54 / 88
第五十四話 運動会―前
しおりを挟む
運動会の日、各地から貴族が集まってくる。息子の晴れ舞台を見る為に。
『第一種目、城塞旗取り競争です』
視界の言葉で紅白に別れた全校生徒が向き合う。
『それでは開始!』
その合図と共に雄叫びをあげながら突進する前衛。後衛は魔法で攻撃してくる。
(これは殺し合いだな)
安全配慮されていても一歩間違えば大怪我は避けられない。
(ここは一気に終わらせる)
ニーソックスチアリーダー服のレナンジェスが突貫する。
『レナンジェスだぁ!』
『弱点はパンチラだ!パンチラを視認せよ!!』
モブ貴族の怒声が聞こえる。そして全員がほふく前進を始めた。
(甘い!)
レナンジェスは華麗にスルーして敵陣を目指す。
『パンチラが見えないだと!』
『絶対領域で…俺はもう駄目だぁ』
『我等の屍を乗り越えてあいつを止めろ!!』
そう叫びながら倒れ伏すモブ男子。シケの花の香りがするのはスルーだ。
『女子全員で止めるわよ!』
モブ女子達が魔法を放ってくる。それを難なく回避するレナンジェス。
『なんて事ですの!あの動きでパンチラが見えないなんて!!』
『報告!絶対領域に釘付けにされる生徒多数!!』
『恐るべし絶対領域!!』
そんな声を無視してレナンジェスは敵陣の旗を取る。その瞬間に大ブーイングが起こった。
『見えそうで見えないのは反則だ!!』
『と言うか見せろ!!』
『空気を読め!!』
保護者石からのブーイングは凄まじい。
「これがワラワが考案した対貴族兵器である!」
第一王妃がマイク越しで叫ぶと皆は沈黙する。
『見えないのは反則ですわ』
『想像力が膨らんで…』
貴族達はそう言いながらレナンジェスを舐め回すように見つめる。
(この国の貴族は大丈夫なのか?)
そんな事を考えながらレナンジェスは自陣に戻って行った。
そして次の競技は伝令競争だ。
『次こそは…』
貴族全員がうつ伏せに寝ながら教義を見守る。そしてレナンジェスが走り出すと血走った目付きでレナンジェスを見る。
『スカートが揺れても見えないだと!』
『あのスカートはいったい…』
『あり得ませんわ!絶対防御のスカートなど…』
保護者が大騒ぎだ。そして競争でほふく前進してくる貴族は何なのか?
『グゥ…オレはここまでか…』
『まさか想像力が最大の敵とは…』
そう言いながら動かなくなる。
『援護射撃用意!』
モブ女子達がそう叫ぶと倒れた男達に風魔法や水魔法で攻撃する。するとモブ男子は転げまわりながら高速でレナンジェスに迫ってくる。
「それは反則では?」
『ベーコンレタスの為です!』
モブ女子はそう言いながら波状攻撃を加える。
(まずい…)
レナンジェスは速度を上げると早々に次の走者にバトンを渡す。
『使えない男子ですわ!!』
女子はそう言うとバトンだけ次の走者に飛ばした。どうやらバトンの受け渡しだけが重要らしい。
「ハァ…」
聖女ミュージーは溜息交じりで男子生徒を回復させる。
『父上が川の向こう岸で手を振っていた…』
意識を取り戻すと一斉に叫ぶ男子。
『勝手に殺すな!まだまだ現役だ!!』
モブ貴族が応援席から怒声を飛ばす。
その後、レナンジェスが広げた差でチームは1位になる。
『次こそは!!』
負けたチームは何故か円陣を組み『打倒!鉄壁のスカート!!』と叫んだ。
「王妃様…このままでは運動会になりません」
レナンジェスは王妃に懇願する。
「十分な運動量ではないか」
第一王妃はニヤリと笑いながら国王を見る。彼は顔を紅潮させながらチアリーダー服を持っている。
「今夜は熱帯夜ですわね」
第二王妃はそう言いながら悪戯な笑みを浮かべている。
(この人達もダメだ…)
レナンジェスは心の中で諦めていた。
『第一種目、城塞旗取り競争です』
視界の言葉で紅白に別れた全校生徒が向き合う。
『それでは開始!』
その合図と共に雄叫びをあげながら突進する前衛。後衛は魔法で攻撃してくる。
(これは殺し合いだな)
安全配慮されていても一歩間違えば大怪我は避けられない。
(ここは一気に終わらせる)
ニーソックスチアリーダー服のレナンジェスが突貫する。
『レナンジェスだぁ!』
『弱点はパンチラだ!パンチラを視認せよ!!』
モブ貴族の怒声が聞こえる。そして全員がほふく前進を始めた。
(甘い!)
