25 / 88
第二十五話 中間試験とカンニング疑惑
しおりを挟む
中間試験前、モブ貴族たちは男女混合の勉強会を開いている。
(いいなぁ)
レナンジェスはそれを羨ましそうに見るが彼には一緒に勉強する仲間が居ない。何しろ悪役令嬢達と勉強すれば俺様王子がいじける。逆も然りだ。故に1人自室で勉強する事にする。
(モブ巨乳男爵令嬢トリオまで新しく男を作っているし…)
彼女等も子爵やら伯爵家の次男と良い仲になっていた。
『ご主人様、紅茶の用意が出来ました』
小悪魔2人は嬉しそうに言う。この期間だけはレナンジェスを独占できると考えているのだろう。
「ありがとう」
レナンジェスはそう言うと紅茶を啜りながら溜息をつく。
『どうしました?』
「私には友達が居ないと思ったら少し寂しくなってね」
『僕たちが居るじゃないですか』
「君達は従者だよ。私が求めているのは一緒に遊んだり馬鹿な事をする仲間だよ」
『ライディース様やリムル様ではだめですか?』
「爵位が違いすぎるから対等な友達ではないね」
そう言いながら自嘲気味に笑うレナンジェス。2人の従者は「貴族社会は面倒だな」と言う顔をしていた。
中間試験も終わり結果が出る。
(フフフ、このゲームの裏設定まで調べていた私は無敵なのだよ)
そう、本来なら主人公の聖女ミュージーが1番になるはずだった。しかし1番はレナンジェスだ。
2位ミュージー、3位俺様王子、4位チャールズ、5位ライディース、6位悪役令嬢、7位ジュドー、8位リムル、9位ルーアである。
因みに2年生の1位は第一王子だった。
『これはカンニングだ!』
不意にそんな声が聞こえる。そしてモブ達がレナンジェスを取り囲んだ。
『カンニングとかセコイ事をするなよな』
周りのモブ侯爵や伯爵がレナンジェスを断罪しだす。
「証拠がありますか?」
『このテストは必ず教師陣でも解けない問題が出ている。その答えを知っていたのがその証拠だ!』
彼等の言う問題とはアカデミーと呼ばれる魔法研究機関の教授しか使えない魔法の論述問題だった。
そして問題が「魔法に魔力吸収(ドレイン)効果の付与の手順」だ。
そう、この魔力吸収(ドレイン)の開発者であり王家に論文を提出したのは他ならぬレナンジェスだ。自分で開発した魔法を理解できない訳が無いのだ。
しかし国家機密に該当するレベルの事を他の生徒が知るわけがない。
気が付くと俺様王子や悪役令嬢、その他の攻略キャラやヒロインまでその場にいるではないか。
(これは…断罪イベント)
レナンジェスは即座に理解する。
「ちょっと待てよぉ、こいつが不正した証拠はないぜぇ。それに教師陣すら知らない問題だぞぉ?アカデミーの教授が採点する問題をどうやってカンニングするんだぁ?普通に考えて知っていたと思うぞぉ」
チャールズがレナンジェスを擁護する。
『だからですよ。普通に考えてアカデミーの教授クラスしか知らない事を知っているのは事前に回答を盗んだからではないですか?彼の従者は優秀ですから』
その言葉にチャールズは怪訝な顔をする。彼等の言い分はこの国のセキュリティーが甘いと言っているのだ。
「だったらよぉ、帝国のエージェントを潜り込ませれば情報を全て奪えるという事だよなぁ?」
その言葉にモブ達が黙る。
「それは無理だな。この国の機密保持が厳重なのは俺様が良く知っている」
不意に俺様王子がそう言う。
「そうですわね。もし、機密を盗めるならレナンジェス殿はエージェントになるべきですわね」
悪役令嬢もそう言うと首を傾げる。彼女にはレナンジェスがカンニングするメリットを感じなかったのだ。
「レナンジェス、朕は嬉しいぞ。この学園初の満点を取るとは」
不意に第一王子がやってくるとレナンジェスの肩を嬉しそうに叩く。
「兄上は理由をご存じで?」
俺様王子アリウスが第一王子カイザルに問い掛ける。
「其方…勉強不足であるぞ。王国に“魔力吸収(ドレイン)”の論文を提出したのはこの者ではないか」
「え?確か著者はR=H子爵家嫡男でしたが…」
「そうであろう。レナンジェス=ハックマン子爵家嫡男の略ではないか。それをカンニング扱いするとは朕は悲しいぞ」
「俺様はカンニング扱いしていないぞ!機密保持機能は厳重だと言っただけだぞ!」
その言葉にモブ貴族たちはクモの子を散らすように逃げていく。
「流石はレナンジェス様」
リムルがそう言いながらレナンジェスに腕を絡ませる。
「我は信じていたぞ」
