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傑物の交錯
第59話「運命との交錯」
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ラウタロ「私の様な者を拾ってくださるのですか?
しかし私は腕も立ちませんし、お役に立てるかどうか・・」
ニナ「お前らの地では、強さこそ全てだったな。
ここはそんな事はない、お前が役立てるものが何かしらある。」
ラウタロ「そんな素晴らしい場所があるなんて、
何でもしますので、どうか私をここにいさせてください。」
ニナはオロに耳打ちした。
オロ「そうか。
これはバルディビア殿の期待に応えられる逸材やもしれぬな。」
ネイラ「オロ様
ひとまず数ヶ月は枷を付けたまま雑務をさせて様子を見てはいかがでしょうか?」
オロ「そうだな。
念には念を入れた方がよいだろう。」
そう言うとオロは回りの者たちを引き連れて、部屋を出て行った。
オロ「ネイラよ、あの者をどうみる?」
ネイラ「あの者の目には
多少異質な雰囲気が漂ってはおりました。」
オロ「やはりか、私もそれを感じた。」
ネイラ「ただ、言動や怪我の具合から見て
不審な点は特にありませんでした。」
オロ「ほう。」
ネイラ「私が調べたマプチェ族の情報から推測して、
あの者は非戦闘員であってもおかしくはありません。」
-2ヶ月後-
ラウタロはヤナコナの労働者達に交じり雑用をこなしている。
「ラ・セレナの建設は順調か?」
「はい。ペドロ・デ・ビジャグラ殿とベルガラ親子に任せておりますので、防衛面でも問題ないでしょう。」
身分の高そうな男達が作業場の横を通る。
彼らはバルディビアとアルデレテだった。
「所でマプチェ族のあの小僧はどうしてる?」
「おとなしく働いてるそうで。
確か丁度ここら・・」
アルデレテの話の途中で、割って入る声がした。
「お呼びになりましたか?」
バルディビア「ん?!
今あの作業場から声がしなかったか?」
「今声を出したのは私です。」
ラウタロは片言のスペイン語を話した。
バルディビア達は呆気に取られた。
バルディビア「なんと!
こやつスペイン語を話しておる!!
確かここきて2ヶ月のやつであろう。」
ドカっ
アルデレテは、ものすごい勢いで駆け寄りラウタロを殴りつけた。
「こいつ、断り無しにバルディビア様に話しかけるなんて!」
ラウタロ(こいつはあの時の・・)
「まあよい、アルデレテ。
これは興味深い、こやつと少し話してみたいのう。」
バルディビアは、ゆっくりとラウタロの側に寄って、まじまじとラウタロを見ていた。
アルデレテ「しかし・・」
バルディビア「お前、なぜワシらの言葉を話せる?」
ラウタロ「ここで皆様が話しているのを聞いて、少しづつ言葉が分かってきました。」
バルディビア「ほう。確かマプチェ族だったな、お前は。」
ラウタロ「はい。」
バルディビア「お前達は言語を習得する能力に長けておるのか?」
ラウタロ「いえ、マプチェ族は戦闘民族です。
戦闘は苦手ですが、物を覚えるのは得意でした。」
アルデレテは怪訝そうな顔をしている。
バルディビア「ほう。確かに前こづいたあの小僧みたいのが、ほとんどなんだろうな。」
ラウタロは眉ひとつ動かさず、考えを巡らした。
(ナウエルの事か?
しかし、今その話を聞き出すのは得策ではない。
まだ、機会はある。)
バルディビアは少し間を置き、口を開いた。
「ふむ。アルデレテ、明日ポゾ神父の所にこやつを連れて行くぞ。」
アルデレテ「まさか、バルディビア様・・」
バルディビア「おまえに新たな人生を与えてやる。」
ラウタロ「はあ・・新たな人生ですか?」
「まあ、明日分かる。
でわ行くぞ、アルデレテ。」
バルディビアはそう言うと、その場を後にした。
しかし私は腕も立ちませんし、お役に立てるかどうか・・」
ニナ「お前らの地では、強さこそ全てだったな。
ここはそんな事はない、お前が役立てるものが何かしらある。」
ラウタロ「そんな素晴らしい場所があるなんて、
何でもしますので、どうか私をここにいさせてください。」
ニナはオロに耳打ちした。
オロ「そうか。
これはバルディビア殿の期待に応えられる逸材やもしれぬな。」
ネイラ「オロ様
ひとまず数ヶ月は枷を付けたまま雑務をさせて様子を見てはいかがでしょうか?」
オロ「そうだな。
念には念を入れた方がよいだろう。」
そう言うとオロは回りの者たちを引き連れて、部屋を出て行った。
オロ「ネイラよ、あの者をどうみる?」
ネイラ「あの者の目には
多少異質な雰囲気が漂ってはおりました。」
オロ「やはりか、私もそれを感じた。」
ネイラ「ただ、言動や怪我の具合から見て
不審な点は特にありませんでした。」
オロ「ほう。」
ネイラ「私が調べたマプチェ族の情報から推測して、
あの者は非戦闘員であってもおかしくはありません。」
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「はい。ペドロ・デ・ビジャグラ殿とベルガラ親子に任せておりますので、防衛面でも問題ないでしょう。」
身分の高そうな男達が作業場の横を通る。
彼らはバルディビアとアルデレテだった。
「所でマプチェ族のあの小僧はどうしてる?」
「おとなしく働いてるそうで。
確か丁度ここら・・」
アルデレテの話の途中で、割って入る声がした。
「お呼びになりましたか?」
バルディビア「ん?!
今あの作業場から声がしなかったか?」
「今声を出したのは私です。」
ラウタロは片言のスペイン語を話した。
バルディビア達は呆気に取られた。
バルディビア「なんと!
こやつスペイン語を話しておる!!
確かここきて2ヶ月のやつであろう。」
ドカっ
アルデレテは、ものすごい勢いで駆け寄りラウタロを殴りつけた。
「こいつ、断り無しにバルディビア様に話しかけるなんて!」
ラウタロ(こいつはあの時の・・)
「まあよい、アルデレテ。
これは興味深い、こやつと少し話してみたいのう。」
バルディビアは、ゆっくりとラウタロの側に寄って、まじまじとラウタロを見ていた。
アルデレテ「しかし・・」
バルディビア「お前、なぜワシらの言葉を話せる?」
ラウタロ「ここで皆様が話しているのを聞いて、少しづつ言葉が分かってきました。」
バルディビア「ほう。確かマプチェ族だったな、お前は。」
ラウタロ「はい。」
バルディビア「お前達は言語を習得する能力に長けておるのか?」
ラウタロ「いえ、マプチェ族は戦闘民族です。
戦闘は苦手ですが、物を覚えるのは得意でした。」
アルデレテは怪訝そうな顔をしている。
バルディビア「ほう。確かに前こづいたあの小僧みたいのが、ほとんどなんだろうな。」
ラウタロは眉ひとつ動かさず、考えを巡らした。
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しかし、今その話を聞き出すのは得策ではない。
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バルディビア「おまえに新たな人生を与えてやる。」
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「まあ、明日分かる。
でわ行くぞ、アルデレテ。」
バルディビアはそう言うと、その場を後にした。
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