【アラウコの叫び 】第2巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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暗殺者

第65話「厄介者の保護」

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エレロ「砂漠地帯に入りましたし、
この花はアマンカイ(※注2)でしょうね。」

ロレンツォ「綺麗な花ですねぇ。
こんな場所に咲いてるなんて、
むしろ場違いに感じてしまいます。」
 
カスティニャダ「アバンカイも近いと言う事か。」
 
ロレンツォ「場違いと言えば、
サンティアゴって街が襲撃された話知ってます?
なんでも女の人が窮地を救ったらしいのですが。」
 
「ん? 
何かがこっちへ向かってくるな。」
カスティニャダの視界に人影が見えた。
 
エレロ「どうやら追われてるみたいですね。
あの集団は、確かピサロ様の傘下の人たちだったと思いますが。」
 
カスティニャダ「なんだ、盗人でも追ってるのか?
あいつは・・」

追われていたのはカスティニャダ達に仕えていたアマルというヤナコナだった。
 
エレロ「どうしましょうか?撃ちましょうか?」
 
カスティニャダ「いや、あやつは使える。
あやつ大分疲弊しているみたいだな。
追ってるヤツらは10人ほどか・・」
 
ロレンツォ「まさか・・」
 
カスティニャダ「あやつを保護するぞ。
ピサロ兵だって、俺たちに攻撃してこないとは限らない。」
 
エレロ「そうでした。私たちは彼らとは敵対する派閥でした。」
 
カスティニャダ「幸いこちらは旗も何も掲げてない。
エレロ、銃兵に構えさせておけ。」
 
アマルがこちらに気付く。
 
カスティニャダはアマルへ頭を下げる合図を送った。
 
エレロ「そろそろですね。
皆さん撃ってくださーい。」
 
ドンドン!
 
アマルが頭を下げた同時に、バタバタと追っ手の者たちが倒れていく。
 
ザシュ

辛うじて息があった者にロレンツォが
瞬く間に近づき容赦なく止めを刺した。
 
カスティニャダ「久しぶりだな。」
 
「カスティニャダ様・・」
アマルはそういうとその場に倒れ込んだ。
 
エレロ「どうして追われてたんでしょうね?」
 
カスティニャダ「確かエルモソ様のとこへ派遣されたはずだが、まさか・・
そういう事か。」
 
エレロ「それって、結構厄介なのでは・・」
 
カスティニャダ「・・しばらくは一目に触れさせない方が良さそうだな。
コイツを見えない様に馬車に押し込んでおけ。」
 
兵士達がアマルを馬車に詰め込むと、
カスティニャダはアマルに話しかけた。
「おい、俺の許可がなければ、どんな事があっても馬車から出るなよ。」
 
アマル「はい、カスティニャダ様。」
 


※注2
アマンカイはペルー固有の植物の一つで、砂漠に生息する不思議な花である。黄色い水仙の事でケチュア語での意味は「アンデスの花」。
クスコに近い都市アバンカイの名は、アマンカイが咲く地域にちなんで名付けられた。



⚫️相関図

 
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