151 / 294
バイトを終えてから~夏休みが終わるまで
第151話 まさかの2人が口論?
しおりを挟む
『千玲』の受付で、沙織さんは千夏さん・千春さんに当時の話をした。その後に千夏さんが“慰謝料”について触れたものの、満里奈さんが難しい顔をしている。
彼女は真面目だから、思う事があるかもしれないな…。
「満里奈、ずいぶん考え込んでるね」
千夏さんも気になったのか、そう指摘する。
「慰謝料は精神的苦痛をお金で和らげるもので『もらえるものはもらう』は違う気がします。それに離婚を望んでいる場合は苦痛を感じないのでは?」
そういえば、沙織さんは明夫さんの話より前に離婚について検討していた。満里奈さんの言う通りだ…。
「やっぱり満里奈は真面目だな~。でもさ、苦痛を感じてないってどうやって証明するの?」
「えっ?」
「苦痛は見てわかるものじゃないよ? 愛山さんだってある程度シミュレーションしてたと思うけど、実際それに近い形になれば動揺するよね? 動揺だって精神的苦痛になるんじゃない?」
「それは…」
「苦痛にだって色々種類がある訳。今の愛山さんは大丈夫そうだけど、ちょっとした拍子で一気に来るかもしれないじゃん? そうなってからだと遅いんだよ」
「筋肉痛が後から来る感じだね!」
紬さんの空気を読まない発言に、沙織さん・千夏さん・千春さんの大人組がクスッと笑う。彼女はシリアスな空気を壊すのに最適だ。
「まぁそういう事。だから『もらえるもんはもらったほうが良い』って言ったの。今なら“あの時は気が動転してて言うの忘れた”で通じると思う」
離婚の話が出たのは2日前だから、今日含む数日がギリかも。
「それに、離婚後は2度と会わないんだよ? そんな人に気を遣う必要ある?」
千春さんのような円満離婚は例外だろうな…。
「…アドバイスありがとうございます。今からそう連絡します」
決心がついたのか、沙織さんはスマホを操作し始める。
「生活するにおいて、お金は切っても切れないからさ~。多いに越した事はないのよ。わかる満里奈?」
「それはわかります…」
「大人でもというか、大人のほうが自分勝手な気がする。アンタ達高校生よりやれる事が多いからかな」
自分勝手な大人で思い付いたのは、集金の時に会った女性だ。名前はもう忘れたが…。(108話参照)
「いつもエロい事ばかり言うお姉さんとは思えないぐらいカッコ良かったよ! 満里奈を論破するとは思わなかった!」
「一言余計! …アタシは満里奈と違って真面目じゃないし勉強は得意じゃないけど、これでも年上だから」
千夏さんは簡単そうに言うが、俺は年下を論破できるとは思えない…。
「満里奈は真面目に特化してて紬はおふざけに特化してる。真と詩織は空気によって変えられるから、意外にバランス良いよね、アンタ達」
沙織さんは俺達と同じ柔軟型かな?
「オッパイのバランスも良いよ~。詩織ちゃんは『大』、満里奈は『中』、んでウチは『小』!」
その分け方なら、沙織さんは『特大』だな。
沙織さんのスマホから受信音が聞こえた。明夫さんの返事がきたかもしれないので、全員彼女に注目する。
「…夫からです。『非はこちらにあるので、なるべく沙織の希望に沿うようにしたい』と書いてあります」
そうなるって事は、俺の存在はバレてないな。一安心だ。
「良かったじゃん愛山さん。これで少しは離婚後が楽になるね」
「そうですね、アドバイスがなかったら連絡できなかったと思います。本当にありがとうございます」
「気にしないで。アタシはちょっと背中を押しただけだし」
ちょっとどころか、かなり押した気がするが…。
「満里奈もこれで納得した?」
「はい。余計な事を言ってしまい、すみませんでした…」
「謝る事じゃないって。アンタの言いたい事もわかるから」
こっちも丸く収まって良かった。満里奈さんは紬さんと違って、言葉に気を付けてくれるから安心できる。
「慰謝料っていつもらえるの? どれぐらいもらえるの?」
紬さんが興味津々だ。
「さっき言ったでしょ? 『ケースバイケース』って。旦那さんにも都合があるから、愛山さんの希望が100%通るのは無理だと思ったほうが良いかも」
それは当然の話だな。明夫さんが生活を切り詰めてまで慰謝料を払うとは思えない。
「そうなると、話し合うためにお父さんがまた帰ってくるわね…」
その話し合い、どれぐらい続くんだろう? なんにせよ全員が納得できる結果になれば良い。
「俺達の事は気にしなくて良いですよ、沙織さん」
「ウチは気にするから、なるべく早く終わらせて!」
「あたしもさっさと終わって欲しいかな」
詩織さんは当事者だろ。それで良いのかよ?
「わたしも詩織と一緒ね。お父さんが不倫してるとわかったから…」
いわゆる“冷めた”ってやつか? 俺が女性陣にこんな反応されたら、メンタルは一瞬で崩壊するぞ。
「そういえばお姉さん、ちょっと訊きたいんだけどさ~」
今更紬さんは何を訊く気だ? まったく予想が付かないな…。
彼女は真面目だから、思う事があるかもしれないな…。
「満里奈、ずいぶん考え込んでるね」
千夏さんも気になったのか、そう指摘する。
「慰謝料は精神的苦痛をお金で和らげるもので『もらえるものはもらう』は違う気がします。それに離婚を望んでいる場合は苦痛を感じないのでは?」
そういえば、沙織さんは明夫さんの話より前に離婚について検討していた。満里奈さんの言う通りだ…。
「やっぱり満里奈は真面目だな~。でもさ、苦痛を感じてないってどうやって証明するの?」
「えっ?」
「苦痛は見てわかるものじゃないよ? 愛山さんだってある程度シミュレーションしてたと思うけど、実際それに近い形になれば動揺するよね? 動揺だって精神的苦痛になるんじゃない?」
「それは…」
「苦痛にだって色々種類がある訳。今の愛山さんは大丈夫そうだけど、ちょっとした拍子で一気に来るかもしれないじゃん? そうなってからだと遅いんだよ」
「筋肉痛が後から来る感じだね!」
紬さんの空気を読まない発言に、沙織さん・千夏さん・千春さんの大人組がクスッと笑う。彼女はシリアスな空気を壊すのに最適だ。
「まぁそういう事。だから『もらえるもんはもらったほうが良い』って言ったの。今なら“あの時は気が動転してて言うの忘れた”で通じると思う」
離婚の話が出たのは2日前だから、今日含む数日がギリかも。
「それに、離婚後は2度と会わないんだよ? そんな人に気を遣う必要ある?」
千春さんのような円満離婚は例外だろうな…。
「…アドバイスありがとうございます。今からそう連絡します」
決心がついたのか、沙織さんはスマホを操作し始める。
「生活するにおいて、お金は切っても切れないからさ~。多いに越した事はないのよ。わかる満里奈?」
「それはわかります…」
「大人でもというか、大人のほうが自分勝手な気がする。アンタ達高校生よりやれる事が多いからかな」
自分勝手な大人で思い付いたのは、集金の時に会った女性だ。名前はもう忘れたが…。(108話参照)
「いつもエロい事ばかり言うお姉さんとは思えないぐらいカッコ良かったよ! 満里奈を論破するとは思わなかった!」
「一言余計! …アタシは満里奈と違って真面目じゃないし勉強は得意じゃないけど、これでも年上だから」
千夏さんは簡単そうに言うが、俺は年下を論破できるとは思えない…。
「満里奈は真面目に特化してて紬はおふざけに特化してる。真と詩織は空気によって変えられるから、意外にバランス良いよね、アンタ達」
沙織さんは俺達と同じ柔軟型かな?
「オッパイのバランスも良いよ~。詩織ちゃんは『大』、満里奈は『中』、んでウチは『小』!」
その分け方なら、沙織さんは『特大』だな。
沙織さんのスマホから受信音が聞こえた。明夫さんの返事がきたかもしれないので、全員彼女に注目する。
「…夫からです。『非はこちらにあるので、なるべく沙織の希望に沿うようにしたい』と書いてあります」
そうなるって事は、俺の存在はバレてないな。一安心だ。
「良かったじゃん愛山さん。これで少しは離婚後が楽になるね」
「そうですね、アドバイスがなかったら連絡できなかったと思います。本当にありがとうございます」
「気にしないで。アタシはちょっと背中を押しただけだし」
ちょっとどころか、かなり押した気がするが…。
「満里奈もこれで納得した?」
「はい。余計な事を言ってしまい、すみませんでした…」
「謝る事じゃないって。アンタの言いたい事もわかるから」
こっちも丸く収まって良かった。満里奈さんは紬さんと違って、言葉に気を付けてくれるから安心できる。
「慰謝料っていつもらえるの? どれぐらいもらえるの?」
紬さんが興味津々だ。
「さっき言ったでしょ? 『ケースバイケース』って。旦那さんにも都合があるから、愛山さんの希望が100%通るのは無理だと思ったほうが良いかも」
それは当然の話だな。明夫さんが生活を切り詰めてまで慰謝料を払うとは思えない。
「そうなると、話し合うためにお父さんがまた帰ってくるわね…」
その話し合い、どれぐらい続くんだろう? なんにせよ全員が納得できる結果になれば良い。
「俺達の事は気にしなくて良いですよ、沙織さん」
「ウチは気にするから、なるべく早く終わらせて!」
「あたしもさっさと終わって欲しいかな」
詩織さんは当事者だろ。それで良いのかよ?
「わたしも詩織と一緒ね。お父さんが不倫してるとわかったから…」
いわゆる“冷めた”ってやつか? 俺が女性陣にこんな反応されたら、メンタルは一瞬で崩壊するぞ。
「そういえばお姉さん、ちょっと訊きたいんだけどさ~」
今更紬さんは何を訊く気だ? まったく予想が付かないな…。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる