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第23話 大阪府② 粉もの、スパワールド
しおりを挟む「おお、どれも良い香りじゃ! それにいろいろな種類があるのじゃな」
「せっかくだから、いろんなものを食べたいからね。ぶた玉のお好み焼き、ネギがたっぷり入っているネギ焼き、キャベツともやしが入ったとんぺい焼きだよ」
通天閣をひと通り楽しんだあとは、とあるお好み焼き屋さんへとやってきた。大阪では普通のお好み焼きだけでなく、いろんな種類がある。
その中でも有名なのが、長ネギをたっぷりに、すじこんと呼ばれるすじ肉とこんにゃくを煮込んだものを入れて焼きあげたネギ焼きである。ソースで食べても美味しいが、醤油やポン酢にレモン汁をかけたさっぱりとした食べ方もある。
とんぺい焼きは店によって違うが、基本的には卵を溶いた生地で炒めた豚バラやキャベツなどの具材を包み、ソースやマヨネーズをたっぷりかけて食べる料理だ。どちらかと言うと、お好み焼きというよりオムレツに近いかんじかもしれない。
「そして最後に白いご飯!」
「………………」
いやまあ喜屋武さんの言いたいことはよく分かるよ。なぜお好み焼きに白米? と疑問に思うかもしれないが、関西の人は焼きそばやお好み焼きをおかずにご飯を食べるらしい。もちろん関西の人全員が全員そうというわけではないが、せっかくならこの機会に食べてみようというわけだ。
基本的にソースとご飯だから、絶望的に合わないなんてことはないと思う。まあどれも炭水化物と炭水化物だから太……いや、今回の旅においてそのことには触れるべきじゃないな。ちゃんと歩いて運動はしているから、きっと大丈夫だろう……たぶん、おそらく、きっとそうだと信じている。
「うむ、どれもおいしいのじゃ! 確かにこのソースという調味料はどんなものにも合うようじゃな!」
「ソースは小麦粉を使った粉ものにはだいたい合うようにできているね。お好み焼きソースは普通のソースよりもドロっとしていて、甘味や旨味が少し強くて、お好み焼きの素材に合うように作られているらしいよ」
「……意外とご飯にも合いますね。確かにおかずとして扱われるのも分かる気がします」
喜屋武さんも粉ものとご飯を合わせることは大丈夫らしい。俺も全然気にならないな。
「外側はカリッとした食感で、中身はふっくらと柔らかく、その上に掛かっているソースがこれまたたまらんのう!」
大阪で食べるお好み焼きって、普通よりも美味しく感じるよね。もちろん他の名物もそう感じるのだが、なぜか大阪の食べ物はより一層それを感じる気がする。
「このとんぺい焼きはシンプルですがおいしいですね。やはりこのソースが普段食べているソースとは全然違います」
「料理によってソースを変えるって、本当にソースにこだわっているよね。それにこっちのネギ焼きもおいしいよ。ソースもおいしいけれど、醤油やポン酢で食べる粉ものも全然合うね」
「それじゃあ温泉を楽しんだら、プールに集合でよろしく」
「うむ、わかったのじゃ!」
「ええ、それでは後ほど」
腹ごしらえを終えてやって来たのは通天閣のすぐそばにあるスパワールドだ。ここは温浴施設となっており、様々な温泉や岩盤浴があり、さらには温水プールに宿泊施設に娯楽施設まである。
スーパー銭湯のようではあるが、その規模が段違いで大きい。施設の中には世界の温泉と称して、世界各国の浴場をイメージした温泉や岩盤浴がある。
温泉は男女別となっており、ヨーロッパゾーンとアジアゾーンに別れており、月毎に男女を入れ替えている。岩盤浴は一部を除いて水着着用の上で一緒に楽しむことができ、温水プールも同様に男女で楽しむことができる。レジャー施設や食事処もあるし、1日中楽しめる場所だ。
「おお~絶景かな、絶景かな」
今日は男湯がヨーロッパゾーンのようだ。古代ローマ風呂、イタリア、スペイン、アトランティス、地中海などの世界の温泉を楽しんだ。
特にギリシャのパルテノン神殿をイメージした風呂は素晴らしかったな。温泉を楽しんだあとは少しだけサウナ発祥の地である、フィンランドをイメージしたサウナハウスでサウナを楽しんだ。
本当は追加料金を払って、世界の岩盤浴も楽しみたかったが、今日はそこまで時間がないのでなしになった。時間のある人はぜひこちらも楽しんでほしい。2人との集合時間になったので、上の階にあるプールへと移動した。
「タケミツ、待たせたのじゃ!」
「全然待ってないから大丈夫。それよりも滑るから気を付けてね」
さすがに俺のほうが遅れるわけにはいかないので、だいぶ早めに待ち合わせ場所まで行き、2人を待っていた。
ミルネさんは可愛らしいピンク色のワンピース型の水着を着ている。隠密魔法はあるが、念の為に大きな水泳キャップでエルフの耳を隠しており、両手で大きな浮き輪を持っている。
スパワールドでは水着もレンタルできるが、さすがに異世界のお姫様にレンタル水着はまずいので、2人はここで販売されている新品の水着を購入した。ちなみに男である俺の水着なんかどうでもいいので、俺のはレンタルだよ。
「佐藤さん、お待たせしました」
「……大丈夫、全然待ってないよ」
喜屋武さんのほうは黒のビキニを着ている。いつもの黒いスーツを着ている時は全然気付かなかったが、かなりスタイルが良い。
今はメガネも外しているから、まったくの別人にしか見えない。こうして見ると喜屋武さんはかなり美人だし、きっとモテるんだろうなあ。ミルネさんに隠密魔法を掛けてもらっていなかったら、ナンパされていた可能性も高い。
おっと、あまりジロジロ見ていたら、あとでまたセクハラだと言われてしまうから気を付けないとな。
「タケミツ、あれはなんなのじゃ?」
「あれはウォータースライダーといって、水の流れる滑り台だね。2人じゃないと乗れないから、喜屋武さんと楽しんでくるといいよ」
このスパワールドのプールには2種類のウォータースライダーがある。別料金となっているが、すでに支払い済みだ。2人~3人乗りだが、さすがに男の俺と一緒に乗るのはまずいだろうから、喜屋武さんと2人で乗ってきてもらうとしよう。
「おお、それは面白そうじゃな!」
「佐藤さん、ミルネ様と行ってきますので、すみませんがしばらく待っていてください」
「俺は俺でのんびりしているから楽しんできてよ」
「アンリ、早く行くのじゃ!」
「ミルネ様、ここは走っては駄目ですよ」
ミルネさんが喜屋武さんの手を引っ張っていく。初めてプールに来たり、ウォータースライダーを見たりしたら、あれくらいのテンションになるんだろうな。
俺は俺で辺りの水着の女性を見て目の保養をする。隠密魔法はどれくらいの効果があるのかなあ、とか女性にタッチしたらさすがに効果が切れるよなあ、とか不埒なことはほんの少ししか考えていないぞ!
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