レナンジェスは華麗にスルーして敵陣を目指す。
『パンチラが見えないだと!』
『絶対領域で…俺はもう駄目だぁ』
『我等の屍を乗り越えてあいつを止めろ!!』
そう叫びながら倒れ伏すモブ男子。シケの花の香りがするのはスルーだ。
『女子全員で止めるわよ!』
モブ女子達が魔法を放ってくる。それを難なく回避するレナンジェス。
『なんて事ですの!あの動きでパンチラが見えないなんて!!』
『報告!絶対領域に釘付けにされる生徒多数!!』
『恐るべし絶対領域!!』
そんな声を無視してレナンジェスは敵陣の旗を取る。その瞬間に大ブーイングが起こった。
『見えそうで見えないのは反則だ!!』
『と言うか見せろ!!』
『空気を読め!!』
保護者石からのブーイングは凄まじい。
「これがワラワが考案した対貴族兵器である!」
第一王妃がマイク越しで叫ぶと皆は沈黙する。
『見えないのは反則ですわ』
『想像力が膨らんで…』
貴族達はそう言いながらレナンジェスを舐め回すように見つめる。
(この国の貴族は大丈夫なのか?)
そんな事を考えながらレナンジェスは自陣に戻って行った。
そして次の競技は伝令競争だ。
『次こそは…』
貴族全員がうつ伏せに寝ながら教義を見守る。そしてレナンジェスが走り出すと血走った目付きでレナンジェスを見る。
『スカートが揺れても見えないだと!』
『あのスカートはいったい…』
『あり得ませんわ!絶対防御のスカートなど…』
保護者が大騒ぎだ。そして競争でほふく前進してくる貴族は何なのか?
『グゥ…オレはここまでか…』
『まさか想像力が最大の敵とは…』
そう言いながら動かなくなる。
『援護射撃用意!』
モブ女子達がそう叫ぶと倒れた男達に風魔法や水魔法で攻撃する。するとモブ男子は転げまわりながら高速でレナンジェスに迫ってくる。
「それは反則では?」
『ベーコンレタスの為です!』
モブ女子はそう言いながら波状攻撃を加える。
(まずい…)
レナンジェスは速度を上げると早々に次の走者にバトンを渡す。
『使えない男子ですわ!!』
女子はそう言うとバトンだけ次の走者に飛ばした。どうやらバトンの受け渡しだけが重要らしい。
「ハァ…」
聖女ミュージーは溜息交じりで男子生徒を回復させる。
『父上が川の向こう岸で手を振っていた…』
意識を取り戻すと一斉に叫ぶ男子。
『勝手に殺すな!まだまだ現役だ!!』
モブ貴族が応援席から怒声を飛ばす。
その後、レナンジェスが広げた差でチームは1位になる。
『次こそは!!』
負けたチームは何故か円陣を組み『打倒!鉄壁のスカート!!』と叫んだ。
「王妃様…このままでは運動会になりません」
レナンジェスは王妃に懇願する。
「十分な運動量ではないか」
第一王妃はニヤリと笑いながら国王を見る。彼は顔を紅潮させながらチアリーダー服を持っている。
「今夜は熱帯夜ですわね」
第二王妃はそう言いながら悪戯な笑みを浮かべている。
(この人達もダメだ…)
レナンジェスは心の中で諦めていた。
10
あなたにおすすめの小説
この僕が、いろんな人に詰め寄られまくって困ってます!〜まだ無自覚編〜
小屋瀬
BL
〜まだ無自覚編〜のあらすじ
アニメ・漫画ヲタクの主人公、薄井 凌(うすい りょう)と、幼なじみの金持ち息子の悠斗(ゆうと)、ストーカー気質の天才少年の遊佐(ゆさ)。そしていつもだるーんとしてる担任の幸崎(さいざき)teacher。
主にこれらのメンバーで構成される相関図激ヤバ案件のBL物語。
他にも天才遊佐の事が好きな科学者だったり、悠斗Loveの悠斗の実の兄だったりと個性豊かな人達が出てくるよ☆
〜自覚編〜 のあらすじ(書く予定)
アニメ・漫画をこよなく愛し、スポーツ万能、頭も良い、ヲタク男子&陽キャな主人公、薄井 凌(うすい りょう)には、とある悩みがある。
それは、何人かの同性の人たちに好意を寄せられていることに気づいてしまったからである。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
【超重要】
☆まず、主人公が各キャラからの好意を自覚するまでの間、結構な文字数がかかると思います。(まぁ、「自覚する前」ということを踏まえて呼んでくだせぇ)
また、自覚した後、今まで通りの頻度で物語を書くかどうかは気分次第です。(だって書くの疲れるんだもん)
ですので、それでもいいよって方や、気長に待つよって方、どうぞどうぞ、読んでってくだせぇな!
(まぁ「長編」設定してますもん。)
・女性キャラが出てくることがありますが、主人公との恋愛には発展しません。
・突然そういうシーンが出てくることがあります。ご了承ください。
・気分にもよりますが、3日に1回は新しい話を更新します(3日以内に投稿されない場合もあります。まぁ、そこは善処します。(その時はまた近況ボード等でお知らせすると思います。))。
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~
水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。
アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。
氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。
「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」
辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。
これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!
【完結】双子の兄が主人公で、困る
* ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……!
ルティとトトの動画を作りました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
本編、両親にごあいさつ編、完結しました!
おまけのお話を、時々更新しています。
本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~
紫鶴
BL
早く退職させられたい!!
俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない!
はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!!
なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。
「ベルちゃん、大好き」
「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」
でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。
ーーー
ムーンライトノベルズでも連載中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる