145 / 294
バイトを終えてから~夏休みが終わるまで
第145話 こんな時だからこそHするの!
しおりを挟む
明夫さんが大事な話をするために、明後日の昼頃帰って来るらしい。それを確認した俺達は朱里さん・月夜さんにお礼を言った後、“ソフィー”を出て沙織さんの車に乗り込む。寄り道せずにまっすぐ家に帰る流れだ。
「やっぱり月ちゃんの占いは当たるな~。ねぇ沙織ママ?」
「そうね…」
沙織さんからいつものような余裕は感じられない。当然と言えば当然だが…。
紬さんも彼女の様子が普段と違う事を理解したのか、それ以上話す事はなかった。
重苦しい雰囲気の中、俺達は沙織さんの家のリビングに戻って来た。これから彼女は忙しくなるので家に入らず帰る事を伝えたが『気にしないで。何か飲み物を出すわ』と言ってくれたので、お言葉に甘える事にした。
今の夏は酷暑だから、いつも喉が渇いていると言っても過言じゃない…。
「今日と明日は大掃除する事になりそうだわ」
「大掃除? 今でも十分キレイだよ?」
紬さんの言う通りだ。特に汚れてるところは見当たらない。
「今以上って事よ。わたしはお父さんにこの家を任されてる立場だから」
「ふ~ん」
「それにしても、父さんの大事な話ってやっぱりパソコンの事かな? それならわざわざ帰って直接言う必要なくない?」
「わたし達はお父さんに無断でノートパソコンにログインしたのよ? 家族とはいえプライバシーはあるから、怒られるのは当然だと思うわ」
「そんなの『うっかりしちゃった♪』で済む話じゃん。パソコンに出来てスマホに出来ない事はあるし、それを理由にすれば文句言わないでしょ」
俺は明夫さんの性格を知らないから何とも言えない…。
「…かもしれないわね」
パソコンの言い訳? が決まったのに、沙織さんは浮かない表情をしている。
「ねぇ真君・満里奈ちゃん・紬ちゃん。ここ最近、この辺りで変わった人とか車見てない?」
彼女はいきなり何を言い出すんだ?
「俺は見てませんね…」
「私もです」
「ウチも~」
「あくまで仮説だけど、お父さんも探偵さんにお願いした可能性は考えられない? ウィルベルさんに頼んだわたしに仕返しと言うか…」
ウィルベルさんとロジーさんは調査中に明夫さんを1回も見てないと言っていたが、彼なりに違和感を抱く事があったかもしれない。単身赴任している明夫さんを一番気にするのは沙織さんだと思うはずだから、探偵に頼む動機はわかる。
「真君、これから言う事で不快にさせたらごめんね」
「はぁ…」
よくわからない前置きをされたが、良い内容ではないのは確定だ。
「仮に、お父さんが探偵さんにわたしの調査をお願いしたとするわね。その調査中に真君がこの家に何度も来てる事は、探偵さんは絶対わかってるのよ」
もしかして俺が沙織さんの浮気相手と思われてる? 彼女にゴムを使った以上、言い訳できそうにない。
「お父さんは探偵さんの報告を聴いて“詩織に彼氏ができた”って思うはず」
あれ? そっちなの? 一般的に考えればそう解釈するのが普通か。
「だからわたし達に彼氏について訊くために帰ってくる…。これも可能性の1つじゃないかしら?」
「それだってパソコンと同じじゃない? わざわざ直接言う事じゃないって」
「世の中のお父さんは、娘に彼氏ができる事をすごく気にするみたいよ。今年になって1回も帰ってきてないし、顔を見るついでに訊くかもね」
今の話は仮とはいえ、知らない間に俺は明夫さんを怒らせてるかもしれないのか。あまり考えたくないぞ…。
「あたしと真は付き合ってないからな~。聞かれたらなんて言えば良いの?」
「詩織ちゃん。正直に『〇フレ』って言っちゃおうよ♡」
「紬ちゃんの気持ちはわかるけど、さすがに厳しいわね。お父さん怒るかもしれないわ…」
俺、この家に『出禁』になるのでは? そうなってもおかしくない事はしてるが…。
「最後に思い付くのは、浮気相手と再婚する報告かしら。それならお父さんから離婚の話をするはずだから、少し気が楽になるわね」
沙織さんは離婚する意志があるとはいえ、話を切り出すのは勇気がいるよな。
「パソコン・詩織の彼氏・再婚。この3つのどれかだと、わたしは思ってるわ」
…今思ったが、用件は1つとは限らない。2つ以上も考えられる訳だ。どうなるかは、明後日の昼頃わかる!
「母さん。どの話も、あたしも一緒に聴いて良いよね?」
「もちろん。どれも詩織に関係あるからね」
この家は居心地が良いので、つい長居してしまう。そろそろ帰らないと悪いよな。アイコンタクトで2人に気持ちを伝えよう!
――満里奈さんは小さく頷いてくれたが、紬さんは微笑むだけだ。わかってるようには見えないので、行動で示そう。
「沙織さん、俺達はそろそろ帰りますね」
「え~、もう帰るの?」
「紬、空気読みなさいよ…」
「そうじゃないって! 沙織ママと詩織ちゃん、まだHしてないじゃん!」
「あんたこんな時にふざける?」
「こんな時だからこそHするの! 明日と明後日は無理っぽいし、今やらなくていつやるの!?」
「母さん。父さんの連絡で、何日家にいるか書いてあった?」
「なかったわ。わたしは日帰りだと思ったけど…」
「大人も夏休みあるし、久しぶりに帰って来るならゆっくりするかもしれないよね? おじさんがゆっくりしたら、それだけ沙織ママと詩織ちゃんはHできないよ?」
「……」
顔を見合わせる2人だが、やがて俺を直視するようになる。まさか…。
「真、頼むわ♡」
「お父さんが帰ってくるのは明後日だから、明日頑張るわ♡」
沙織さん・詩織さんの気持ちを知ったので、すぐ相手しよう!
「やっぱり月ちゃんの占いは当たるな~。ねぇ沙織ママ?」
「そうね…」
沙織さんからいつものような余裕は感じられない。当然と言えば当然だが…。
紬さんも彼女の様子が普段と違う事を理解したのか、それ以上話す事はなかった。
重苦しい雰囲気の中、俺達は沙織さんの家のリビングに戻って来た。これから彼女は忙しくなるので家に入らず帰る事を伝えたが『気にしないで。何か飲み物を出すわ』と言ってくれたので、お言葉に甘える事にした。
今の夏は酷暑だから、いつも喉が渇いていると言っても過言じゃない…。
「今日と明日は大掃除する事になりそうだわ」
「大掃除? 今でも十分キレイだよ?」
紬さんの言う通りだ。特に汚れてるところは見当たらない。
「今以上って事よ。わたしはお父さんにこの家を任されてる立場だから」
「ふ~ん」
「それにしても、父さんの大事な話ってやっぱりパソコンの事かな? それならわざわざ帰って直接言う必要なくない?」
「わたし達はお父さんに無断でノートパソコンにログインしたのよ? 家族とはいえプライバシーはあるから、怒られるのは当然だと思うわ」
「そんなの『うっかりしちゃった♪』で済む話じゃん。パソコンに出来てスマホに出来ない事はあるし、それを理由にすれば文句言わないでしょ」
俺は明夫さんの性格を知らないから何とも言えない…。
「…かもしれないわね」
パソコンの言い訳? が決まったのに、沙織さんは浮かない表情をしている。
「ねぇ真君・満里奈ちゃん・紬ちゃん。ここ最近、この辺りで変わった人とか車見てない?」
彼女はいきなり何を言い出すんだ?
