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第十三話 Wデート?~3
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昼食後、レナンジェス達は商業区画へ向かう。
「王都も変わりましたわね」
ミーアはそう言いながら活気溢れる王都を眺めている。
「そう言えばミーア様がプロデュースしている店があると聞きましたが」
「えぇ、会員制にした店があるわ。この区画の真ん中くらいよ」
レナンジェスの言葉に微笑む悪役令嬢。
「それは行かないとなぁ」
チャールズはそう言うとミーアの手を取り人ごみ溢れる商業区画に分け入っていく。
「レナンジェス…」
ライディースはレナンジェスに手を差し出す。
「…はい」
仕方なく彼と手を繋ぐレナンジェス。するとライディースは頬を赤らめる。しかも股間にテントを張りかけている。
(おい、何時ものクールさでエスコートしろよ!まあ、私の方が身分は低いから口には出せないが…)
そんな事を考えながらレナンジェスはミーアたちの後を追う。そして一際大きな店の前でミーア達は足を止める。
「良い店構えだなぁ」
チャールズはそう言うと早速、店に入ろうとした。すると入り口の係員が会員証の提示を求めてくる。
「これで良いか?」
不意にライディースが会員証を提示した。
「これはライディース卿、ようこそ御出でくださいました」
そして中へ案内されると店員が左右に並び深々とお辞儀している。
「なあ、ミーア嬢の店なのに店主は顔パスじゃないのかぁ?」
チャールズが店員に尋ねる。
「それはミーア様の教育方針です。会員証を提示しなければミーア様でも入店できません。店員証が無ければ執務室にも入れませんから」
店員の言葉に目を丸くするチャールズ。彼は隣国の皇太子だ。隣国ではそのような事をすれば不敬になるだろう。
「守秘義務の為ですわ」
ミーアはそう言いながらチャールズに微笑みかける。
「そうかぁ。ミーア嬢はスゲーなぁ。貴族のプライバシーを守る為の工夫は俺の国でも取り入れるべきだと思ったぜぇ」
「でしたら帝国に出店許可を頂ければ作りますわよ」
「良いぜぇ。ただし…俺と婚約してくれたらだけどなぁ」
ボソリと言うチャールズの言葉に悪役令嬢は頬を赤く染める。
「ここでの話も何だから個室へ案内を頼む」
恥ずかしそうに見つめ合う2人を見かねてライディースはクールに言い放った。
店から出ると悪役令嬢は初々しい少女の様な表情を浮かべていた。彼女の首から高価なネックレスをさげている。チャールズからのプレゼントであろう。
(私は店長と商談になってしまったが…)
レナンジェスは商品化した写真と魔道映像器を店に売り込んだのだ。そして試作で作ったヒューイとドゥーイの写真集や歌う2人の映像を店長に見せると彼はそれに食いついた。そして撮影班に王都の歌劇役者の女優、俳優の写真集やイメージ映像を作る事を提案してきた。
結果、交渉、出演依頼をセロ公爵家が行い、撮影班をハックマン子爵家が派遣するという形で話はついた。同時にその場で商談内容を手紙で父に知らせる。
「レナンジェス、其方に贈り物だ」
一仕事終えて皆と合流した彼にライディースは宝石を散りばめたペンダントを渡してくる。
「お気遣い感謝します」
レナンジェスは貴族の礼に従いそれを受け取る。同時にライディースが何故か豪華な宝飾を施された首輪と鎖が入っている袋を持っているのを見てしまう。
(何かのフラグですか?)
レナンジェスはそう考えながらこの先に起こるであろうゲイ術的なイベントの事を考えないようにした。
デートの最後は学園近くにある王都が見渡せる丘の上だ。夕暮れ時が王都の夜景を一番綺麗に見える。
「2人の護衛は任せたよ」
『はい、ご主人様』
ヒューイとドゥーイはそう言うと少し離れた場所で悪役令嬢と隣国皇太子の警護に当たる。
(ミーア嬢の警護もこっそり付いてきているから大丈夫だとは思うけど)
レナンジェスは一日中、彼等の見えない場所から警護に当たる2人の剣士と間者のメイドの存在に気が付いていた。
「ライディース卿、少し失礼します」
ライディースを良い雰囲気を醸し出す2人から少し離れた場所に残しここへ来る前に買っておいたサンドイッチとアイスティーの入った袋を抱え3人の護衛の下へ向かう。
「差し入れです」
レナンジェスは笑顔で3人に食べ物を渡す。
『何時から気付いていた?』
怪訝な顔をする従者達。
「朝からですよ。皆さんはろくに食事もしていないでしょ?」
『ご厚意痛み入ります』
そう言いながら袋を受け取る従者達。レナンジェスはニコリと笑いその場を後にする。
「なあ、やはりお嬢様の相手はあの子爵の方が良いと思わないか?」
「だが、隣国の皇太子との縁談も悪くはない。何しろあの皇太子がお嬢様にべた惚れだからな」
そう言う剣士2人。
「でも…お嬢様のあんな表情は滅多に見られないな」
「そうね」
