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夏休み明け最初の『千玲』・“ソフィー”
第235話 『何でも』を悪用する気満々の紬さん
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『千玲』に着くと、依頼の終わりに寄ったウィルベルさんに偶然会った。彼女が話に出てきた“割引券”に興味を示したので、フリースペースに移動してから話す事にした。
「実は俺達の高校も“エロい体育祭”をやる事になりまして…」
「そうなんだ~。あの情報が本当に役に立つとは思わなかったヨ」(126話参照)
「俺達4人とこれから来る2人を合わせた6人で実行委員をしていて、今まで何度も話し合いをしてきました」
「一番張り切ってるのはツムギだよネ?」
「はい。担任や校長に何度も無茶振りしてますけど…」
聞いてるこっちがヒヤヒヤするレベルだ。
「紬ちゃんらしいわね♪」
クスッと笑う沙織さん。
「とはいえ、生徒全員がエロい体育祭に賛成する訳ないので、パイパイ(PAYPAY)というポイントを貯める人だけ、エロを楽しめる感じにしました。ポイントに興味がなければ、普通の体育祭と大差ないはずです」
当日をスクール水着で過ごす事と“ブラみみ”の騎馬戦は例外になるが、多分何とかなるだろ。
「なるほど~。ちゃんと考えてるネ」
「失敗できませんから…」
来年以降の開催に関わるからな。
「さっきチナツが言ってた割引券は、そのポイントを貯めた人みんなに渡すノ?」
それもアリな気がするが、今は置いておこう。
「いえ、違います。さっき言ったエロを楽しめる感じですが、ポイントを貯めている人同士で“エロい命令”ができるようにしたんです。後で問題が起きないように『誓約書』を書いてもらいますが…」
「誓約書…。大人の世界では珍しくないけど、高校生のマコトの口から出るとビックリだネ」
「ウィルベルさんもそう思います? わたしも初めて聞いた時は驚きました」
本来はエロ目的で使うものじゃないし…。
「その命令で人数制限するつもりはありませんが、特定の人に偏りやすいですよね? そういう人に予算を使わないサービスをするために割引券を渡すんです」
「確かに何かしらのサービスがないと可哀想だよネ」
「銭湯のここと喫茶店の“ソフィー”なら利用してもらえるかな? と思いまして…」
「ちょっと待って。この話、アカリとツキヨも知ってるの? 本当にワタシだけ仲間外レ…」
「すみません…」
こんな展開になるなら教えるべきだった。
「別に良いよ。――その体育祭はいつやるノ?」
「10月20日です」
「あと1か月ぐらいだね…。ワタシも宣伝を兼ねて割引券を渡す事にするヨ!」
「良いんですか? ありがとうございます」
こういうのが“ウィンウィン”だよな。
「ねぇマコト。やっぱり『探偵』ってハードル高いのかナ?」
さっきはあんな事言ってたが、声をかけられなかった理由が気になるようだ。ここは正直に伝えたほうが良いな。
「高いというか、依頼がなくて接点がないと言いますか…。俺達だって沙織さんの件以外、まったく依頼してませんから」
そもそも、日常生活で探偵に調査をお願いしたいと思う事がない。
「そっか~。前々から『探偵事務所』の名前を変えようと思ってたんだよ。だって探偵として仕事したの、アイヤマさんの時だけだかラ」
「えっ? あれから1件もそういう依頼ないんですか?」
俺の予想以上にニーズがないかも…。
「うん。みんな探偵じゃなくて『何でも屋』として見てると思う。実際、ワタシもそっちのほうが合う気がしてル」
夏休みに会った時に近況を聞いたが、依頼の内容はさほど変わらないみたいだ。(159話参照)
「でも『何でも事務所』みたいにすると、できなかったりやる気がない時に言い訳できないのが困るよね~。『何でもじゃないじゃん!』とか言われそウ」
そんなイチャモンつける人いるのか…?
「それは依頼の内容で判断しても良いと思いますよ。悪い事に加担するのはダメです」
世の中良い人ばかりじゃないし、何でもを悪用する人はいると思う。沙織さんもそう思ったからアドバイスしたんだな。
「アイヤマさんの言う通りだね。じゃあ『何でも事務所(一部例外アリ)』にしよう。それなら文句言われないよネ?」
「はい♪」
そういう方針になったなら、これからは積極的に声をかけようかな。
「ホントにウィルちゃんいるじゃ~ん!」
声がしたほうを見ると、紬さん・南谷さん・倉敷さんがこちらに向かって来る。千夏さんから事情を聞いたようだ。
「ツムギ久しぶり。割引券の事はさっきマコトから聞いたよ。ワタシも『何でも事務所』として協力するかラ」
「何でも事務所? ウィルちゃん、探偵辞めちゃうの?」
「そっちの仕事はアイヤマさんの件以降、1回もやってないの。探偵が入ってるとハードル高そうだから、何でもに変えるんだヨ」
「ふ~ん。何でもやってくれるんだ~」
ニヤニヤする紬さん。エロい命令なのは確定してるな…。
「一部例外アリだからネ」
「一部ってどれぐらい? エロ系なら何でもOK?」
「さすがに何でもは無理。内容を聞いてから判断するヨ」
「そのあたりは後でじっくり確認するとして、先に2人を紹介しないと。こっちにいるのがみなちゃんで、こっちがひめちゃんだよ」
「南谷 凛です。よろしくお願いします」
「倉敷 姫華ですわ。以後お見知りおきを」
「ウィルベル=エスリートだヨ~」
これで全員合流して自己紹介も済んだな。8人もいると盛り上がるが、この後の予定はどうなる事やら…。
「実は俺達の高校も“エロい体育祭”をやる事になりまして…」
「そうなんだ~。あの情報が本当に役に立つとは思わなかったヨ」(126話参照)
「俺達4人とこれから来る2人を合わせた6人で実行委員をしていて、今まで何度も話し合いをしてきました」
「一番張り切ってるのはツムギだよネ?」
「はい。担任や校長に何度も無茶振りしてますけど…」
聞いてるこっちがヒヤヒヤするレベルだ。
「紬ちゃんらしいわね♪」
クスッと笑う沙織さん。
「とはいえ、生徒全員がエロい体育祭に賛成する訳ないので、パイパイ(PAYPAY)というポイントを貯める人だけ、エロを楽しめる感じにしました。ポイントに興味がなければ、普通の体育祭と大差ないはずです」
当日をスクール水着で過ごす事と“ブラみみ”の騎馬戦は例外になるが、多分何とかなるだろ。
「なるほど~。ちゃんと考えてるネ」
「失敗できませんから…」
来年以降の開催に関わるからな。
「さっきチナツが言ってた割引券は、そのポイントを貯めた人みんなに渡すノ?」
それもアリな気がするが、今は置いておこう。
「いえ、違います。さっき言ったエロを楽しめる感じですが、ポイントを貯めている人同士で“エロい命令”ができるようにしたんです。後で問題が起きないように『誓約書』を書いてもらいますが…」
「誓約書…。大人の世界では珍しくないけど、高校生のマコトの口から出るとビックリだネ」
「ウィルベルさんもそう思います? わたしも初めて聞いた時は驚きました」
本来はエロ目的で使うものじゃないし…。
「その命令で人数制限するつもりはありませんが、特定の人に偏りやすいですよね? そういう人に予算を使わないサービスをするために割引券を渡すんです」
「確かに何かしらのサービスがないと可哀想だよネ」
「銭湯のここと喫茶店の“ソフィー”なら利用してもらえるかな? と思いまして…」
「ちょっと待って。この話、アカリとツキヨも知ってるの? 本当にワタシだけ仲間外レ…」
「すみません…」
こんな展開になるなら教えるべきだった。
「別に良いよ。――その体育祭はいつやるノ?」
「10月20日です」
「あと1か月ぐらいだね…。ワタシも宣伝を兼ねて割引券を渡す事にするヨ!」
「良いんですか? ありがとうございます」
こういうのが“ウィンウィン”だよな。
「ねぇマコト。やっぱり『探偵』ってハードル高いのかナ?」
さっきはあんな事言ってたが、声をかけられなかった理由が気になるようだ。ここは正直に伝えたほうが良いな。
「高いというか、依頼がなくて接点がないと言いますか…。俺達だって沙織さんの件以外、まったく依頼してませんから」
そもそも、日常生活で探偵に調査をお願いしたいと思う事がない。
「そっか~。前々から『探偵事務所』の名前を変えようと思ってたんだよ。だって探偵として仕事したの、アイヤマさんの時だけだかラ」
「えっ? あれから1件もそういう依頼ないんですか?」
俺の予想以上にニーズがないかも…。
「うん。みんな探偵じゃなくて『何でも屋』として見てると思う。実際、ワタシもそっちのほうが合う気がしてル」
夏休みに会った時に近況を聞いたが、依頼の内容はさほど変わらないみたいだ。(159話参照)
「でも『何でも事務所』みたいにすると、できなかったりやる気がない時に言い訳できないのが困るよね~。『何でもじゃないじゃん!』とか言われそウ」
そんなイチャモンつける人いるのか…?
「それは依頼の内容で判断しても良いと思いますよ。悪い事に加担するのはダメです」
世の中良い人ばかりじゃないし、何でもを悪用する人はいると思う。沙織さんもそう思ったからアドバイスしたんだな。
「アイヤマさんの言う通りだね。じゃあ『何でも事務所(一部例外アリ)』にしよう。それなら文句言われないよネ?」
「はい♪」
そういう方針になったなら、これからは積極的に声をかけようかな。
「ホントにウィルちゃんいるじゃ~ん!」
声がしたほうを見ると、紬さん・南谷さん・倉敷さんがこちらに向かって来る。千夏さんから事情を聞いたようだ。
「ツムギ久しぶり。割引券の事はさっきマコトから聞いたよ。ワタシも『何でも事務所』として協力するかラ」
「何でも事務所? ウィルちゃん、探偵辞めちゃうの?」
「そっちの仕事はアイヤマさんの件以降、1回もやってないの。探偵が入ってるとハードル高そうだから、何でもに変えるんだヨ」
「ふ~ん。何でもやってくれるんだ~」
ニヤニヤする紬さん。エロい命令なのは確定してるな…。
「一部例外アリだからネ」
「一部ってどれぐらい? エロ系なら何でもOK?」
「さすがに何でもは無理。内容を聞いてから判断するヨ」
「そのあたりは後でじっくり確認するとして、先に2人を紹介しないと。こっちにいるのがみなちゃんで、こっちがひめちゃんだよ」
「南谷 凛です。よろしくお願いします」
「倉敷 姫華ですわ。以後お見知りおきを」
「ウィルベル=エスリートだヨ~」
これで全員合流して自己紹介も済んだな。8人もいると盛り上がるが、この後の予定はどうなる事やら…。
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