が容易な間柄になれそうじゃのぅ。」

カセレスは、謙虚でありながら上品な笑みを見せた。

アルデレテはカメレオンの様な大きな目を細め、口を歪めた。

カセレスは改めて辺りを見渡した。
「そちらの方の使用人たちも深手を追ってる者も何人もいる様ですね。
せめて、私どもに彼らの手当てをさせてもらえませんか?」

バルディビア
「ほう、気が効くのぅ。よろしく頼む。」

カセレス「かしこまりました。」

カセレスたちはイネスの使用人達の手当てをすぐさま始めた。


イネス「バルディビア様、
貴方の家がなくなったのは、私のせいでございます。」

バルディビア「気にするな、
ワシは幾つも家や土地を持っておる。」

イネス「こんな事ぐらいしか、今はお返しできませぬが。
今夜は私の部屋でお休みください。」

バルディビア「お気遣いは無用。
ワシはすぐそこのアルデレテの家に泊まりますので。」

アルデレテは表情一つ変えず即座に言葉を返した。
「バルディビア様、

生憎私の家は引っ越ししたばかりで、私一人しか寝れませぬ!」

バルディビア「そ、そうか・・
ではイネス殿お言葉に甘えて、
其方の傷の手当てを兼ねて、泊まらせていただく。」




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