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傑物の交錯
第58話「聴取」
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-数ヶ月前 砦付近(1544年 ラウタロ11歳)-
バタッ
マルコス「!
あそこで人が倒れているぞ!」
そこには傷だらけのラウタロがいた。
マルコス「おい!大丈夫か?
見た所、この辺りの先住民か。
年は僕と同じくらい。」
「どうしたんだ?こりゃ酷い怪我だな。
とりあえず上に知らせてくる。」
外の警備にあたっていた、グディエルという者がマルコスに話しかけた。
ラウタロが目を開けると、真っ暗な暗室にいる様だった。
手には足枷と手枷がはまめられており、側には水の入った器が置かれていた。
ラウタロは器の水を一気に飲み干した。
「あっ!気付いたみたいよ!」
少女の明るい声が聞こえる。
そばかす混じりの愛くるしい少女の名はフワナという。
グディエル「おいおい、フワナ。
またそいつを見にきてたのか?」
フワナ「大丈夫よ!
鉄格子の中なんだし。」
グディエルノ「そんなにそいつらに関心があるのか?」
フワナ「だって貴方たちと違って、私は戦場に行かないんだから。
しかもヤナコナ達とも違う珍しい服装してるし。」
グディエル「なんだお前?
この薄着の姿に関心があるのか?物好きだな笑
そんなんだったら、俺の肌を見せてやるぞ?」
フワナ「何バカな事言ってるの?
私は服のデザインに興味があるのよ。」
グディエル「だよな。まさか原住民にそういう関心抱くなんて、狂人ゴンサロも真っ青だぜ。」
フワナ「何て下品なの!」
グディエル「へいへい、失礼しました。狂女フワナ様。」
フワナ「グディエル~!!
ほんとに怒るわよ!!」
グディエル「ごめんごめん。
愛しすぎて、嫉妬してしまったんだよ。」
フワナ「笑笑
よく言うわ。」
グディエル「とりあえず、上に報告してくるわ。」
ラウタロはまだボーとしたまま辺りを眺めている。
フワナはラウタロに笑顔で鉄格子越しに手を振った。
フワナ「あっ、手振ってくれた!」
ラウタロは、朦朧としながら見よう見まねで手を振りかえした。
コツコツ
「ほう、やっと起きた様だな。」
オロがネイラと兵を引き連れてやってきた。
兵の1人にニナもいた。
兵士に鉄格子を開けさせ中に入ると、ラウタロを見つめた。
少々間を置き、オロがニナに耳打ちした。
ニナがマプチェ語で話した。
「お前はマプチェ族か?」
ラウタロ「はい。」
ニナ「お前は何をしにここに来た?」
ラウタロ「私は下僕の立場の者です。
あちらでの生活に嫌気がさして、逃げていた所です。」
ニナ「ほう、非戦闘要員か。
なぜ傷だらけだったのだ?」
ラウタロ「実は苛烈な折檻を受けて、それが私に逃亡を決断させました。」
ネイラは研ぎ澄ました感覚を悟られない様にしつつ、ラウタロをじっと観察している。
ニナはオロに耳打ちした。
オロ「ふむ。まあ、痛々しい傷がこやつの悲惨さを物語っておるわ。
この者の話はほんとであろう。」
オロはニナに耳打ちした。
ニナ「ここには遥か海から渡ってきた王国の人々が住んでおる。
この地の荒廃ぶりを嘆き、救いに来て下さったのだ。」
ラウタロ「はあ。」
ニナ「お前もマプチェ族の暮らしにはうんざりなのであろう。
ここで、素晴らしい文化を学び生活してみぬか?」
バタッ
マルコス「!
あそこで人が倒れているぞ!」
そこには傷だらけのラウタロがいた。
マルコス「おい!大丈夫か?
見た所、この辺りの先住民か。
年は僕と同じくらい。」
「どうしたんだ?こりゃ酷い怪我だな。
とりあえず上に知らせてくる。」
外の警備にあたっていた、グディエルという者がマルコスに話しかけた。
ラウタロが目を開けると、真っ暗な暗室にいる様だった。
手には足枷と手枷がはまめられており、側には水の入った器が置かれていた。
ラウタロは器の水を一気に飲み干した。
「あっ!気付いたみたいよ!」
少女の明るい声が聞こえる。
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またそいつを見にきてたのか?」
フワナ「大丈夫よ!
鉄格子の中なんだし。」
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フワナ「だって貴方たちと違って、私は戦場に行かないんだから。
しかもヤナコナ達とも違う珍しい服装してるし。」
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そんなんだったら、俺の肌を見せてやるぞ?」
フワナ「何バカな事言ってるの?
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フワナ「何て下品なの!」
グディエル「へいへい、失礼しました。狂女フワナ様。」
フワナ「グディエル~!!
ほんとに怒るわよ!!」
グディエル「ごめんごめん。
愛しすぎて、嫉妬してしまったんだよ。」
フワナ「笑笑
よく言うわ。」
グディエル「とりあえず、上に報告してくるわ。」
ラウタロはまだボーとしたまま辺りを眺めている。
フワナはラウタロに笑顔で鉄格子越しに手を振った。
フワナ「あっ、手振ってくれた!」
ラウタロは、朦朧としながら見よう見まねで手を振りかえした。
コツコツ
「ほう、やっと起きた様だな。」
オロがネイラと兵を引き連れてやってきた。
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兵士に鉄格子を開けさせ中に入ると、ラウタロを見つめた。
少々間を置き、オロがニナに耳打ちした。
ニナがマプチェ語で話した。
「お前はマプチェ族か?」
ラウタロ「はい。」
ニナ「お前は何をしにここに来た?」
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