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第三章 第二節 魔法少女大戦
第358話 草薙、ヤマトを呼びだして問いただす
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「バラバラの死体があったというリーク情報がある。これは世に出回ってないな」
「そうですか。400体くらいでしたっけ。それくらい死体があれば保存状態のわるいやつとか、腕とか脚の一本くらいもげたヤツがあってもおかしくないでしょうに」
「いや、そういうものではないようだ。きれいに処理されて、部位ごとにきれいにばらされていたらしい」
「んじゃあ、とても手際のいいヤツがしっかりと下処理したってとこでしょう」
「だれがだ?」
バットーの武器を触る手がとまった。
「だれって……。そりゃ、そこに死体を隠した連中でしょう」
「連中……。バトー、おまえ、なぜ、犯人が複数だと思った?」
「あ、いや、そりゃ、あの人数ですぜ。ひとりでやれるとは……」
「だな」
そう言い切ると、草薙はすっくと立ちあがった。
「ちょっとでてくる」
「こんな時間、どこへです?」
「ヤマト・タケルのところだ——」
草薙がヤマトを呼び出すと、一も二もなく『いいよ』という返事が戻ってきた。草薙はリアル・ヴァーチャリティルームの一画で待っていると、トグロ弟に警護されたヤマトが部屋にはいってきた。
「トグサ、ご苦労」
草薙はトグロに儀礼的にねぎらった。
トグロは緊張しきっていたが、いやに仰々しい敬礼をして言った。
「あ、いえ……。あの、わたしの名前はトグロです」
どうやら名前を間違えて呼んでいたようだった。だが、草薙はそれを正すことなく、すぐに席をはずすように命じた。
草薙はヤマトを正面に座らせると『スペクトル遮幕』を展開した。すぐにふたりの周りを取り囲み、ふたりが向かい合うエリアが完全な密室になった。
「草薙大佐、ふたりきりでというのは珍しいですね。話す機会なら午前中にでもあったと思うけど……」
「あのあと、調べものをしてて、そこで発見したことがあったので、タケルくんに見解を聞きたいと思ってね」
「ぼくに見解を?。なんです?」
「フリートウッド大量遺体遺棄事件の一件よ」
「あぁ、あの発見した刑事さんふたりが事故死したっていう、あの件かい?」
「いえ、その前の大量の死体がでた『遺棄事件』のほう」
「草薙大佐。なぜそんな外国でおきた事件に興味が……」
「魔法少女と関連性があるような気がしてね。あなたもそう思ってるのでしょ?」
「ぼくが?。どうしたらそうなるんです?」
「タケルくん、わたしたちはほかの人たちが知らない情報を知ってる。エンマ・アイさんの脳が盗まれたということをね。そしてそれがどうやって盗まれたかも、なんとなくわかっている。だったらあの事件との共通性を疑わないのは不自然でしょう」
ヤマトはすこしだけ恨みがましげな目を草薙にむけた。草薙にはそう見えた。おそらく軽々しくエンマ・アイの名前を持ち出したからだろう。
「そうですか。400体くらいでしたっけ。それくらい死体があれば保存状態のわるいやつとか、腕とか脚の一本くらいもげたヤツがあってもおかしくないでしょうに」
「いや、そういうものではないようだ。きれいに処理されて、部位ごとにきれいにばらされていたらしい」
「んじゃあ、とても手際のいいヤツがしっかりと下処理したってとこでしょう」
「だれがだ?」
バットーの武器を触る手がとまった。
「だれって……。そりゃ、そこに死体を隠した連中でしょう」
「連中……。バトー、おまえ、なぜ、犯人が複数だと思った?」
「あ、いや、そりゃ、あの人数ですぜ。ひとりでやれるとは……」
「だな」
そう言い切ると、草薙はすっくと立ちあがった。
「ちょっとでてくる」
「こんな時間、どこへです?」
「ヤマト・タケルのところだ——」
草薙がヤマトを呼び出すと、一も二もなく『いいよ』という返事が戻ってきた。草薙はリアル・ヴァーチャリティルームの一画で待っていると、トグロ弟に警護されたヤマトが部屋にはいってきた。
「トグサ、ご苦労」
草薙はトグロに儀礼的にねぎらった。
トグロは緊張しきっていたが、いやに仰々しい敬礼をして言った。
「あ、いえ……。あの、わたしの名前はトグロです」
どうやら名前を間違えて呼んでいたようだった。だが、草薙はそれを正すことなく、すぐに席をはずすように命じた。
草薙はヤマトを正面に座らせると『スペクトル遮幕』を展開した。すぐにふたりの周りを取り囲み、ふたりが向かい合うエリアが完全な密室になった。
「草薙大佐、ふたりきりでというのは珍しいですね。話す機会なら午前中にでもあったと思うけど……」
「あのあと、調べものをしてて、そこで発見したことがあったので、タケルくんに見解を聞きたいと思ってね」
「ぼくに見解を?。なんです?」
「フリートウッド大量遺体遺棄事件の一件よ」
「あぁ、あの発見した刑事さんふたりが事故死したっていう、あの件かい?」
「いえ、その前の大量の死体がでた『遺棄事件』のほう」
「草薙大佐。なぜそんな外国でおきた事件に興味が……」
「魔法少女と関連性があるような気がしてね。あなたもそう思ってるのでしょ?」
「ぼくが?。どうしたらそうなるんです?」
「タケルくん、わたしたちはほかの人たちが知らない情報を知ってる。エンマ・アイさんの脳が盗まれたということをね。そしてそれがどうやって盗まれたかも、なんとなくわかっている。だったらあの事件との共通性を疑わないのは不自然でしょう」
ヤマトはすこしだけ恨みがましげな目を草薙にむけた。草薙にはそう見えた。おそらく軽々しくエンマ・アイの名前を持ち出したからだろう。
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