ライディースはレナンジェスに指を絡ませながら手を繋ぐ。
(助かった…)
レナンジェスは内心でホッとする。
「そんな事より俺様はレナンジェスを勉強会に誘ったのに1回も顔を出さなかった事に腹が立っている!」
不意にそう言う俺様王子。
「それは仕方ねぇよぉ。俺達の勉強会にも1回も参加しなかったんだぜ?意味は解るよなぁ」
「レナンジェス殿は第一王子派でも第二王子派でもなく中立派だと言う意思表示ですわね」
チャールズの言葉に悪役令嬢ミーアがそう答える。
「気に食わぬ!俺様が勉強会で何度アーンを切望した事か!」
そう言いながらレナンジェスを睨む俺様王子。
「仕方が無いだろ。朕はレナンジェスが中立の意思を示したことを評価する」
第一王子がそう言うと俺様王子は黙る。
レナンジェスを取り込むことは大公家のライディース、侯爵家のリムルを取り込むことでもある。そうすれば国内の勢力バランスが崩れ争い事の火種になりかねないからだ。
『無駄な騒動でしたね』
ミュージーとルーアがそう呟くと皆は苦笑いを浮かべるのであった。
(いいなぁ)
レナンジェスはそれを羨ましそうに見るが彼には一緒に勉強する仲間が居ない。何しろ悪役令嬢達と勉強すれば俺様王子がいじける。逆も然りだ。故に1人自室で勉強する事にする。
(モブ巨乳男爵令嬢トリオまで新しく男を作っているし…)
彼女等も子爵やら伯爵家の次男と良い仲になっていた。
『ご主人様、紅茶の用意が出来ました』
小悪魔2人は嬉しそうに言う。この期間だけはレナンジェスを独占できると考えているのだろう。
「ありがとう」
レナンジェスはそう言うと紅茶を啜りながら溜息をつく。
『どうしました?』
「私には友達が居ないと思ったら少し寂しくなってね」
『僕たちが居るじゃないですか』
「君達は従者だよ。私が求めているのは一緒に遊んだり馬鹿な事をする仲間だよ」
『ライディース様やリムル様ではだめですか?』
「爵位が違いすぎるから対等な友達ではないね」
そう言いながら自嘲気味に笑うレナンジェス。2人の従者は「貴族社会は面倒だな」と言う顔をしていた。
中間試験も終わり結果が出る。
(フフフ、このゲームの裏設定まで調べていた私は無敵なのだよ)
そう、本来なら主人公の聖女ミュージーが1番になるはずだった。しかし1番はレナンジェスだ。
2位ミュージー、3位俺様王子、4位チャールズ、5位ライディース、6位悪役令嬢、7位ジュドー、8位リムル、9位ルーアである。
因みに2年生の1位は第一王子だった。
『これはカンニングだ!』
不意にそんな声が聞こえる。そしてモブ達がレナンジェスを取り囲んだ。
『カンニングとかセコイ事をするなよな』
周りのモブ侯爵や伯爵がレナンジェスを断罪しだす。
「証拠がありますか?」
『このテストは必ず教師陣でも解けない問題が出ている。その答えを知っていたのがその証拠だ!』
彼等の言う問題とはアカデミーと呼ばれる魔法研究機関の教授しか使えない魔法の論述問題だった。
そして問題が「魔法に魔力吸収(ドレイン)効果の付与の手順」だ。
そう、この魔力吸収(ドレイン)の開発者であり王家に論文を提出したのは他ならぬレナンジェスだ。自分で開発した魔法を理解できない訳が無いのだ。
しかし国家機密に該当するレベルの事を他の生徒が知るわけがない。
気が付くと俺様王子や悪役令嬢、その他の攻略キャラやヒロインまでその場にいるではないか。
(これは…断罪イベント)
レナンジェスは即座に理解する。
「ちょっと待てよぉ、こいつが不正した証拠はないぜぇ。それに教師陣すら知らない問題だぞぉ?アカデミーの教授が採点する問題をどうやってカンニングするんだぁ?普通に考えて知っていたと思うぞぉ」
チャールズがレナンジェスを擁護する。
『だからですよ。普通に考えてアカデミーの教授クラスしか知らない事を知っているのは事前に回答を盗んだからではないですか?彼の従者は優秀ですから』
その言葉にチャールズは怪訝な顔をする。彼等の言い分はこの国のセキュリティーが甘いと言っているのだ。
「だったらよぉ、帝国のエージェントを潜り込ませれば情報を全て奪えるという事だよなぁ?」
その言葉にモブ達が黙る。
「それは無理だな。この国の機密保持が厳重なのは俺様が良く知っている」
不意に俺様王子がそう言う。
「そうですわね。もし、機密を盗めるならレナンジェス殿はエージェントになるべきですわね」
