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『千玲』1日目
第70話 ゴムはどこで買う?
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今日8月1日から、俺達は2泊3日で『千玲』に泊まる。昼過ぎに沙織さんの家の前に集合し、彼女の車で向かう予定だ。
みんな夏休みの宿題は9割ぐらい終わったので、余程の事がない限り大丈夫だ。――こういうのはフラグになりやすいから、しばらく考えないようにしよう。
約束の時間に全員集まったので、早速沙織さんの車に乗り込む。
「みんな、忘れ物はないかしら?」
出発する直前、運転席にいる沙織さんが声をかける。
「着替えある…、枕ある…、ナプキンある…。――忘れ物ないよ!」
車内で大きなカバンを開けて確認する紬さん。
女子にとっては必需品とはいえ、生理用品は反応しにくいな…。
全員忘れ物がない事を確認した沙織さんは、車を発進させる。
「紬ちゃん、枕変わると眠れないタイプなんだ~。知らなかったよ」
そういうのは泊まる時しかわからないよな。幼馴染の満里奈さんはともかく、詩織さんが知らないのは無理ない。
「寝れないというより、よだれがたくさん出ちゃうんだよ。お母さんに『よその枕によだれ付けないようにして!』って言われたからさ~」
洗濯で落ちるとはいえ、誰だってよだれまみれの枕カバーは回収したくない…。
「そんな事より、まーちゃんゴム持ってる? 今気付いたよ」
言いにくいが、この際だから正直に言った方が良さそうだ。
「持ってないというか、どこで売ってるか知らないんだよ…」
わざわざ調べる気にならず、この時を迎えてしまった。
「真君、ゴムはコンビニとかドラッグストアで買えるわ。覚えておいて♪」
「…わかりました。教えていただきありがとうございます」
「まーちゃんって意外にズボラなんだね~。Hで絶対いるじゃん!」
「男の子にとってゴムは余計な物だから、無関心な事もあるわよ。あの人もそうだったし…」
「あの人? 母さん、誰の話?」
「大学生の時に付き合ってた彼氏。そういう時になったら『出さないからいらねーだろ!』の1点張りだったからすぐ別れたわ」
「その人チャラそうだね~。沙織ママに合わないって!」
紬さんはあの時初めて聞いた“沙織ママ”が気に入ったらしく、ずっと呼び続けている。最初の方は違和感があったが、今は何ともない。
「今はそう思うけど、あの時は若気の至りというか…」
沙織さんにもそういう時があったのか。
「『千玲』に行く前にコンビニで買いましょうか。持ってて損はしないから♪」
沙織さんはコンビニに寄り、本当にゴムを買ってくれた。本当に使う時は来るんだろうか…。
そんな事を考えてしばらくしたら『千玲』に着いたので、俺達は早速入る。
「いらっしゃい!」
「みんな待ってたわ♪」
受付にいたのは千夏さん・千春さん母娘だ。2人揃ってる時って今まであったか?
「お姉さん・オバさん聞いてよ~! まーちゃんが今日ゴム忘れてきたんだよ!」
言う必要ないだろ…。
「仕方ないでしょ。男は生と中出しが大好きだからさ~」
「真くん、予備あるからあげるわね♪」
千春さんが受付にある引き出しを開けようとした時…。
「それは良いの。沙織ママがコンビニで買ってくれたから」
「あら、そうなの?」
「はい。なので大丈夫です」
あり得ないと思うが、足りなくなったら貰おう。
「こんな時に持ってこないなんて、どこで買うか知らなかったんじゃない?」
千夏さん鋭いな…。
「お姉さんの言う通りだよ、まーちゃんだけなのかな? 旦那さんはどうだった?」
「そういう話はした事ないけど、あの時の玲も多分知らなかったと思うよ。ゴムいる時は毎回アタシが手渡してたから」
今の話を聞いた限り、玲さんも同じか。手渡しされたやつを断った感じじゃなさそうだ。何にせよ、仲間がいるとホッとするな。
「さて、おしゃべりはこれぐらいにして、部屋に案内しないとね」
「私が案内するから付いて来て♪」
千春さんが先導してくれるようだ。俺達は彼女に付いて行く。
過去に2回来た男湯・女湯の付近に『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた看板があるんだが、千春さんはその先に足を踏み入れる。
そしてすぐの角を曲がったところに、扉が2枚ある。
「みんなから見て、手前にある扉が泊まってもらう部屋になるわ♪ 奥は泊まる人専用の温泉よ♪」
「いつでも温泉入れる感じ?」
紬さんが尋ねる。
「入れるわ♪」
「やった~!」
「夕食は18時30分になるから、その時間になったらフリースペースに来てね♪」
「わかりました」
返事をする沙織さんだ。
『千玲』の営業時間が8時~18時なのは、以前満里奈さんが訊いてくれた。(62話参照)
つまり夕食は俺達だけなのか。気楽に過ごせて良いな。
「みんなが呼ばない限り私達が部屋に行く事はないから安心して♪」
それはエロい意味だろうな、きっと…。
全て話し終えたのか、千春さんは来た道を引き返して行く。
「ウチが一番乗りだ~!」
紬さんが小走りで部屋の扉に向かって行く。俺達も続くとしよう。
みんな夏休みの宿題は9割ぐらい終わったので、余程の事がない限り大丈夫だ。――こういうのはフラグになりやすいから、しばらく考えないようにしよう。
約束の時間に全員集まったので、早速沙織さんの車に乗り込む。
「みんな、忘れ物はないかしら?」
出発する直前、運転席にいる沙織さんが声をかける。
「着替えある…、枕ある…、ナプキンある…。――忘れ物ないよ!」
車内で大きなカバンを開けて確認する紬さん。
女子にとっては必需品とはいえ、生理用品は反応しにくいな…。
全員忘れ物がない事を確認した沙織さんは、車を発進させる。
「紬ちゃん、枕変わると眠れないタイプなんだ~。知らなかったよ」
そういうのは泊まる時しかわからないよな。幼馴染の満里奈さんはともかく、詩織さんが知らないのは無理ない。
「寝れないというより、よだれがたくさん出ちゃうんだよ。お母さんに『よその枕によだれ付けないようにして!』って言われたからさ~」
洗濯で落ちるとはいえ、誰だってよだれまみれの枕カバーは回収したくない…。
「そんな事より、まーちゃんゴム持ってる? 今気付いたよ」
言いにくいが、この際だから正直に言った方が良さそうだ。
「持ってないというか、どこで売ってるか知らないんだよ…」
わざわざ調べる気にならず、この時を迎えてしまった。
「真君、ゴムはコンビニとかドラッグストアで買えるわ。覚えておいて♪」
「…わかりました。教えていただきありがとうございます」
「まーちゃんって意外にズボラなんだね~。Hで絶対いるじゃん!」
「男の子にとってゴムは余計な物だから、無関心な事もあるわよ。あの人もそうだったし…」
「あの人? 母さん、誰の話?」
「大学生の時に付き合ってた彼氏。そういう時になったら『出さないからいらねーだろ!』の1点張りだったからすぐ別れたわ」
「その人チャラそうだね~。沙織ママに合わないって!」
紬さんはあの時初めて聞いた“沙織ママ”が気に入ったらしく、ずっと呼び続けている。最初の方は違和感があったが、今は何ともない。
「今はそう思うけど、あの時は若気の至りというか…」
沙織さんにもそういう時があったのか。
「『千玲』に行く前にコンビニで買いましょうか。持ってて損はしないから♪」
沙織さんはコンビニに寄り、本当にゴムを買ってくれた。本当に使う時は来るんだろうか…。
そんな事を考えてしばらくしたら『千玲』に着いたので、俺達は早速入る。
「いらっしゃい!」
「みんな待ってたわ♪」
受付にいたのは千夏さん・千春さん母娘だ。2人揃ってる時って今まであったか?
「お姉さん・オバさん聞いてよ~! まーちゃんが今日ゴム忘れてきたんだよ!」
言う必要ないだろ…。
「仕方ないでしょ。男は生と中出しが大好きだからさ~」
「真くん、予備あるからあげるわね♪」
千春さんが受付にある引き出しを開けようとした時…。
「それは良いの。沙織ママがコンビニで買ってくれたから」
「あら、そうなの?」
「はい。なので大丈夫です」
あり得ないと思うが、足りなくなったら貰おう。
「こんな時に持ってこないなんて、どこで買うか知らなかったんじゃない?」
千夏さん鋭いな…。
「お姉さんの言う通りだよ、まーちゃんだけなのかな? 旦那さんはどうだった?」
「そういう話はした事ないけど、あの時の玲も多分知らなかったと思うよ。ゴムいる時は毎回アタシが手渡してたから」
今の話を聞いた限り、玲さんも同じか。手渡しされたやつを断った感じじゃなさそうだ。何にせよ、仲間がいるとホッとするな。
「さて、おしゃべりはこれぐらいにして、部屋に案内しないとね」
「私が案内するから付いて来て♪」
千春さんが先導してくれるようだ。俺達は彼女に付いて行く。
過去に2回来た男湯・女湯の付近に『関係者以外立ち入り禁止』と書かれた看板があるんだが、千春さんはその先に足を踏み入れる。
そしてすぐの角を曲がったところに、扉が2枚ある。
「みんなから見て、手前にある扉が泊まってもらう部屋になるわ♪ 奥は泊まる人専用の温泉よ♪」
「いつでも温泉入れる感じ?」
紬さんが尋ねる。
「入れるわ♪」
「やった~!」
「夕食は18時30分になるから、その時間になったらフリースペースに来てね♪」
「わかりました」
返事をする沙織さんだ。
『千玲』の営業時間が8時~18時なのは、以前満里奈さんが訊いてくれた。(62話参照)
つまり夕食は俺達だけなのか。気楽に過ごせて良いな。
「みんなが呼ばない限り私達が部屋に行く事はないから安心して♪」
それはエロい意味だろうな、きっと…。
全て話し終えたのか、千春さんは来た道を引き返して行く。
「ウチが一番乗りだ~!」
紬さんが小走りで部屋の扉に向かって行く。俺達も続くとしよう。
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