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ダイブ8 オルレアンの乙女 〜ジャンヌ・ダルク編 〜
第58話 なにもかもが桁違い
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なにもかもが桁違い——
リアムは空気を駆使した攻撃を放ちながら、自分とハマリエルの格のちがいを痛感させられていた。
今までかなり数の悪魔とやりあった経験があったが、比較にならないほどの強さだった。それなりの手練れを倒したことで組織内では、一目置かれる存在にまで登りつめていたが、それが己の慢心以外にほかならないことを思い知らされた。
なによりも繰り出される攻撃の威力がちがった。
ハマリエルの指先からレーザービーム撃たれる。リアムは空気の壁でそれを受けとめる。が、何層にも重ねたにもかかわらず、ビームはそれを切り裂くようにしてリアムの脚を貫いた。
がくりと膝を折りそうになる。
『ふざけんなよ。この空気の壁、いままでどんな悪魔の攻撃もはねつけたンだぜ』
リアムは自分の武器である、この空気の壁の前に阻まれ、力尽きた悪魔たちのことを思い出した。
リザードマンのような爬虫類の顔をした悪魔は、己の長く鋭い尻尾でリアムを突き刺そうとして、見えない空気の壁にそれを突き立てて動けなくなった。
『てめぇ、なにをした』
「あったま悪いねぇ、あんた。空気の壁に自分の武器を突き立てちゃあダメだよ」
『空気の壁? そんなもので……』
「身動きできなくなるんだよ。あんたには見えないかもだけど、ささったあんたの尻尾のまわり、猛烈な速度のスピンがかかってるんだ」
『スピンだと?』
「ああ、だから動けないだろ。並大抵の力じゃあ、抜けないすげーぇ力だ」
『くそう、だが抜けなくても攻撃は可能だ』
「ああ、おれがな」
そう言ってリアムは上空から空気の塊を落とした。
リザードマンは自分の上からなにが落ちてきたのか理解しないまま、ぐちゃりと潰れた。
別の戦いでは巨大な石でできたゴーレムのような悪魔を相手にした。そいつはハンマーのような腕を振り回して、進撃を阻む見えない壁をやみくもに殴りつけた。
「だーかーら、あんたがどれだけ剛腕をふるってもね。おれには届かないわけよ」
『では、正面以外からの攻撃はどうかな』
ゴーレムの悪魔は今回のイングランド兵のように、ローマ兵士たちをモンスター化し、全方位からリアムに攻撃をかけさせた。
リアムは正面だけでなく自分の周りを球体の空気の壁で囲むと、一気に外側へ弾けさせた。爆発するように膨張した空気の壁は、突撃してきたモンスターたちを瞬時に撃退した。軽い体重のものは彼方へ弾け跳び、重たい体躯のものは圧に堪えきれず、その場で潰れた。また空から襲いかかったものは、バラバラになって飛び散った。
「ほーら、どこから襲いかかっても無駄……」
そう言いかけて首謀者のゴーレムの悪魔までもが、その空気圧で粉々になっているのに気づいて、リアムは肩をすくめた。
「おいおい、なんで巻込み事故でやられてンのよぉ」
過去に戦った悪魔は、強いと言っても、そういう隙や弱点があった。
だが、目の前のハマリエルはちがった——
リアムは空気を駆使した攻撃を放ちながら、自分とハマリエルの格のちがいを痛感させられていた。
今までかなり数の悪魔とやりあった経験があったが、比較にならないほどの強さだった。それなりの手練れを倒したことで組織内では、一目置かれる存在にまで登りつめていたが、それが己の慢心以外にほかならないことを思い知らされた。
なによりも繰り出される攻撃の威力がちがった。
ハマリエルの指先からレーザービーム撃たれる。リアムは空気の壁でそれを受けとめる。が、何層にも重ねたにもかかわらず、ビームはそれを切り裂くようにしてリアムの脚を貫いた。
がくりと膝を折りそうになる。
『ふざけんなよ。この空気の壁、いままでどんな悪魔の攻撃もはねつけたンだぜ』
リアムは自分の武器である、この空気の壁の前に阻まれ、力尽きた悪魔たちのことを思い出した。
リザードマンのような爬虫類の顔をした悪魔は、己の長く鋭い尻尾でリアムを突き刺そうとして、見えない空気の壁にそれを突き立てて動けなくなった。
『てめぇ、なにをした』
「あったま悪いねぇ、あんた。空気の壁に自分の武器を突き立てちゃあダメだよ」
『空気の壁? そんなもので……』
「身動きできなくなるんだよ。あんたには見えないかもだけど、ささったあんたの尻尾のまわり、猛烈な速度のスピンがかかってるんだ」
『スピンだと?』
「ああ、だから動けないだろ。並大抵の力じゃあ、抜けないすげーぇ力だ」
『くそう、だが抜けなくても攻撃は可能だ』
「ああ、おれがな」
そう言ってリアムは上空から空気の塊を落とした。
リザードマンは自分の上からなにが落ちてきたのか理解しないまま、ぐちゃりと潰れた。
別の戦いでは巨大な石でできたゴーレムのような悪魔を相手にした。そいつはハンマーのような腕を振り回して、進撃を阻む見えない壁をやみくもに殴りつけた。
「だーかーら、あんたがどれだけ剛腕をふるってもね。おれには届かないわけよ」
『では、正面以外からの攻撃はどうかな』
ゴーレムの悪魔は今回のイングランド兵のように、ローマ兵士たちをモンスター化し、全方位からリアムに攻撃をかけさせた。
リアムは正面だけでなく自分の周りを球体の空気の壁で囲むと、一気に外側へ弾けさせた。爆発するように膨張した空気の壁は、突撃してきたモンスターたちを瞬時に撃退した。軽い体重のものは彼方へ弾け跳び、重たい体躯のものは圧に堪えきれず、その場で潰れた。また空から襲いかかったものは、バラバラになって飛び散った。
「ほーら、どこから襲いかかっても無駄……」
そう言いかけて首謀者のゴーレムの悪魔までもが、その空気圧で粉々になっているのに気づいて、リアムは肩をすくめた。
「おいおい、なんで巻込み事故でやられてンのよぉ」
過去に戦った悪魔は、強いと言っても、そういう隙や弱点があった。
だが、目の前のハマリエルはちがった——
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