【アラウコの叫び 】第3巻/16世紀の南米史

ヘロヘロデス

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キラクラの戦い/悪魔の乳房

第98話「死神のリズム」

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「どうやら向かってきているのは、たった1人の様だな。」
カスティニャダは、剣を頭上に掲げて大袈裟な構えをとっている。

その刹那、樹冠から沢山の木の葉が死神の頭上に降ってきた。

ガッガッ、ガキン
ドシュ!

死神は最初の連撃を防いだが、
アマルの素早い追撃を防ぐ事は出来なかった。

カスティニャダ「やったか。
奴にはしっかり働いてもらわないとな。」

アマルの刃は、しっかりと標的の身体の中心を貫いている。

ロレンツォ「・・いや、え?!
身体に風穴が空いてるのに、まだ攻撃してますよ、あの死神!」

死神は致命的な一撃を受けたにも関わらず、そのまま攻撃を繰り出している。

しかしアマルも怯む事なく、応戦している。

死神は鎌の様な長柄の二つの斧で挟み込む様に攻撃を繰り出した。

アマルは飛び上がり、縦に高速回転しながら
相手を切り上げる様に攻撃を繰り出した。

死神は間一髪で其れを躱すが、死神の被るフードは切り裂かれた。

フードが死神の両肩に等間隔でハラリと横たわると、
二つの顔が現れた!
山道に単独で突入してきたのは、グワノ兄弟だった。

カスティニャダ「そういうカラクリか、敵は2人。」

ロレンツォは目を輝かせている。

グワノ兄弟「分かるぞ・・我らと同じ奪われし者か。
おまえの纏う空気が物語っておる。」

アマルはただ怨念の様な眼差しをグワノ兄弟に向けている。

グワノ兄弟は互いの足を軸に回転しながら竜巻の様に
アマルに攻撃を繰り出した。

カスティニャダ「なるほどな、あやつらお互いの片足がないのか、器用なものよ。」

ロレンツォ「2体対1か。
加勢にいった方が良いですかね。」

カスティニャダ「いや、アマルの無軌道な攻撃に加勢するのは危険だ。」

ロレンツォ「相手が多勢なら細い道で、
こちらの方が数で上回るなら
僕たちがいるこの広いスペースで戦うのは有利ではあるけれど。」

カスティニャダ「ああ、決着をつけるなら
ここに引き込むべきではある。」

アマルが片方の背後に回ったかと思えば、
片方の者が位置を移動しアマルに正対してくる。

まるで1人の者が分裂しては、
絶えずアマルに向き合っている様であった。

カスティニャダ「なるほどな、この相手なら俺たちが加勢できるかもしれない。」

ロレンツォ「何か見えたのですか?」

カスティニャダ「ああ。
アマルが不規則なリズムで攻撃を繰り出すのに対し、
あいつらはピッタリ息が合っている反面、リズムが規則的だ。」

ロレンツォ「なるほど、彼らの動きのリズムを掴めさえすれば、
僕たちが加勢して決定的な一撃を加える事ができるって事ですね。」

「そうだ。
俺たちならば可能であろう。」
カスティニャダは口笛を吹いた。

ヒュンヒュン、ドン、ドン、シュ!

アマルはバク転を繰り返しながら、
グワノ兄弟の攻撃を交わしつつ、カスティニャダ達の待機するスペースまで移動を試みる。

ヒュンヒュン、ドン、ドン、シュ!

カスティニャダ「見るのはアマルの動きでなく、あいつらの足元だ。やれるな?」

ロレンツォ「生け捕る訳ではないので、楽勝ですよ。」

アマルたちが、カスティニャダ達のスペースまで近づいてくる。

カスティニャダたちの間合いまで、あと少し。

グワノ兄弟は、同じタイミングで足を切り返した。

カスティニャダ「今だ!」

アマルの一撃を交わすグワノ兄弟達の
各々の心の臓に刃が迫る。
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