いつか日本人(ぼく)が地球を救う

多比良栄一

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第四章 第五節 ヤマトの絶望

第1020話 意気消沈するパイロットたち

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 ヤマト・タケルが撃たれてから一週間——
 月にふたたび亜獣が出現する日を4日後に控えていたので、かわらず訓練は行われていたが、残されたパイロットたちは言葉すくなだった。戦いに必要な合図や号令は以前とそのままだったが、だれひとりとして私語を口にするものはなかった。

 パイロット専用居住区は、さらにひっそりとしていた。
 だれもがラウンジに出てこようともせず、自室に閉じこもったままで、会話らしい会話が交わされることはなかった。沖田十三が作る食事も、自室に持ち込んで食べることがほとんどだった。 
 レイだけはダイニングで食べていたが、相伴しょうばんするものもおらず、ここ一週間はつねにひとりだけだった。そのレイですら十三とほとんど会話をかわすことがなかった。
 十三は職務をまっとうして、いつも通り接してくれていたが、あきらかに落胆した様子が見てとれて、レイはどう声をかけていいかわからずにいた。
 だからダイニングにはいってきたアスカと鉢合わせしたとき、レイは思い切って声をかけることにした。

「アスカ、今から食事?」
「エナジー・バーを取りに来ただけよ」
「食事は?」
「そんなモン、ノド、とおるわけないでしょ。カロリーが不足してるって、床のセンサーAIが警告してきたから仕方なく……」
「栄養だけじゃあ、デミリアンに搭乗不適格されるわ。しっかりカロリーも摂らないと」
「わーってるわよ。でもね……」
「でもねも、なにもない。わたしたち、あと100時間ほどで亜獣と戦わなくちゃならない。体調を万全にしておくべき」
「べつに乗れなきゃ、乗れないでもいいわよ。いまの精神状態なら搭乗許可がでないかもしれないし……」

「タケルのこと……気になる?」

 アスカが目をむいた。
「ーーったりまえでしょ! あたしたち、エース・パイロットをうしなったのよ。もうタケルは……デミリアンに……マンゲツに乗れない」
「うん、その分、わたしたちががんばらなくちゃならない」
「そーいう問題じゃない! いえ、それもあるけど……あたしはタケルが心配なのよ」
「だから、タケルに心配かけないくらい、わたしたちが踏ん張るしかない」

「あんた。ボカぁぁ」
 アスカはレイを指さして、声を荒げた。
「タケルは亜獣を殲滅するために、これまでの人生を賭けてきた。それができなくなったのよ! ちったぁ、ひとの気持ちを想像しなさいよね!」
「想像できるわ。だからヤマトの願いを、わたしたちが叶えてあげるべき」
「ん、もう! レイ、あんたと話すとイライラするわ!」

「どして?」
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