いつか日本人(ぼく)が地球を救う

多比良栄一

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第三章 第四節 エンマ・アイ

第615話 下手するとやられてンのよ!

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「わからない。でもなにかの物理攻撃なのは確かだよ」

「物理攻撃?。『移行領域』のベールをすり抜けてきたの?」
「つまりはそういうことだよ。春日博士の言うとおり、まだ『魔法』の種を隠していたっていうことだね」
「なにしたり顔で言ってンのぉ。下手するとやられてンのよ!」
「だったら、次は油断しないでちょうだい」
 春日リンが金田日をかばうように、口をさしはさんできた。
「天井を見て!。次の魔法少女が補充されているわ」

 アスカは憤りの発散がまだ足りてなかったが、反射的に上空にカメラをむけた。

 リンが指摘するように、さきほどあらかたたたき落としたはずの天井の魔法少女が、あらたに元に戻っていた。数がまるまる補填されていると言っていい。
「さっき落としたヤツらがもう復活したの?」
「いいえ。落とした連中は、下で兵士がとどめをさしてるわ。これは補填されてきた新規の魔法少女!」
 そう言ったとたん、アスカの目の前にホロ映像が再生されはじめた。
 映像は天井付近を捉えていた定点カメラの映像で、中空に裂け目が開いて魔法少女が吐き出されるように姿を現しはじめる様子が映し出されていた。
「よくも、こう、うじゃうじゃとぉ」
「アスカ、文句を言わないの」
 リンが注意を促してきた。
「は、メイ、なに言ってるの?。文句なんかじゃないわ。心踊らせてるのよ!。一群がこんだけ投入されて、なにかを守ろうとしているってことは、『アイツ』はこっち側にいるってことでしょ!」
 
「クララの側じゃなくて、こちらにね!」

 アスカはそう啖呵を吐き捨てると、セラ・ヴィーナスを天井につながる高層ビルにつかせた。上をみあげると魔法少女たちは先ほどより増えていた。亜空間の裂け目からの魔法少女の補充は加速しているように思える。

「はん、あの近くに亜獣がいるってことね」

 アスカはビルのでっぱりに指をかけてするすると昇っていった。今度はさきほどよりはうまくやれた。反対向きについた指の感覚に苦戦することはない。
「メイ、敵の本陣をたたくわよ」
 が、リンより先に金田日から警告が飛んだ
「アスカくん、まだ正体は不明だが、魔法少女には物理攻撃がある。注意してくれたまえ!」
「あんなのたいしたことないわ。ちょっと痛かっただけ!」
「アスカ、バカ言わないの。あなたは0・25秒で遮断されるけど、ヴィーナスにはそのあともダメージは残ってるのよ」
「しょせん、あんなの、ちびっ子の攻撃よ!」

「アスカ、漫心しない!。『移行領域』のベールで完全にからだをおおって『分解光線』を防いでも、それだとこちらも攻撃もできない。でも魔法少女は物理攻撃をしかけることができるのよ」
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