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第二十六話 ヒャッハー!夏休みだ!!しかし彼女が居ないけど…
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(遂に夏休みだ!海と山が私を呼んでいる!ヒャハー!!遊ぶぞ!!!…彼女が居ないけど…)
心の中でそう叫びながら夏休みの宿題を進めるレナンジェス。夏休みでも仕事はある。やれるうちにやらないと後で苦しむのは自分だ。
(宿題が簡単でよかった。これなら2日で終わる)
レナンジェスは学生寮で宿題を進めていく。他の生徒は自領に戻っている為にとても静かだ。それから2日かけて宿題を全て終わらせたレナンジェスは自領に戻る準備を始めるのであった。
「レナンジェスちゃ~ん。ママは悲しいわ!何で初日から戻ってくれないの!!」
実家に戻ると母がそう言いながらヒューイとドゥーイにメイド服を着せる。
「兄さま、夏休みの間はヒューイとドゥーイを借りますわよ!」
妹はそう言うと早速、2人を連れて遊びに行ってしまった。その後に残されたのは悲しそうに3人を見送る母の姿。
「母上…兄上もお疲れでしょう。本日はゆっくりと休養して頂く方が良いかと」
弟のブルックリンは母を諫めながら言う。
「そんな…ブルックリンちゃんまで…ママは悲しい」
そう言いながらシクシク泣き出す母。
「わが胸で思う存分泣くが良い」
父は母を抱きしめると彼女の頭を撫でながらイチャつく。
「父上、母上…」
ブルックリンは呆れかえった表情をしながら自室に戻る。何でも自領の改善案と学院に向けての勉強を明日までに終わらせるらしい。
「ブルックリンは偉いね」
レナンジェスは紅茶を啜りながらメイドに言う。
「そうですね。来週から婿養子にと打診があった侯爵家令嬢と第二婦人予定の伯爵令嬢がいらっしゃいますから」
何でも2つ年下の第一婦人、第二婦人候補もいるらしい。
(前言撤回!お前も敵だ!!)
レナンジェスは心の中で血の涙を流しながらそう叫んでいた。
翌日、レナンジェスは海辺のリゾート地を訪れる。視察名目で遊ぶためだ。
(男はフンドシ姿、女性はワンピースの水着。我ながら良いチョイスだわ)
レナンジェスは鼻の下を伸ばして海水浴場を眺める。イチャつくカップルもいるが女性同士や男性同士も多い。
(ここに居る皆は知っているかな?夏の思い出は長さで表せるのだよ。ひと夏のメモリーとして)
そんな事を考えながらトランクス型の水着にパーカーを羽織ると砂浜に向かって行くレナンジェス。周りからは奇妙な視線を浴びせられる。
(何だ?この反応は?)
そう考えている時だった。
「おい、トランクス着用は貴族以外禁止だぞ。直ぐにフンドシを履きなさい!」
警備員がそう言うとレナンジェスを連れ出そうとする。
「何をする!」
レナンジェスは思わず警備員を投げ飛ばした。
「不審者だ!」
投げ飛ばされた警備員は笛を吹きながら呻き声を上げる。するとレナンジェスは警備兵に取り囲まれた。
『無駄な抵抗を止めて投降しろ!』
「何故?私は貴族だぞ?」
『貴族様は事前に予約されて来られる。そんな予約は無かったぞ!』
「自領で予約する貴族は居ないだろ?私は視察も兼ねているし」
『痛い目を見ないと解らないようだな。我等レナンジェス流格闘術の餌食にしてやろう!』
そう言いながら飛び掛かってくる警備兵。
(仕方がない)
レナンジェスは旋風脚だけで警備兵を吹き飛ばした。
『お前は…何者だ?』
警備兵は信じられないという顔をする。そこに隊長と思われる人物がやってくる。
「総師範様、流石ですな」
「見ていて何故助けてくれない?」
「この者達が最近、天狗になっておりまして」
「鼻っ柱をへし折る為に?」
「さようでございます。レナンジェス=ハックマン様」
その言葉に警備兵は青い顔をする。
「これで解っただろう。お前達の未熟さが」
『はい…』
「それからこの者達の処遇ですが…」
「仕事をしただけだ。それよりも直ぐに止めて欲しかったよ」
レナンジェスはそう言うと皆を許すと宣言する。
『俺達もレナンジェス様を目指して精進します!』
兵士達は尊敬の眼差しでそう言うと持ち場に戻るのであった。
(何故こうなる?)
レナンジェスはビーチパラソルの下でアイスティーを飲みながらマッチョの男に囲まれている。
マッチョ達はポージングで会話をするように順番にそれをする。
(私はマッチョより細身のイケメンか美少女が良いのだが…)
そう考えながらそれを茫然と眺めるレナンジェス。
『漢は筋肉だ!』
マッチョ達はそう言うなりポージングの会話を始めたわけだが周りの女子やカップルがワイワイ騒いでいる。
「筋肉はほどほどにしないと…」
レナンジェスがそう言うとマッチョ達は筋肉の素晴らしを口にしながらポージングする。
「ではボディービル大会と浜辺の女王コンテストでもするかい?」
その言葉に砂浜中が盛り上がるのであった。
心の中でそう叫びながら夏休みの宿題を進めるレナンジェス。夏休みでも仕事はある。やれるうちにやらないと後で苦しむのは自分だ。
(宿題が簡単でよかった。これなら2日で終わる)
レナンジェスは学生寮で宿題を進めていく。他の生徒は自領に戻っている為にとても静かだ。それから2日かけて宿題を全て終わらせたレナンジェスは自領に戻る準備を始めるのであった。
「レナンジェスちゃ~ん。ママは悲しいわ!何で初日から戻ってくれないの!!」
実家に戻ると母がそう言いながらヒューイとドゥーイにメイド服を着せる。
「兄さま、夏休みの間はヒューイとドゥーイを借りますわよ!」
妹はそう言うと早速、2人を連れて遊びに行ってしまった。その後に残されたのは悲しそうに3人を見送る母の姿。
「母上…兄上もお疲れでしょう。本日はゆっくりと休養して頂く方が良いかと」
弟のブルックリンは母を諫めながら言う。
「そんな…ブルックリンちゃんまで…ママは悲しい」
そう言いながらシクシク泣き出す母。
「わが胸で思う存分泣くが良い」
父は母を抱きしめると彼女の頭を撫でながらイチャつく。
「父上、母上…」
ブルックリンは呆れかえった表情をしながら自室に戻る。何でも自領の改善案と学院に向けての勉強を明日までに終わらせるらしい。
「ブルックリンは偉いね」
レナンジェスは紅茶を啜りながらメイドに言う。
「そうですね。来週から婿養子にと打診があった侯爵家令嬢と第二婦人予定の伯爵令嬢がいらっしゃいますから」
何でも2つ年下の第一婦人、第二婦人候補もいるらしい。
(前言撤回!お前も敵だ!!)
レナンジェスは心の中で血の涙を流しながらそう叫んでいた。
翌日、レナンジェスは海辺のリゾート地を訪れる。視察名目で遊ぶためだ。
(男はフンドシ姿、女性はワンピースの水着。我ながら良いチョイスだわ)
レナンジェスは鼻の下を伸ばして海水浴場を眺める。イチャつくカップルもいるが女性同士や男性同士も多い。
(ここに居る皆は知っているかな?夏の思い出は長さで表せるのだよ。ひと夏のメモリーとして)
そんな事を考えながらトランクス型の水着にパーカーを羽織ると砂浜に向かって行くレナンジェス。周りからは奇妙な視線を浴びせられる。
(何だ?この反応は?)
そう考えている時だった。
「おい、トランクス着用は貴族以外禁止だぞ。直ぐにフンドシを履きなさい!」
警備員がそう言うとレナンジェスを連れ出そうとする。
「何をする!」
レナンジェスは思わず警備員を投げ飛ばした。
「不審者だ!」
投げ飛ばされた警備員は笛を吹きながら呻き声を上げる。するとレナンジェスは警備兵に取り囲まれた。
『無駄な抵抗を止めて投降しろ!』
「何故?私は貴族だぞ?」
『貴族様は事前に予約されて来られる。そんな予約は無かったぞ!』
「自領で予約する貴族は居ないだろ?私は視察も兼ねているし」
『痛い目を見ないと解らないようだな。我等レナンジェス流格闘術の餌食にしてやろう!』
そう言いながら飛び掛かってくる警備兵。
(仕方がない)
レナンジェスは旋風脚だけで警備兵を吹き飛ばした。
『お前は…何者だ?』
警備兵は信じられないという顔をする。そこに隊長と思われる人物がやってくる。
「総師範様、流石ですな」
「見ていて何故助けてくれない?」
「この者達が最近、天狗になっておりまして」
「鼻っ柱をへし折る為に?」
「さようでございます。レナンジェス=ハックマン様」
その言葉に警備兵は青い顔をする。
「これで解っただろう。お前達の未熟さが」
『はい…』
「それからこの者達の処遇ですが…」
「仕事をしただけだ。それよりも直ぐに止めて欲しかったよ」
レナンジェスはそう言うと皆を許すと宣言する。
『俺達もレナンジェス様を目指して精進します!』
兵士達は尊敬の眼差しでそう言うと持ち場に戻るのであった。
(何故こうなる?)
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マッチョ達はポージングで会話をするように順番にそれをする。
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「筋肉はほどほどにしないと…」
レナンジェスがそう言うとマッチョ達は筋肉の素晴らしを口にしながらポージングする。
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