「俺は見てませんね…」
「私もです」
「ウチも~」
「あくまで仮説だけど、お父さんも探偵さんにお願いした可能性は考えられない? ウィルベルさんに頼んだわたしに仕返しと言うか…」
ウィルベルさんとロジーさんは調査中に明夫さんを1回も見てないと言っていたが、彼なりに違和感を抱く事があったかもしれない。単身赴任している明夫さんを一番気にするのは沙織さんだと思うはずだから、探偵に頼む動機はわかる。
「真君、これから言う事で不快にさせたらごめんね」
「はぁ…」
よくわからない前置きをされたが、良い内容ではないのは確定だ。
「仮に、お父さんが探偵さんにわたしの調査をお願いしたとするわね。その調査中に真君がこの家に何度も来てる事は、探偵さんは絶対わかってるのよ」
もしかして俺が沙織さんの浮気相手と思われてる? 彼女にゴムを使った以上、言い訳できそうにない。
「お父さんは探偵さんの報告を聴いて“詩織に彼氏ができた”って思うはず」
あれ? そっちなの? 一般的に考えればそう解釈するのが普通か。
「だからわたし達に彼氏について訊くために帰ってくる…。これも可能性の1つじゃないかしら?」
「それだってパソコンと同じじゃない? わざわざ直接言う事じゃないって」
「世の中のお父さんは、娘に彼氏ができる事をすごく気にするみたいよ。今年になって1回も帰ってきてないし、顔を見るついでに訊くかもね」
今の話は仮とはいえ、知らない間に俺は明夫さんを怒らせてるかもしれないのか。あまり考えたくないぞ…。
「あたしと真は付き合ってないからな~。聞かれたらなんて言えば良いの?」
「詩織ちゃん。正直に『〇フレ』って言っちゃおうよ♡」
「紬ちゃんの気持ちはわかるけど、さすがに厳しいわね。お父さん怒るかもしれないわ…」
俺、この家に『出禁』になるのでは? そうなってもおかしくない事はしてるが…。
「最後に思い付くのは、浮気相手と再婚する報告かしら。それならお父さんから離婚の話をするはずだから、少し気が楽になるわね」
沙織さんは離婚する意志があるとはいえ、話を切り出すのは勇気がいるよな。
「パソコン・詩織の彼氏・再婚。この3つのどれかだと、わたしは思ってるわ」
…今思ったが、用件は1つとは限らない。2つ以上も考えられる訳だ。どうなるかは、明後日の昼頃わかる!
「母さん。どの話も、あたしも一緒に聴いて良いよね?」
「もちろん。どれも詩織に関係あるからね」
この家は居心地が良いので、つい長居してしまう。そろそろ帰らないと悪いよな。アイコンタクトで2人に気持ちを伝えよう!
――満里奈さんは小さく頷いてくれたが、紬さんは微笑むだけだ。わかってるようには見えないので、行動で示そう。
「沙織さん、俺達はそろそろ帰りますね」
「え~、もう帰るの?」
「紬、空気読みなさいよ…」
「そうじゃないって! 沙織ママと詩織ちゃん、まだHしてないじゃん!」
「あんたこんな時にふざける?」
「こんな時だからこそHするの! 明日と明後日は無理っぽいし、今やらなくていつやるの!?」
「母さん。父さんの連絡で、何日家にいるか書いてあった?」
「なかったわ。わたしは日帰りだと思ったけど…」
「大人も夏休みあるし、久しぶりに帰って来るならゆっくりするかもしれないよね? おじさんがゆっくりしたら、それだけ沙織ママと詩織ちゃんはHできないよ?」
「……」
顔を見合わせる2人だが、やがて俺を直視するようになる。まさか…。
「真、頼むわ♡」
「お父さんが帰ってくるのは明後日だから、明日頑張るわ♡」
沙織さん・詩織さんの気持ちを知ったので、すぐ相手しよう!
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる