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第五十二話 どうやら失恋したみたいです
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翌日、ミュージーとルーアに会うと2人は顔を赤らめた。
「どうされたのですか?」
レナンジェスが問いかける。
「聞かないでください」
ミュージーがそう言いながら顔を赤く染める。
(この反応は…R18枠に突入したのか!!乙女ゲームをエロゲにしたのか!!)
レナンジェスは心の中で血の涙を流しながら叫ぶ。
彼の乙女ゲームの概念はドラマの様な大恋愛である。逆ハーレムルートも恋愛の末に辿り着く1つの結末でしかない。
現実では思春期なのだからR18に興味を持っても不思議ではないが彼はそれを良しとしない。
勿論、801系の展開を何回か迎えたがそれはキスの延長線だと彼は考えていたのだ。そこから先は「エロゲでもしていろ!」と言うのが彼のポリシーだ。
「まさか…」
レナンジェスは顔面蒼白で尋ねる。
『はい…接吻を…』
その言葉で溜飲が下がるレナンジェス。もし、俺様王子がエロ同人みたいな行動を起こしていたら鉄拳制裁だ。
(主要キャラは純愛で居て貰わないと困る。R18に突入して良いのは私みたいに枯れ果てたおばさんだけだ!!)
心の中でそう叫んでいた。
『どうやら…アリウスが接吻したらしい…』
ミーアの部屋に行くとW王子はレナンジェスにそう呟いた。
「そうですか」
『そうですかではない!先を越されたのだぞ!!』
2人は悔しがる。
「だったら早く決着をつけてください」
レナンジェスがそう言うとW王子の鉄拳制裁を食らう。
『我等は大恋愛がしたいのだ!!』
その言葉に鼻血を吹き出す悪役令嬢。
「でしたら…百合の世界も…」
アリスが参戦してくる。
「本当にアリス様は百合なのですか?」
レナンジェスは悪戯な笑みを浮かべ問い掛ける。
「基本百合ですわよ。両方いけますけど」
その言葉でW王子の顔面が蒼白になる。このままではアリスを中心としたハーレムになりかねないと危惧したのだろう。
『やはり1人の女性を愛するのが男として正しい姿だろう』
「では、私はどちらかを女装させて付き合えば良いのですか?」
『そうではなくてだな』
「基本は百合でも相手は1人ですから。それでしたらチャールズ殿下とカイザル殿下が付き合えば丸く収まりますわ」
『そんな趣味はない!』
「もう…我儘ですねぇ」
そう言いながらアリスが紅茶を啜る。
「ある意味では大恋愛ですが。1人の女性を3人で取り合うのですから」
レナンジェスがそう言うと何故か納得する2人。
「我は…汚れた愛でも構わぬが…」
ライディースがレナンジェスの耳元で囁いた。
翌日、俺様王子に呼び出されるレナンジェス。
「何でしょうか?」
「レナンジェス…すまない、俺様と別れてくれ」
「え?」
「俺様はミュージーとルーアに接吻をした。その責任を取らなくてはならない」
「ハァ」
「それで…もう関係を終わりにしたいのだ」
そう言いながら寂しそうな表情を浮かべる俺様王子アリウス。
(あれ?)
レナンジェスは一筋の涙を流している事に気が付く。
「ごめん…本当にごめん」
俺様王子は辛そうにそう言うと走り去って行った。
「何故?私は何故泣いている?」
俺様王子には振り回されてばかりだった。我儘でこちらの都合を考えない。そんな男だったのに…別れを切り出されると彼の唇やゴックンの味を思い出す。
(あぁ、私は失恋したのか)
そう理解した時、レナンジェスはトイレで泣いた。
翌日の放課後、レナンジェスは憑りつかれたかの様に仕事に励む。髪も少し短くしてみた。
『何があったのです?』
ミーアとアリスが心配そうに声を掛けて来た。
「大したことではありませんよ」
そう言いながら仕事をこなすレナンジェス。そんな彼を2人の少女は不安そうに見つめる。
「朕は聞くことくらいは出来るぞ」
「レナンジェスよぉ、辛い事があったら言っても良いんだぜぇ」
2人の優しさを残酷に感じるレナンジェス。
「大丈夫ですから」
彼は精一杯の作り笑いでそう答えた。
「どうされたのですか?」
レナンジェスが問いかける。
「聞かないでください」
ミュージーがそう言いながら顔を赤く染める。
(この反応は…R18枠に突入したのか!!乙女ゲームをエロゲにしたのか!!)
