31 / 294
みんなを名前で呼ぶようになる
第31話 1等を取るプラン
しおりを挟む
帰宅して落ち着いた後、俺は自室にある中学の卒業アルバムを探す。詩織さん・紬さんが白石さんの外見を気にしていたからだ。その話をしている途中で、俺も久しぶりに見たくなったのもある。
――押し入れの隅の方でようやく発見した。さて、適当に読み進めるか。
読み進めた結果、卒業生の写真はない事がわかった。小学の卒業アルバムはどうかと思ってチェックしたところ、そっちにはあった。
この差は何だ? そう考えた時、3年の担任が『今年度からプライバシー保護のため、写真は廃止する』と言ったのを思い出した。まさかここで影響するとは…。
とはいえ、ないものは仕方ない。明日2人にそう説明しよう。
翌日。いつも通り登校すると、詩織さん達は既に自席にいる。今日の彼女は遅刻ギリギリじゃないようだ。
「おはよう真。今日はエロい夢見なかったから普通に来れたよ…」
そう言う詩織さんのテンションは低い。
「良かったじゃないか。バタバタしなくて」
「まぁね。でも物足りないわ…」
「詩織ちゃん残念だったね~。ウチはちゃんと見たよ」
「どういうのだった?」
「寝ている満里奈にディープキスする夢♡ 最初は抵抗してたけど、ウチのキステクですぐ堕ちちゃった♡」
「紬ちゃん、キスの経験あるんだ?」
「ないよ? 映画とかドラマのキスシーンでイメトレはできてるから、その通りにやっただけ♪」
キスに限らず、イメトレ通りに出来たら苦労しないぞ…。
「――あっ、そうそう。まーちゃん、中学の卒アルは見てくれた?」
「ああ。でも卒業生の写真は廃止してたからなかった」
「真の中学もそうだったんだ? あたしのとこもそう」
「ウチと満里奈の中学は普通にあったよ。ねぇ?」
「うん。私は写真苦手だから、ないほうが良かったなぁ…」
これで白石さんの話は終わったか、なんて思っていたら。
「まーちゃん、似顔絵描いてくれない? やっぱり気になるからさ~」
「無茶言わないでくれ! 俺、絵は苦手なんだよ」
棒人間しか描けないレベルだ。
「そっか~。じゃあ誰かから写真を借りるのは?」
「誰かって誰だ?」
「さぁ? その人の友達とか?」
「本人はおろか、その友達とも縁がなかったんだぞ。借りられる訳ないだろ」
「紬、ワガママ言ってまこくんを困らせないの」
「はいはい」
紬さんは納得してなさそうだが、俺だって好きでこうしてる訳じゃない。彼女の事だから、時間が経てば忘れると思う。
放課後になり、俺達は詩織さんの家に向かう。テスト勉強と下着屋“マコール”のクジについて話し合うためだ。詩織さん曰く『母さんが秘策を思い付いた』らしい。
どんなクジであれ、1等を取るのは簡単じゃない。一体どうする気だ?
彼女の家にお邪魔した後、俺達は50分黙々と勉強する。沙織さんと満里奈さんはメリハリを大事にするタイプだから、今はしっかり頑張ろう!
――長いような短いような50分を終えた。次はクジの話だ。
「みんなお疲れ様。みんなが学校行ってる間や勉強してる時に、わたしなりに調べた事があるの」
沙織さんは何を調べたんだろう? 全員固唾を呑んで見守る。
「この辺りにね、Hに関するご利益がある神社がそこそこあるのよ。そこでお参りすれば、神様が力を貸してくれると思うわ」
秘策って神頼みかよ! だが、他にクジ運を上げる方法はないか…。
「今日は火曜日だけど、テストはいつになるの? 詩織?」
「来週の水・木・金の3日間だね」
「“マコール”のキャンペーンは今週の土曜日まで開催していて、翌日の日曜日に貸し切りできるようになってるの」
そうだったのか。そこまで細かくチェックしてないから知らなかった。
「だから土曜日にお参りしてから、クジをする流れになるわね。もし1等を取れたら、日曜日も予定ができるわ。みんな大丈夫そう?」
テスト期間において、祝日の土日は貴重な時間だ。沙織さんが気にするのは当然だろう。
「ねぇねぇ、何で土曜日なの? 明日とかで良いじゃん」
紬さんが質問する。
「この辺りといっても、車であちこち移動するから時間がかかるのよ。それにわたしのパートの都合もあるからね」
そういう事情なら平日は厳しい。土曜日がベストだな。
「俺はその予定で大丈夫ですよ」
他の日に頑張れば何とかなる。
「あたしも」
「ウチは満里奈にフォローしてもらえば大丈夫!」
「あんたをフォローすると、私も復習になるからちょうど良いわ」
「みんな大丈夫そうね。それじゃあ、土曜日はお願い」
“マコール”の貸し切りは、俺達の関係に大きな影響を与える気がする。お賽銭はたくさん出すから、神様に何とかしてもらおう!
――押し入れの隅の方でようやく発見した。さて、適当に読み進めるか。
読み進めた結果、卒業生の写真はない事がわかった。小学の卒業アルバムはどうかと思ってチェックしたところ、そっちにはあった。
この差は何だ? そう考えた時、3年の担任が『今年度からプライバシー保護のため、写真は廃止する』と言ったのを思い出した。まさかここで影響するとは…。
とはいえ、ないものは仕方ない。明日2人にそう説明しよう。
翌日。いつも通り登校すると、詩織さん達は既に自席にいる。今日の彼女は遅刻ギリギリじゃないようだ。
「おはよう真。今日はエロい夢見なかったから普通に来れたよ…」
そう言う詩織さんのテンションは低い。
「良かったじゃないか。バタバタしなくて」
「まぁね。でも物足りないわ…」
「詩織ちゃん残念だったね~。ウチはちゃんと見たよ」
「どういうのだった?」
「寝ている満里奈にディープキスする夢♡ 最初は抵抗してたけど、ウチのキステクですぐ堕ちちゃった♡」
「紬ちゃん、キスの経験あるんだ?」
「ないよ? 映画とかドラマのキスシーンでイメトレはできてるから、その通りにやっただけ♪」
キスに限らず、イメトレ通りに出来たら苦労しないぞ…。
「――あっ、そうそう。まーちゃん、中学の卒アルは見てくれた?」
「ああ。でも卒業生の写真は廃止してたからなかった」
「真の中学もそうだったんだ? あたしのとこもそう」
「ウチと満里奈の中学は普通にあったよ。ねぇ?」
「うん。私は写真苦手だから、ないほうが良かったなぁ…」
これで白石さんの話は終わったか、なんて思っていたら。
「まーちゃん、似顔絵描いてくれない? やっぱり気になるからさ~」
「無茶言わないでくれ! 俺、絵は苦手なんだよ」
棒人間しか描けないレベルだ。
「そっか~。じゃあ誰かから写真を借りるのは?」
「誰かって誰だ?」
「さぁ? その人の友達とか?」
「本人はおろか、その友達とも縁がなかったんだぞ。借りられる訳ないだろ」
「紬、ワガママ言ってまこくんを困らせないの」
「はいはい」
紬さんは納得してなさそうだが、俺だって好きでこうしてる訳じゃない。彼女の事だから、時間が経てば忘れると思う。
放課後になり、俺達は詩織さんの家に向かう。テスト勉強と下着屋“マコール”のクジについて話し合うためだ。詩織さん曰く『母さんが秘策を思い付いた』らしい。
どんなクジであれ、1等を取るのは簡単じゃない。一体どうする気だ?
彼女の家にお邪魔した後、俺達は50分黙々と勉強する。沙織さんと満里奈さんはメリハリを大事にするタイプだから、今はしっかり頑張ろう!
――長いような短いような50分を終えた。次はクジの話だ。
「みんなお疲れ様。みんなが学校行ってる間や勉強してる時に、わたしなりに調べた事があるの」
沙織さんは何を調べたんだろう? 全員固唾を呑んで見守る。
「この辺りにね、Hに関するご利益がある神社がそこそこあるのよ。そこでお参りすれば、神様が力を貸してくれると思うわ」
秘策って神頼みかよ! だが、他にクジ運を上げる方法はないか…。
「今日は火曜日だけど、テストはいつになるの? 詩織?」
「来週の水・木・金の3日間だね」
「“マコール”のキャンペーンは今週の土曜日まで開催していて、翌日の日曜日に貸し切りできるようになってるの」
そうだったのか。そこまで細かくチェックしてないから知らなかった。
「だから土曜日にお参りしてから、クジをする流れになるわね。もし1等を取れたら、日曜日も予定ができるわ。みんな大丈夫そう?」
テスト期間において、祝日の土日は貴重な時間だ。沙織さんが気にするのは当然だろう。
「ねぇねぇ、何で土曜日なの? 明日とかで良いじゃん」
紬さんが質問する。
「この辺りといっても、車であちこち移動するから時間がかかるのよ。それにわたしのパートの都合もあるからね」
そういう事情なら平日は厳しい。土曜日がベストだな。
「俺はその予定で大丈夫ですよ」
他の日に頑張れば何とかなる。
「あたしも」
「ウチは満里奈にフォローしてもらえば大丈夫!」
「あんたをフォローすると、私も復習になるからちょうど良いわ」
「みんな大丈夫そうね。それじゃあ、土曜日はお願い」
“マコール”の貸し切りは、俺達の関係に大きな影響を与える気がする。お賽銭はたくさん出すから、神様に何とかしてもらおう!
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる