【アラウコの叫び 】第2巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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傑物の交錯

第60話「洗礼」

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バルディビア「のうアルデレテ、あやつは使えるぞ。」
 
アルデレテ「将来の神輿にする気ですか?」
 
バルディビア「察しが良いな。
新法の件もある、先手先手で手を打つ必要がある。」
 
アルデレテ「しかし、いささかあやつの頭の良さが気になります。
2ヶ月足らずで我々の言葉を片言とはいえ話せるなど、尋常じゃありませぬ。
前の一件もありますし、あのマプチェの小僧の様に猫をかぶっているやもしれませぬ。」
 
バルディビア「お前の懸念も分かる。
ただ、コリャスーユの件も見事ワシの思惑通りだったろう?」
 
アルデレテ「はい、結果として見事な采配だったと私も思いました。
しかし、インカの奴らと違いマプチェというのはまだ得体がしれませぬ。」
 
バルディビア「ハハ、心配するな。あやつの経緯は聞いておる。
頭が良いからこそ、野蛮な暮らしに嫌気がさしたのであろう。
きっとそうに違いない。」



-あくる日-

ポゾ神父「よくぞ、おいで下さいました。
バルディビア様。」
 
バルディビア「ポゾ神父、今日は新たな改宗者を連れてきたぞ。」
 
ポゾ神父「お話は聞いておりまする。
素晴らしい行いですな。」
 
バルディビア「そうだ、これは不便であろう。
おい!
こいつを外してやれ。」
 
ラウタロは枷を外された。
 
アルデレテ「バ、バルディビア様、流石にそれは・・」
 
バルディビア「良い良い。もしおかしな事をするようならば、お前の剣で遠慮なく突け。
これはマナーだ、分かるなお前も。」
 
ラウタロ「信頼にも保険は必要だと私も心得ております。
そして、枷を外していただきありがとうございます。」
 
バルディビア「お前は本当に賢いのう。
そう言えば、名は何と言う?」
 
「ラウタロと申します。」
ラウタロは精悍な面持ちで答えた。
 
バルディビア「良い面構えだ。
ラウタロ、此度はワシらの信仰に加わってもらう。
異論はないな。」

ラウタロ「もちろんありませぬ。
光栄の限りです。」
 
ポゾ神父「バルディビア様
洗礼名はどうしましょう?」
 
バルディビア「そうじゃなぁ、フェリペが良いな。
ラウタロよ、これからはフェリペ・ラウタロと名乗るが良い。」
 
ラウタロ「ハッ。」
 
「それでは始めますかな。」
ポゾ神父は、ラウタロへ洗礼の儀式を始めた。
 
この日を機にラウタロは、英才教育を施される事になる。

 
 
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