悪役令嬢もそう言うと首を傾げる。彼女にはレナンジェスがカンニングするメリットを感じなかったのだ。
「レナンジェス、朕は嬉しいぞ。この学園初の満点を取るとは」
不意に第一王子がやってくるとレナンジェスの肩を嬉しそうに叩く。
「兄上は理由をご存じで?」
俺様王子アリウスが第一王子カイザルに問い掛ける。
「其方…勉強不足であるぞ。王国に“魔力吸収(ドレイン)”の論文を提出したのはこの者ではないか」
「え?確か著者はR=H子爵家嫡男でしたが…」
「そうであろう。レナンジェス=ハックマン子爵家嫡男の略ではないか。それをカンニング扱いするとは朕は悲しいぞ」
「俺様はカンニング扱いしていないぞ!機密保持機能は厳重だと言っただけだぞ!」
その言葉にモブ貴族たちはクモの子を散らすように逃げていく。
「流石はレナンジェス様」
リムルがそう言いながらレナンジェスに腕を絡ませる。
「我は信じていたぞ」
ライディースはレナンジェスに指を絡ませながら手を繋ぐ。
(助かった…)
レナンジェスは内心でホッとする。
「そんな事より俺様はレナンジェスを勉強会に誘ったのに1回も顔を出さなかった事に腹が立っている!」
不意にそう言う俺様王子。
「それは仕方ねぇよぉ。俺達の勉強会にも1回も参加しなかったんだぜ?意味は解るよなぁ」
「レナンジェス殿は第一王子派でも第二王子派でもなく中立派だと言う意思表示ですわね」
チャールズの言葉に悪役令嬢ミーアがそう答える。
「気に食わぬ!俺様が勉強会で何度アーンを切望した事か!」
そう言いながらレナンジェスを睨む俺様王子。
「仕方が無いだろ。朕はレナンジェスが中立の意思を示したことを評価する」
第一王子がそう言うと俺様王子は黙る。
レナンジェスを取り込むことは大公家のライディース、侯爵家のリムルを取り込むことでもある。そうすれば国内の勢力バランスが崩れ争い事の火種になりかねないからだ。
『無駄な騒動でしたね』
ミュージーとルーアがそう呟くと皆は苦笑いを浮かべるのであった。
17
あなたにおすすめの小説
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
嫌われ公式愛妾役ですが夫だけはただの僕のガチ勢でした
ナイトウ
BL
BL小説大賞にご協力ありがとうございました!!
CP:不器用受ガチ勢伯爵夫攻め、女形役者受け
相手役は第11話から出てきます。
ロストリア帝国の首都セレンで女形の売れっ子役者をしていたルネは、皇帝エルドヴァルの為に公式愛妾を装い王宮に出仕し、王妃マリーズの代わりに貴族の反感を一手に受ける役割を引き受けた。
役目は無事終わり追放されたルネ。所属していた劇団に戻りまた役者業を再開しようとするも公式愛妾になるために偽装結婚したリリック伯爵に阻まれる。
そこで仕方なく、顔もろくに知らない夫と離婚し役者に戻るために彼の屋敷に向かうのだった。
【完結】双子の兄が主人公で、困る
* ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……!
ルティとトトの動画を作りました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
本編、両親にごあいさつ編、完結しました!
おまけのお話を、時々更新しています。
本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~
紫鶴
BL
早く退職させられたい!!
俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない!
はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!!
なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。
「ベルちゃん、大好き」
「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」
でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。
ーーー
ムーンライトノベルズでも連載中。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる