いつか日本人(ぼく)が地球を救う

多比良栄一

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第三章 第二節 魔法少女大戦

第388話 ヤマト12歳 初陣2

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 機体の高度がかなり下がってきた。

 おかげで今度は肉眼でも眼下の都市の街並みが見えるようになってきた。まず目を惹いたのは、おかしな形をした高層ビル群だった。リゾートという非日常をかなり意識したせいなのだろうか、どのビルもいわゆるビルらしいストレートなフォルムのものはなかった。
 女性の裸体を想像させるまるみを帯びていたり、球形を縦に何層も積み上げたようなフォルムだったり、果ては幾何学的デザインが過ぎて、本来の床面積の3分の1もないような建物すらあった。 
 どの建物からも、ど派手なホログラフ映像の広告や映像が垂れ流されていて、むしろ繁華街よりもうるさく感じられている。おかげで街の印象をひとことで語れば、『カオス』という表現しか思いいたらない。

「亜獣がいないようだけど」
 街並みを子細にチェックしながら、ついヤマトが呟くとアヤトが、「海だよ、海」と言って、街とは反対側の映像画面をモニタに映しだした。
 だが、映しだされた映像には動くものはなにもなかった。何隻かの豪華なクルーズ船が着岸している様子があるだけだった。
 一隻のひときわ豪華な客船を、いきなりアップしてアイが叫んだ。
「ちょっと、あれって、一万メートルの深海から月まで行くっていう、超豪華クルーズ船『ディープ・ムーン号』じゃない!。あたしが一度乗ってみたかったヤツ!」
「へー、アイちゃんは月旅行に行きたかったのかい?」
 アヤトがすこしからかい気味に言うと、すぐさまアイが反駁はんばくした。
「シモン、そんなわけないでしょ。あんなとこ、このヴィーナスで行こうと思えば、いつだって行けるでしょうがぁ。あたしが行きたかったのは深海」
「深海……ねぇ。そんなとこ行ったってて暗いだけで何もねえだろ」
「シモンってまったく夢がないのね?。深海にはまだ生物が生きてる可能性が高いんだからね。もしかしたら人間以外の生きている生物に遭遇できるかもしンないでしょ。それに波に揺られて、のんびりするっていうのもいいじゃないの。人類に残された手付かずの自然なんて、もう海くらいしか残ってないのよ。とってもロマンチックだって思わない?」
「へぇ。女の子だねえ」
「ン、もう、シモン!。あんただってショートさんと一緒にたまにはこういうゴージャスなデートでもしたらどう……」
 そこまで言ったところでアイがことばを飲み込んだ。

 ディープ・ムーン号の向こう側から吸盤のついた長い足がふいに現れた。
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