レナンジェスは心の中で血の涙を流しながら叫ぶ。
彼の乙女ゲームの概念はドラマの様な大恋愛である。逆ハーレムルートも恋愛の末に辿り着く1つの結末でしかない。
現実では思春期なのだからR18に興味を持っても不思議ではないが彼はそれを良しとしない。
勿論、801系の展開を何回か迎えたがそれはキスの延長線だと彼は考えていたのだ。そこから先は「エロゲでもしていろ!」と言うのが彼のポリシーだ。
「まさか…」
レナンジェスは顔面蒼白で尋ねる。
『はい…接吻を…』
その言葉で溜飲が下がるレナンジェス。もし、俺様王子がエロ同人みたいな行動を起こしていたら鉄拳制裁だ。
(主要キャラは純愛で居て貰わないと困る。R18に突入して良いのは私みたいに枯れ果てたおばさんだけだ!!)
心の中でそう叫んでいた。
『どうやら…アリウスが接吻したらしい…』
ミーアの部屋に行くとW王子はレナンジェスにそう呟いた。
「そうですか」
『そうですかではない!先を越されたのだぞ!!』
2人は悔しがる。
「だったら早く決着をつけてください」
レナンジェスがそう言うとW王子の鉄拳制裁を食らう。
『我等は大恋愛がしたいのだ!!』
その言葉に鼻血を吹き出す悪役令嬢。
「でしたら…百合の世界も…」
アリスが参戦してくる。
「本当にアリス様は百合なのですか?」
レナンジェスは悪戯な笑みを浮かべ問い掛ける。
「基本百合ですわよ。両方いけますけど」
その言葉でW王子の顔面が蒼白になる。このままではアリスを中心としたハーレムになりかねないと危惧したのだろう。
『やはり1人の女性を愛するのが男として正しい姿だろう』
「では、私はどちらかを女装させて付き合えば良いのですか?」
『そうではなくてだな』
「基本は百合でも相手は1人ですから。それでしたらチャールズ殿下とカイザル殿下が付き合えば丸く収まりますわ」
『そんな趣味はない!』
「もう…我儘ですねぇ」
そう言いながらアリスが紅茶を啜る。
「ある意味では大恋愛ですが。1人の女性を3人で取り合うのですから」
レナンジェスがそう言うと何故か納得する2人。
「我は…汚れた愛でも構わぬが…」
ライディースがレナンジェスの耳元で囁いた。
翌日、俺様王子に呼び出されるレナンジェス。
「何でしょうか?」
「レナンジェス…すまない、俺様と別れてくれ」
「え?」
「俺様はミュージーとルーアに接吻をした。その責任を取らなくてはならない」
「ハァ」
「それで…もう関係を終わりにしたいのだ」
そう言いながら寂しそうな表情を浮かべる俺様王子アリウス。
(あれ?)
レナンジェスは一筋の涙を流している事に気が付く。
「ごめん…本当にごめん」
俺様王子は辛そうにそう言うと走り去って行った。
「何故?私は何故泣いている?」
俺様王子には振り回されてばかりだった。我儘でこちらの都合を考えない。そんな男だったのに…別れを切り出されると彼の唇やゴックンの味を思い出す。
(あぁ、私は失恋したのか)
そう理解した時、レナンジェスはトイレで泣いた。
翌日の放課後、レナンジェスは憑りつかれたかの様に仕事に励む。髪も少し短くしてみた。
『何があったのです?』
ミーアとアリスが心配そうに声を掛けて来た。
「大したことではありませんよ」
そう言いながら仕事をこなすレナンジェス。そんな彼を2人の少女は不安そうに見つめる。
「朕は聞くことくらいは出来るぞ」
「レナンジェスよぉ、辛い事があったら言っても良いんだぜぇ」
2人の優しさを残酷に感じるレナンジェス。
「大丈夫ですから」
彼は精一杯の作り笑いでそう答えた。
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