転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが

松林 松茸

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第九話 レナンジェス告白される(男に)

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「レナンジェスよぉ、最近、ミーア嬢と良い雰囲気じゃなかぁ?第二王子と婚約破棄してから活き活きしているよなぁ」

レナンジェスの肩に腕を回し組んでくる帝国の皇太子チャールズ。

「はぁ、それは殿下が持っているマンガのおかげですかね」

「この漫画の展開は熱いよなぁ。平民が国を守るために知恵を絞って侵略してくる敵国に連勝するところなんかなぁ」

(そうでしょうよ。それは前世の戦国時代をモチーフにしたいますからね)

「それと女子同士の恋愛は良いよなぁ」

「そういうご趣味で?」

「作者はお前だろ?」

「原案者です。作者はセロ公爵領の民ですよ」

「そうかぁ。で、ミーア嬢とはどういう関係だぁ?」

「公爵と使いッパシリですかね」

「本当かぁ?なら俺がミーア嬢を狙っても良いよなぁ?」

「そうして頂けると。ただし、彼女と結婚を視野に入れるなら側室は諦めた方が良いですよ」

「何故だぁ?」

「彼女は1人の男性の愛情を独占するタイプですので」

「お前はどうなんだぁ?」

「複数の女性を愛したいですね」

その言葉に大笑いするチャールズ。

「お前のそう言うところは嫌いじゃないぜ」

そう言いながら彼は自分の教室に向かって行った。

(早く、婚約しろよ!最近では男爵家の令嬢とまともにデートも出来ないんだよ!!)

レナンジェスは内心で悪態つく。しかしゲームでは卒業前に結ばれる設定だ。故に3年生の終わりまでは結ばれない。

(それでも今から付き合えば…)

レナンジェスは考える。そもそもゲームではモブキャラと俺様王子のエッチなど無いのだ。それどころか俺様王子のファーストキスは1年生の後半のはずだ。

(よし、あの2人を付き合わせよう。そうすれば男爵令嬢達とエロエロ出来る)

そう考えながら下半身にテントを張っていた。



放課後、レナンジェスはどうやって悪役令嬢と帝国の皇太子をくっつけるか考えながら廊下を歩いていた。

「レナンジェス」

不意に彼を呼び止める者が居る。

「これはライディース卿、私に何用でしょうか?」

「それは…とりあえず我の部屋まで来てくれ」

「御意に」

そしてレナンジェスはクールビューティー大公家嫡男ライディースの部屋へ連れ込まれる。

「そこに座ってくれ」

レナンジェスは言われるがままにソファーに腰を下ろすとライディースの言葉を待つ。

「レナンジェスよ、第二王子とはどういう関係だ?」

「王族と臣下の間柄です」

「そうなのか?お主のファーストキスも第二王子にゴックンしているのも聞いておるぞ?」

「それは誰からですか?」

「第二王子アリウス殿下からだ」

(おい、俺様王子よ。あんたは何を言っちゃているんだ!これだと私がゲイ術愛好家ではないか!!)

そう考えながら苦笑いを浮べる。

「否定はしないのか?」

「アリウス殿下の言葉を否定できません。それは王族の言葉を虚偽であると断罪するようなものですから」

「そうか…」

そして悲しそうな表情をするライディース。

「ライディース卿は殿下に好意を寄せておられるのですか?」

「それは無い。我が好いているのは…レナンジェス、お主だ」

(え?告白ですか?それも男からですと?寂しそうに言われたから少しときめいちゃったじゃない!あんたは異性好きのはずよ!ルートによっては逆ハーレム要因だったけど…)

「レナンジェス、我の思いを受け止めてはくれまいか?我は其方の為であればゴックンでも貞操でも其方に捧げよう」

「お戯れを…。ライディース卿は女子とよろしくしておられるではありませんか。それに私も女性が好きですので」

「だが…お主のテクは至上だと殿下が仰っておられた」

(おい、俺様王子よ。あんたは何を言ってくれている!それは前世で彼氏に鍛えられたさ。しかしこの世界の男同士の関係は良しとされていないだろ!)

「それを聞いた我は嫉妬したのだ。その時に其方を愛していると気が付いた。其方は我が愛人になって貰いたい」

「私には3人の恋人がおります。どうかお許しを」

「別れたと聞いておるぞ?」

「え?それは何かの間違いでは?」

「間違いではない。3人の男爵令嬢はレナンジェスから身を引くと言っておる」

その言葉を聞いたレナンジェスは部屋を飛び出す。そして3人の男爵令嬢の元へ向かった。

『レナンジェス様…』

レナンジェスを見るなり俯き悲し気にする男爵令嬢トリオ。

「聞きたい事がある。君達は私と別れる気なのか?」

『…はい』

「何故?」

『レナンジェス様と私達ではつり合いが取れませんので…。それに…レナンジェス様と御一緒されるミーア様を見ていたら諦めが付きました』

「誤解だ!ミーア嬢とはマンガの打ち合わせで…」

『それでも…私達ではレナンジェス様を支えられません…』

そう言いながら一筋の涙を流す男爵令嬢トリオ。レナンジェスはそれ以上何も言う事が出来なかった。
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