メイドがそう相槌を打つ。
彼等の目の先には美しい夜景にウットリしながら普段は見せない乙女らしい悪役令嬢の姿があった。
「王都も変わりましたわね」
ミーアはそう言いながら活気溢れる王都を眺めている。
「そう言えばミーア様がプロデュースしている店があると聞きましたが」
「えぇ、会員制にした店があるわ。この区画の真ん中くらいよ」
レナンジェスの言葉に微笑む悪役令嬢。
「それは行かないとなぁ」
チャールズはそう言うとミーアの手を取り人ごみ溢れる商業区画に分け入っていく。
「レナンジェス…」
ライディースはレナンジェスに手を差し出す。
「…はい」
仕方なく彼と手を繋ぐレナンジェス。するとライディースは頬を赤らめる。しかも股間にテントを張りかけている。
(おい、何時ものクールさでエスコートしろよ!まあ、私の方が身分は低いから口には出せないが…)
そんな事を考えながらレナンジェスはミーアたちの後を追う。そして一際大きな店の前でミーア達は足を止める。
「良い店構えだなぁ」
チャールズはそう言うと早速、店に入ろうとした。すると入り口の係員が会員証の提示を求めてくる。
「これで良いか?」
不意にライディースが会員証を提示した。
「これはライディース卿、ようこそ御出でくださいました」
そして中へ案内されると店員が左右に並び深々とお辞儀している。
「なあ、ミーア嬢の店なのに店主は顔パスじゃないのかぁ?」
チャールズが店員に尋ねる。
「それはミーア様の教育方針です。会員証を提示しなければミーア様でも入店できません。店員証が無ければ執務室にも入れませんから」
店員の言葉に目を丸くするチャールズ。彼は隣国の皇太子だ。隣国ではそのような事をすれば不敬になるだろう。
「守秘義務の為ですわ」
ミーアはそう言いながらチャールズに微笑みかける。
「そうかぁ。ミーア嬢はスゲーなぁ。貴族のプライバシーを守る為の工夫は俺の国でも取り入れるべきだと思ったぜぇ」
「でしたら帝国に出店許可を頂ければ作りますわよ」
「良いぜぇ。ただし…俺と婚約してくれたらだけどなぁ」
ボソリと言うチャールズの言葉に悪役令嬢は頬を赤く染める。
「ここでの話も何だから個室へ案内を頼む」
恥ずかしそうに見つめ合う2人を見かねてライディースはクールに言い放った。
店から出ると悪役令嬢は初々しい少女の様な表情を浮かべていた。彼女の首から高価なネックレスをさげている。チャールズからのプレゼントであろう。
(私は店長と商談になってしまったが…)
レナンジェスは商品化した写真と魔道映像器を店に売り込んだのだ。そして試作で作ったヒューイとドゥーイの写真集や歌う2人の映像を店長に見せると彼はそれに食いついた。そして撮影班に王都の歌劇役者の女優、俳優の写真集やイメージ映像を作る事を提案してきた。
結果、交渉、出演依頼をセロ公爵家が行い、撮影班をハックマン子爵家が派遣するという形で話はついた。同時にその場で商談内容を手紙で父に知らせる。
「レナンジェス、其方に贈り物だ」
一仕事終えて皆と合流した彼にライディースは宝石を散りばめたペンダントを渡してくる。
「お気遣い感謝します」
レナンジェスは貴族の礼に従いそれを受け取る。同時にライディースが何故か豪華な宝飾を施された首輪と鎖が入っている袋を持っているのを見てしまう。
(何かのフラグですか?)
レナンジェスはそう考えながらこの先に起こるであろうゲイ術的なイベントの事を考えないようにした。
デートの最後は学園近くにある王都が見渡せる丘の上だ。夕暮れ時が王都の夜景を一番綺麗に見える。
「2人の護衛は任せたよ」
『はい、ご主人様』
ヒューイとドゥーイはそう言うと少し離れた場所で悪役令嬢と隣国皇太子の警護に当たる。
(ミーア嬢の警護もこっそり付いてきているから大丈夫だとは思うけど)
レナンジェスは一日中、彼等の見えない場所から警護に当たる2人の剣士と間者のメイドの存在に気が付いていた。
「ライディース卿、少し失礼します」
ライディースを良い雰囲気を醸し出す2人から少し離れた場所に残しここへ来る前に買っておいたサンドイッチとアイスティーの入った袋を抱え3人の護衛の下へ向かう。
「差し入れです」
レナンジェスは笑顔で3人に食べ物を渡す。
『何時から気付いていた?』
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「朝からですよ。皆さんはろくに食事もしていないでしょ?」
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そう言いながら袋を受け取る従者達。レナンジェスはニコリと笑いその場を後にする。
「なあ、やはりお嬢様の相手はあの子爵の方が良いと思わないか?」
「だが、隣国の皇太子との縁談も悪くはない。何しろあの皇太子がお嬢様にべた惚れだからな」
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